太陽光発電に興味はあっても、元が取れるのか分からず導入を迷っている人もいるでしょう。太陽光発電の設置費用は決して安くないため、回収期間や元を取るためのポイントなどをしっかり把握しておくことが大切です。本記事では、太陽光発電の設置費用の目安や節電効果をはじめ、装置の寿命や元を取るためのポイントを紹介します。
太陽光発電の設置費用目安
太陽光発電の設置にかかる費用は、必要な出力容量や設備の種類によって異なります。経済産業省が公開している2024年度のデータによると、2022年設置のシステム費用の1kWあたりの平均費用は約26.7万円でした。一般的な家庭で必要とされている出力容量は3~5kWであり、設置費用の相場はおよそ80.1万~133.5万円と見込まれます。
ただし、設置場所の条件や選択するメーカーによって価格は変動するため、複数の業者から見積もりを取り、比較検討したうえで決定しましょう。
太陽光発電による節電効果の目安
太陽光発電を導入すると、家庭の電気代を大きく削減できる可能性があります。日中の発電量が自宅で消費する電力を上回っていれば余剰分を売却でき、電気代の削減とあわせて収益を得ることも可能です。
以下の条件で削減できる電気代と収益を計算していきます。
●年間発電量:7000kWh
●自家消費率:40%
●電気代の目安単価:31円/kWh
●売電価格:16円/kWh
発電した電力の消費により節約できる電気代
7000kWh×0.4×31円=8万6800円
売電による収益額
7000kWh×0.6×16円=6万7200円
年間で約15万4000円の収益が期待できます。設置費用が100万円程度であれば、約6.5年で元が取れるでしょう。
太陽光発電装置には寿命がある
太陽光発電装置には寿命があります。一般的に、太陽光パネルの寿命は20~30年程度とされています。そのため、多くのメーカーでは20~25年間の出力保証を提供しているのです。出力保証とは、一定以上の発電効率の維持を保証するものです。
なお、適切なメンテナンスを行えば30年以上稼働するケースもあります。寿命を延ばして利用するためには、定期的な点検が大切です。家庭用の太陽光発電装置の点検費用は、1回あたり約2万円が相場です。4年に1回程度の点検が推奨されているため、20年間で約10万円、年間に換算すると約5000円の費用が発生すると把握しておきましょう。
太陽光発電で元を取るためのポイント
ここでは、太陽光発電を設置して、初期費用の元を取るためのポイントを紹介します。
初期費用を節約する
太陽光発電で元を取るためには、初期費用を節約することが大切です。本体価格や設置にかかる費用は、販売店や施工業者によって大きく異なります。相場よりも高い金額で見積もりを提示した業者に依頼すれば初期費用が高くなり、費用回収までの期間が長くなってしまうでしょう。
一方、相場と同等もしくは安い業者を選べば、初期費用の回収期間が短くなり、元を取れる可能性が高まります。ただし、業者を選ぶ際は、実績やアフターサポートなども確認し、総合的なバランスをみて決めましょう。
価格の安さにとらわれすぎると、施工不良による故障や発電量の低下、破損などのリスクが増すおそれがあります。修理費用が余計にかかれば、回収期間が延びて赤字になるリスクがあることに注意してください。
自家発電でも節電を意識する
太陽光発電の初期費用の回収を早めるためには、日常生活での節電を意識することが大切です。例えば、テレビや照明をこまめに消したり、使用していない部屋の家電の電源を切ったりすることで無駄な電力消費を抑えられます。
また、エアコンを適切な設定温度にしていなかったり、冷蔵庫の扉をひんぱんに開閉したりすると、消費電力が増える原因になります。せっかく太陽光発電で電力を生み出しても、無駄な消費を続けていれば経済的なメリットは十分に得られません。節電を意識していなかった場合は、一度生活習慣を見直してみるといいでしょう。
太陽光発電は約6.5年で元が取れる可能性がある
太陽光発電を設置した場合、一般的には約6.5年で設置費用を回収できる可能性があります。また、設置費用の比較や選択、日常生活の見直しを行うことで、より効率的かつ経済的なメリットを得られるでしょう。装置の寿命やメンテナンス費用も考慮し、長期的な視点で導入を検討することが大切です。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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