「純米酒」とは? 「吟醸酒」や「本醸造酒」との違いも徹底解説!

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「純米酒」とは、日本酒のなかの「特定名称酒」のひとつで、米と米こうじ、水だけで造られたお酒のことです。今回は、「純米酒」の特徴や、「純米酒」とそのほかの特定名称酒との違い、「純米酒」をおいしく飲むためのポイント、おすすめの銘柄などを紹介します。

「純米酒」とはどんな日本酒?

「純米酒」とはどんな日本酒?

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「純米酒」とはどんなお酒なのでしょう。その特徴をみていきます。

「純米酒」は特定名称酒のひとつ

「純米酒」は「特定名称酒」のひとつです。
「特定名称酒(特定名称の清酒)」とは、「純米酒」「吟醸酒」「本醸造酒」および「大吟醸酒」「純米吟醸酒」「純米大吟醸酒」「特別純米酒」「特別本醸造酒」の総称。国税庁が告示した「清酒の製法品質表示基準」の要件を満たす場合にのみ、ラベルなどに表示することができます。
「清酒の製法品質表示基準」で定められている「純米酒」の要件は次のとおりです。
◇「清酒の製法品質表示基準」の「純米酒」の要件
白米、米こうじおよび水を原料として製造した清酒で、香味および色沢が良好なもの。(当然ですが、醸造アルコールや糖類をいっさい添加しません)
「純米酒」には以前、「精米歩合70%以下」(玄米の表層を重量にして30%以上削り取る)という要件がありましたが、2004年1月1日から、は精米歩合に関する制限がなくなりました。
ここでの「白米」と「米こうじ」には以下のような定めがあり、「純米酒」を含むすべての特定名称酒に適用されています。
◇「清酒の製法品質表示基準」の「白米」の定義
白米とは、農産物検査法(昭和26年法律第144号)により、3等以上に格づけされた玄米またはこれに相当する玄米を精米したものをいうものとする。
◇「清酒の製法品質表示基準」の「米こうじ」の定義と使用割合の規定
米こうじとは、白米にこうじ菌を繁殖させたもので、白米のでんぷんを糖化させることができるものをいい、特定名称の清酒は、こうじ米の使用割合(白米の重量に対するこうじ米の重量の割合をいう。以下同じ)が、15%以上のものに限るものとする。
以上をまとめると、定められたとおりの米と米こうじ、そして水のみを原料とする清酒(日本酒)のうち、香りと味、外見上の色味や混濁の状態を表す色沢(しきたく)のよいお酒だけが「純米酒」を名乗れるということになります。
裏を返せば、要件のうち、どれかひとつでも欠けると「特定名称酒」と表示できなくなります。その場合、米と米こうじと水だけで造られたお酒でも「純米酒」ではなく「普通酒(一般酒)」とされます。
一方、特定名称酒を名乗るかどうかは任意なので、要件を満たしていてもあえて表示していないお酒もあります。

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「純米酒」の味わいや香りの特徴は?

米と米こうじ、水だけで造られる「純米酒」は、原料米由来の旨味やコクがたっぷりと感じられる力強い味わいと、米そのものを想い起こさせるふくよかな香りのものが多い傾向にあります。
「純米酒」を名乗るための要件には、米が精米された割合を表す「精米歩合」が含まれていないため、米の個性がより引き出された精米歩合80パーセント以上の「純米酒」などもしばしば見かけます。
味わいのバランスや個性の強さは商品によって異なります。それぞれの「純米酒」の豊かな米味をたのしんでみてくださいね。

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「純米酒」の仲間たち:「純米吟醸酒」「純米大吟醸酒」「特別純米酒」

「純米酒」の仲間たち:「純米吟醸酒」「純米大吟醸酒」「特別純米酒」

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「純米酒」の仲間に、「純米吟醸酒」「純米大吟醸酒」「特別純米酒」があります。
「純米酒」と「純米吟醸酒」「純米大吟醸酒」「特別純米酒」の違いはどこにあるのかみていきましょう。

「純米酒」と「純米吟醸酒」「純米大吟醸酒」の違いとは?

「純米吟醸酒」と「純米大吟醸酒」は、ともに「純米酒」と同じ米と米こうじ、水だけを原料とするお酒です。その違いはどこにあるのか、まずは国税庁がまとめた「『清酒の製法品質表示基準』の概要」から「純米吟醸酒」と「純米大吟醸酒」の特徴をみてみます。
◇「純米吟醸酒」の特徴
精米歩合:60%以下
香味等の要件:吟醸造り、固有の香味、色沢が良好
◇「純米大吟醸酒」の特徴
精米歩合:50%以下
香味等の要件:吟醸造り、固有の香味、色沢が特に良好
どちらにも「純米酒」にはない精米歩合の制限があることが大きな特徴といえます。
精米歩合はその数値が低いほど、タンパク質や脂質など雑味の成分が多い米の外側がよく削られていることを意味しており、雑味の少ないクリアな飲み口になります。
また、吟醸造りを行うこと、それによって生まれる固有の香味があることも「純米吟醸酒」「純米大吟醸酒」の特徴です。
よく精米した米を低温でゆっくり発酵させる吟醸造りは、「吟醸香(ぎんじょうか)」とも「吟香(ぎんか)」とも呼ばれる華やかでフルーティーな香りを生み出します。
香りも味わいも銘柄によってさまざまではありますが、「純米吟醸酒」は華やかな香りがありながら「純米酒」らしい米の旨味とコクを感じさせるものが多く、「純米大吟醸酒」はより華やかな香りとクリアな飲み口がたのしめるものが多い傾向があるようです。好みの味わいの銘柄を探してみてくださいね。

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「純米酒」と「特別純米酒」は何が違う?

「純米酒」と「特別純米酒」の違いは、文字どおり「特別」の有無にあります。ではいったい何を「特別」としているのでしょうか。国税庁がまとめた「『清酒の製法品質表示基準』の概要」によれば、「精米歩合60%以下または特別な製造方法(要説明表示)」とあります。
「特別な製造方法」の具体的な内容は各蔵元にゆだねられています。
以下は、特別な醸造方法の一例です。
◇有機栽培米を100パーセント使用
◇木槽(きふね/きぶね)搾り※
◇長期低温発酵
※搾りの工程「上槽(じょうそう)」で、醪(もろみ)を入れた袋を「槽(ふね)」と呼ばれる木製の箱に重ね入れてゆっくりと圧力をかけて搾る伝統的な搾り方。

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「純米酒」と「吟醸酒」「本醸造酒」との違い

「純米酒」と「吟醸酒」「本醸造酒」との違い

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「純米酒」と「吟醸酒」「本醸造酒」の違いをみていきます。

「純米酒」で絶対に使用しない原料とは?

「純米酒」と「吟醸酒」「本醸造酒」との大きな違いは、ある原料の有無にあります。はじめに「吟醸酒」とその仲間である「大吟醸酒」、そして「本醸造酒」の特徴を国税庁がまとめた「『清酒の製法品質表示基準』の概要」で確認しましょう。
◇「吟醸酒」の特徴
使用原料:米、米こうじ、醸造アルコール
精米歩合:60%以下
香味等の要件:吟醸造り、固有の香味、色沢が良好
◇「大吟醸酒」の特徴
使用原料:米、米こうじ、醸造アルコール
精米歩合:50%以下
香味等の要件:吟醸造り、固有の香味、色沢が特に良好
◇「本醸造酒」の特徴
使用原料:米、米こうじ、醸造アルコール
精米歩合:70%以下
香味等の要件:香味、色沢が良好
精米歩合の制限などの違いもありますが、なにより大きな違いは「純米酒」が米と米こうじ、水だけで造られるのに対して、「吟醸酒」「大吟醸酒」と「本醸造酒」はそれらに加えて「醸造アルコール」が使われていることです。
「醸造アルコール」とは、甲類焼酎(酒税法上では「連続式蒸溜焼酎」)と同じような製法で造られる高純度のアルコールで、合成アルコールなどの化学製品ではありません。
発酵が終了したあと、または上槽直前の醪(もろみ)に、アルコール度数を30パーセント程度に調整した醸造アルコールを適量添加する形で使用します。余談ですが、「吟醸酒」や「本醸造酒」などアルコール添加されたお酒は「アルコール添加酒(アル添酒)※」と呼ばれます。
※一般的な普通酒もこれに該当します。
なお、「吟醸酒」「大吟醸酒」「本醸造酒」に使用できる醸造アルコールの量は、白米の重量の10パーセント以下に制限されています。

「純米酒」と「吟醸酒」「本醸造酒」との味わいの違いは?

このように、「純米酒」と「吟醸酒」「本醸造酒」との味わいの違いには醸造アルコールが関係しています。まずはアルコール添加の目的をみてみましょう。
◆醪のなかの固形物に吸着した香り成分を引き出す
◆乳酸菌(火落ち菌)による香味の劣化を防止する
◆淡麗辛口のすっきりとした味わいに仕上げる
香りがよくすっきりとした淡麗辛口の味わいのものが主流の「吟醸酒」「本醸造酒」に対して、「純米酒」の旨味とコクのある力強い味わいは対照的といえるもの。飲み比べてみると日本酒の懐の広さが実感できます。

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「純米酒」をおいしく飲むためのポイントとおすすめ銘柄

「純米酒」をおいしく飲むためのポイントとおすすめ銘柄

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「純米酒」をおいしく飲むためのポイントと、おすすめの「純米酒」銘柄を紹介します。

「純米酒」は食事と一緒にたのしめるお酒

米と米こうじと水で造られる「純米酒」は、米を炊いたご飯と同じく、いろいろな料理と相性がよいお酒です。
ご飯に合う料理なら「純米酒」にも合うといっても過言ではないため、料理とともに味わう食中酒にぴったりなお酒ともいえます。煮物や煮つけ、から揚げや塩辛といったご飯のおかずを参考に、しっかりとした味つけの料理に合わせてみましょう。

「純米酒」を飲むときにおすすめの温度帯

冷酒で飲む場合のおすすめの温度帯は、10度前後の「花冷え(はなびえ)」や、15度前後の「涼冷え(すずびえ)」などです。「純米酒」に限らず、日本酒は冷やしすぎると旨味を感じにくくなります。
15~20度程度の常温は「冷や(ひや)」とも呼ばれています。香味がバランスよく感じられる温度で、口当たりがやわらかくなる傾向もあります。
燗酒は「純米酒」が持つ米の旨味がいっそう引き出されるとされています。なかでも一度試してみたいのが、体温より少し高い40度前後の「ぬる燗」や、注ぐと湯気が立つ45度前後の「上燗(じょうかん)」。ともに味わいにふくらみが出るといわれる温度帯です。

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同じ「純米酒」でも、それぞれのお酒の個性には幅があります。また、「純米酒」を含む日本酒の味わいは繊細なもの。飲むときの温度帯だけでなく、使用する酒器、室温や気温、合わせる料理、飲む人の好みや体調などによっても変わってきます。いろいろ試してみて、好みのお酒や飲み方を見つけてくださいね。

日本酒の味わいを表現するには?

「純米酒」のおすすめ銘柄

「純米酒」のおすすめ銘柄4種を紹介します。

朝日酒造「朝日山 純米酒」

朝日酒造「朝日山 純米酒」1800ml720ml300ml

出典:朝日酒造株式会社サイト

新潟県の朝日酒造の「純米酒」は飲み応えとキレのよさを併せ持つ食中酒にぴったりな1本。冷酒や常温はもちろん、ぬるめの燗酒で飲むのもおすすめです。
製造元:朝日酒造株式会社
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山梨銘醸(めいじょう)「七賢(しちけん) 純米 風凛美山(ふうりんびざん)」

山梨銘醸「七賢純米風凛美山」

出典:山梨銘醸株式会社サイト

山梨県の山梨銘醸が手掛ける「七賢」ブランドの「純米酒」のひとつ。すっきりとしたやや辛口のお酒で、米の旨味とともに華やかな香りもたのしめます。
製造元:山梨銘醸株式会社
公式サイトはこちら

「七賢(しちけん)」世界一おいしい日本酒にも選ばれた卓越した酒【山梨の日本酒】

菊水(きくすい)酒造「菊水の純米酒」

菊水酒造「菊水の純米酒」

出典:菊水酒造株式会社サイト

新潟県の菊水酒造の「純米酒」は濃厚な味わいの旨口酒。コクがありながら飲み口は重くならず、お燗にすると米のふくよかな旨味がいっそう際立ちます。
製造元:菊水酒造株式会社
公式サイトはこちら

「菊水(きくすい)」ふなぐち菊水一番しぼりで有名な新潟の地酒【新潟の日本酒】

大七(だいしち)酒造「純米生酛(きもと)」

大七酒造「純米生酛」

出典:大七酒造株式会社サイト

福島県の大七酒造が造る「純米生酛」は、旨味とコク、酸味とキレが見事に調和する1本。常温、またはぬる燗でふくらみのある旨味を堪能しましょう。
製造元:大七酒造株式会社
公式サイトはこちら

福島の日本酒【大七(だいしち)】生もと造り一筋のこだわり

全国の蔵元の「純米酒」を飲み比べてみるのもおすすめです。米の旨味がたっぷり感じられる「純米酒」を心ゆくまでたのしみましょう。
参考サイト
国税庁 清酒の製法品質表示基準を定める件(平成元年11月22日 国税庁告示第8号、改正 令和元年6月 国税庁告示第4号

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