実家を相続して対応に困ったとき、空き家バンクに登録する方法があります。空き家バンクに登録すると、補助金を利用できる可能性もあるので、実家を売りたい人はチェックするとよいでしょう。ただし、自治体によって条件や内容が変わる場合もあるので、よく調べることが大切です。
今回は、空き家バンクの概要やメリットなどについてご紹介します。
空き家バンクとは
空き家バンクは、買い手が見つからない空き家と空き家を買いたい人を自治体がつなげる「空き家のマッチング制度」です。物件登録や掲載料がかからないため、手軽に登録しやすい点がメリットでしょう。
自治体のホームページのほか、不動産会社からも空き家バンクで保有している物件を探せます。そのため、幅広い人に見てもらえる可能性があるところもポイントです。
東京都青梅市の場合、申請から空き家バンクへの登録は以下の流れで行われます。
(1)自治体へ空き家について相談、登録申請をする
(2)自治体が空き家の物件調査を行う
(3)問題がなければ登録決定する
買い手側に対しても求められた情報を提供したり物件紹介をしたりしてくれるので、空き家を有効活用してくれる人が見つかる可能性が高まります。また、自治体によっては空き家を非公開情報として保有し、希望者のみに公開している場合もあるようです。
空き家バンクを利用するメリット
ここからは、空き家バンクを利用するメリットをご紹介するので、利用する際の参考にしてください。
補助金を利用できる可能性がある
空き家バンクでは、補助金制度を利用できる場合があります。青梅市の場合、空き家バンクに物件を登録する際に利用できる補助金は「家財道具等片付け等費用補助」です。
家財道具等片付け等費用補助では、電化製品や生活雑貨を始めとする家財道具の片付けや処分の費用を補助してもらえます。補助率は経費の2分の1、最大50万円まで受け取れます。
なお、補助金の内容は自治体によって異なる可能性があるので、よく確認しておきましょう。
特定空家等になるのを防げるかもしれない
ほかのメリットは、特定空家等に認定される前に新たな買い手や借り手が見つかるかもしれない点です。
空き家は保有しているだけでも固定資産税などがかかりますが、老朽化や倒壊の危険があると判断されると、自治体から「特定空家等」に指定されることがあります。特定空家等に指定された場合、自治体が判断すれば固定資産税の軽減措置(住宅用地特例)の対象から除外され、税負担が大きく増えるおそれがあるのです。
住宅用地特例は、人が住むための家の土地であれば固定資産税の課税基準を200平方メートルまでは6分の1、200平方メートルを超える部分は3分の1にできる制度です。
例えば、本来の課税標準額が1200万円で土地が200平方メートル未満の空き家を持っていたとしましょう。住宅用地特例があると、課税標準額は200万円です。税率は固定資産税の標準税率1.4%とすると、特例を適用したときの固定資産税額は2万8000円になります。
一方、特例が適用されなければ6倍の16万8000円です。
空き家バンクに登録し補助金を利用して手入れや管理をすれば、特定空家等にならずに済むでしょう。さらに、購入したい人が見つかると売却できるので、固定資産税の支払いも不要になります。
ただし、自治体によって登録できる条件が異なる可能性もあるので、よく確認しておきましょう。また、自治体は仲介役になりません。委託業者などが仲介役となるケースもありますが、自治体によっては自身で購入希望者とやり取りをする場合もあります。
自治体によっては最大50万円の補助金をもらえる可能性もある
空き家バンクは、空き家の購入希望者と売却希望者を自治体がつなぐサービスです。もう使わない空き家を必要とする人に売りやすくなります。また、登録料や掲載料がかからないため、空き家の管理以外の費用があまりかからない点もメリットです。
自治体によっては空き家をきれいにするための費用を支援してくれる場合もあります。空き家がある自治体のサイトなどを確認し、利用できる補助金がないか確認するとよいでしょう。
出典
東京都青梅市 青梅市「空家バンク」のご案内
総務省 固定資産税
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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