「エアコンの暖房」をつけっぱなしにするのと「電気ストーブ」では、どちらの方が電気代は安くなる? それぞれの「運転費用」などを詳しく解説

image

家の暖房器具といえば、エアコンを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。ボタン1つで部屋を快適な温度にしてくれるため、ついついつけっぱなしにしてしまいがちですが、そんなときに気になるのが電気代です。「もしかしたら、電気ストーブのほうが電気代は安い?」と考える方もいるでしょう。
そこで今回は、エアコンと電気ストーブの運転費用や特徴をご紹介します。自分のライフスタイルにはどちらが合っているのか、これを機に考えてみましょう。

エアコンがお得になるのはどのようなとき?

まずは、エアコンの運転費用と特徴をみていきましょう。夏場に大活躍するエアコンは、今では生活必需品になりました。では、エアコンがお得になる場合はどのようなときでしょうか。

エアコンの運転費用は1時間あたり約3円

一般的に、エアコンの電気代は安い場合で1時間あたり3円程度とされているようです。そのため、1日7時間使用した場合は約21円、1ヶ月で約630円です。
ただし、使用するエアコンによってこの金額は変動する可能性があります。実際に、最新のエアコンは技術の進歩により、省エネ性能が高くなっているといわれており、2013年と2023年の製品を比較すると、年間の電気代に約4150円もの差が生じる可能性があるともいわれているようです。
一般的なエアコンの寿命は約10年といわれているため、10年以上前のエアコンを使用している方は、今後のランニングコストを考えて買い替えを検討するのもよいでしょう。

広い部屋ならエアコンがおすすめ

次に、エアコンの特徴をみていきましょう。エアコンは電気代が安定しており、省エネ性能が高いのが特徴とされています。温風を循環させることで空間全体をあたためられるため、リビングなどの比較的広い部屋で使うのがおすすめだと考えられます。
部屋全体があたたかくなるまでに時間はかかる可能性がありますが、室温を維持しやすい傾向があるため、長時間の利用にも向いていると考えられます。

電気ストーブがお得になるのはどのようなとき?

次に、ストーブの運転費用や特徴をみていきましょう。

電気ストーブの運転費用は1時間あたり約20円

電気ストーブは1時間あたり約20円を消費するといわれています。1日7時間使用すると約140円、1ヶ月で約4200円かかる計算です。
単純に1時間あたりの金額で比較すると、運転費用はエアコンのほうが安いことになりますが、初期費用は電気ストーブのほうが安い傾向があるというメリットがあります。
エアコンは安くても5万円ほどかかり、プラスで設置費も発生します。また、部屋の場所によっては設置できない場合もあるとされています。その点、電気ストーブは数千円から購入でき、どのような場所でも使用できるところがメリットといえるでしょう。

狭い部屋や短時間利用なら電気ストーブがおすすめ

空気を介して部屋をあたためるエアコンと違い、電気ストーブは本体から直接電磁波で熱を伝えるため、スイッチを入れて比較的すぐに暖をとることができると考えられます。即暖性に優れている傾向のある電気ストーブは、エアコンで部屋があたたかくなるまでの間や、お風呂あがりの脱衣所などで使用するのがおすすめです。

エアコン・ストーブ利用時の、無理のない省エネ節約術

最後に、無理のない効果的な省エネの方法をご紹介します。今日からできる簡単なものばかりですので、ぜひ実践してみてください。

エアコン

●ドア・窓の開閉を少なくする
●厚手のカーテンを使用する
●扇風機を併用し、あたたまった空気を循環させる
●室外機のまわりに物を置かない
●室温は20度を目安に設定する

経済産業省資源エネルギー庁によると、エアコン(2.2kW)の暖房設定温度を1度下げて1日9時間使用した場合、年間で電気53.08kWhの省エネになり、約1650円の節約につながる可能性があるようです。

ストーブ(電気・ガス・石油ファンヒーター)

●こまめにフィルターなどの掃除をする
●厚着をして体感温度を上げる
●必要なときだけ使う

経済産業省資源エネルギー庁によると、ガスファンヒーターの設定温度を1度下げて1日9時間使用した場合、年間でガス8.15立方メートルの省エネになり、約1320円の節約につながる可能性があるようです。
石油ファンヒーターであれば、年間で灯油10.22Lの省エネになり、約880円の節約になる場合があります。

シーンに合わせた使い分けが節電のコツ

使う場所や広さ、時間によって消費電力は変動する可能性があるため、一概に「こちらのほうが得」とはいいきれません。エアコンと電気ストーブ、どちらのほうがより効果的に費用を削減できるのかは、それぞれの特徴を知ることからはじまります。それぞれの場所に合わせた暖房器具を使って寒い冬を乗り越えましょう。

出典

経済産業省資源エネルギー庁 無理のない省エネ
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

コメント