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白岳(はくたけ)は、熊本県の人吉・球磨(くま)地方で造られる、GI(地理的表示)指定を受けた米焼酎、球磨焼酎の代表銘柄のひとつです。高橋酒造株式会社のブランド「白岳」は、米焼酎ならではのクセの少なさにくわえ、米の旨味も堪能できる飲み飽きしない味わい。白岳ならではの多彩なラインナップも魅力です。
「白岳」はWTOが認めた「球磨(くま)焼酎」の代表銘柄
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「白岳」は熊本・人吉が生んだ「球磨焼酎」の代表格
「白岳」は、熊本県の最南端にある人吉・球磨(くま)地方で造られる米焼酎。この地では、遠く戦国時代から400年以上にわたって焼酎造りが続けられてきたと考えられています。
その長きにわたる歴史と伝統は、地域の風土に根ざした独自の食文化として認められ、1995年にWTO(世界貿易機関)のTRIPS(トリプス)協定にもとづき、国税庁から「球磨(くま)焼酎」として地理的表示指定を受けました。
「白岳」を含む球磨焼酎が、世界的なブランドに
地理的表示指定とは、産地ならではの風土や伝統が育んだ商品として、その独自性を国際的に認め、保護するもの。日本の焼酎で地理的表示が認められたのは、鹿児島の「薩摩焼酎」と、長崎の「壱岐焼酎」、沖縄の「琉球泡盛」、そして「球磨焼酎」のわずか4例しかありません。
この認定を受けることで、球磨焼酎はウイスキーのスコッチやバーボン、ワインのボルドーやシャンパーニュなどと同様、世界的なブランドとなったのです。
「白岳」の生みの親、高橋酒造の歩み
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「白岳」の造り手、高橋酒造の100年を越える歴史
「白岳」の造り手、高橋酒造は、現在、28軒を数える球磨焼酎の蔵元のひとつです。
「球磨焼酎」と名乗れるのは、米だけを原料に、この地を流れる球磨の地下水で仕込み、球磨地域で蒸溜、瓶詰めした焼酎のみ。高橋酒造は、明治33年(1900年)の創業以来、一世紀以上にわたってこの地で焼酎造りを続けてきました。
代表銘柄である「白岳」は、2020年に発売60周年を迎えるロングセラーで、200以上あるとも言われる球磨焼酎の銘柄のなかでも、全国的な知名度を誇ります。
「白岳」に込められた球磨の地への想い
「白岳」の全国的な人気と知名度の背景には、造り手である高橋酒造の、球磨焼酎ブランドに対する強いこだわりがあります。
人吉・球磨の地は、盆地ならではの寒暖差の大きな気候と、日本三大急流のひとつに数えられる球磨川の清流に恵まれた、古くからの米処。鎌倉時代から“隠れ里”として、独自の文化を築いてきたこの地に焼酎造りの文化が伝わり、球磨焼酎の伝統を育んできました。
高橋酒造では、こうした風土や伝統を、焼酎造りのバックボーンとして大切に守り続けるとともに、2010年には球磨焼酎ミュージアム「白岳伝承蔵」をオープン。球磨焼酎の歴史的・文化的な価値を広く社会に発信しています。
「白岳」の魅力は、熊本から全国、そして世界へ
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「白岳」は飲みやすく飽きの来ない定番の米焼酎
「白岳」の魅力は、その飲みやすさにあります。もともと米焼酎には、芋焼酎などと比べて、香りが控えめでクセがないという特徴があり、焼酎を飲み慣れていない人への、いわば“入門編”にはもってこいのお酒と言えます。
「白岳」は、米焼酎ならではのクセのない飲み口に加え、人吉の肥沃な大地で育った米の旨味と、上質のミネラルを含んだ球磨の水の魅力を最大限に引き出した味わいが魅力。飲み飽きしない定番の米焼酎として、初心者から焼酎マニアまで、幅広く愛飲されています。
「白岳」、そして球磨焼酎を世界へ
「白岳」をはじめとした球磨焼酎の伝統は、日本が世界に誇る食文化のひとつであり、近年、その魅力を世界に発信する動きが活発化しています。
高橋酒造もまた、海外での販路を積極的に拡大。「白岳」のクセのない飲みやすさは、国境や文化を越えて人気を博し、国際的な食品品評機関であるモンドセレクションにおいて何度も金賞を獲得するなど、その実力が世界的に認められています。
「白岳」のバラエティ豊かなラインナップ
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「白岳」の名のもとに多様な魅力を持った焼酎が
「白岳」ブランドは、そのバリエーションの豊富さも魅力のひとつ。60年の歴史を持つ「白岳」をベースに、さまざまな魅力を加味した多彩な焼酎がラインナップされています。
ここでは、なかでも代表的な商品を紹介します。
【白岳】
2020年には発売60周年を迎えるロングセラー。2014年から2019年まで、モンドセレクションの金賞を6年連続で受賞中の、名実ともに高橋酒造を、ひいては球磨焼酎を代表する定番銘柄です。
【白岳KAORU】
お米本来の旨味を活かしながら、日本酒の「吟醸酒」のような、フルーティーな香りの高さを持つ、新しい米焼酎をめざして造られました。香りと味わいのバランスのよさは、まだ焼酎を飲み慣れていない人にもオススメです。
【白岳しろ】
口当たりが軽く、透明感のあるすっきりした味わいの淡麗タイプの米焼酎。幅広い料理に合い、素材の味を引き出してくれるので、食中酒に最適です。
【金しろ】
3種類の洋酒樽で熟成させた米焼酎を絶妙のバランスで配合し、「しろ」とブレンド。樽熟成により厚みを増した口当たりが特徴です。金色のラベルは、ブレンドの“黄金比率”を表したものです。
【銀しろ】
淡麗タイプの食中酒「しろ」に、吟醸酵母を使い、低温発酵でていねいに造った米焼酎をブレンド。華やいだ香りと、マイルドでスムーズなのどごしの焼酎に仕上げました。ラベルの銀色が、その香り高さを物語っています。
「白岳」に込められた、郷土・熊本復興への願い
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「白岳」と「くまモン」のコラボレーションで熊本をPR
「白岳」を造る高橋酒造では、「白岳」を育んだ郷土への感謝の想いから、地元・熊本県に貢献すべく、さまざまな活動を展開しています。
その一環として、熊本のPRに飛びまわり、全国区で人気のゆるキャラ「くまモン」をラベルにあしらった「白岳」を販売しています。球磨焼酎として歴史と伝統を持つ「白岳」と、多くの人に親しまれる「くまモン」のコラボレーションは、まさに熊本を象徴するものといえるでしょう。
また、2014年からは地元・熊本のサッカーチームである「ロアッソ熊本」のスポンサーとして「白岳しろ」ロアッソ熊本応援ボトルを販売するなど、幅広い取り組みを続けています。
「白岳」を飲んで熊本の復興支援に
2016年に発生した熊本地震では、蔵元や酒販店なども被災し、酒蔵など歴史的な建造物が損壊したところも多くありました。被害の大きさに、一時は熊本の酒文化の存続が危ぶまれたほどでした。
高橋酒造では、この震災からの復興支援にも積極的に取り組み、焼酎の製造・販売による経済の底上げのみならず、支援物資の供給や救援金の寄贈などを続けてきました。
より多くの人の手に「白岳」が届くことが、熊本の産業や経済復興の一助となるとともに、被災地・熊本への支援の気持ちを募るきっかけにもなっているのです。
「白岳」は、伝統の「球磨焼酎」を代表する銘柄として、地元・熊本はもちろん、全国、さらには世界にその名をとどろかせています。まろやかで軽い味わいを、水割りやお湯割りなど、お好みの飲み方でたのしんでみましょう。
製造元:高橋酒造株式会社
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