「置き配で頼んだ荷物」が盗まれました! 盗難されても“自己責任”ですか? お金はもう「戻ってこない」のでしょうか…?

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忙しい日常のなかで、配達を待つ手間が省ける「置き配」は、とても便利な受け取り方法です。また最近では、再配達削減を目的に、国も「置き配」の標準化に向けた制度づくりを進めており、今後さらに利用の機会が増えていくと見られます。
しかしその一方で、置き配された荷物の盗難被害も増加しており、「もし荷物が盗まれたら?」と不安を抱える人もいるのではないでしょうか。
本記事では、置き配による盗難が発生した場合の基本的な対応、補償制度、そして被害を防ぐための具体策について、分かりやすく解説します。知識を身につけて万一に備えましょう。

置き配の荷物が見当たらない……まずやるべきことは?

置き配を指定し、配達完了の通知が届いているのにもかかわらず荷物が見当たらないといった場合は、落ち着いて以下の3点を順に確認すると良いでしょう。
まずは、配送会社や販売元への連絡です。近年は配達時のGPS記録や配達員の行動ログが残されていることもあり、誤配や配達ミスであれば早期に判明する可能性があります。
次に、警察への被害届の提出を検討しましょう。明らかに盗難の疑いがある場合には、刑法第235条に定められた窃盗罪に該当する可能性もあります。集合住宅などでは、防犯カメラ映像の提供を管理会社に依頼すると良いでしょう。
加えて、補償制度の有無を確認することも忘れてはなりません。ECサイトや配送事業者によっては、所定の条件を満たすことで補償や再送を受けられることがあります。申請には被害届の受理番号や購入履歴の提示が求められるケースもあるため、手元に記録を残しておくと安心です。

置き配の盗難は自己責任? 補償が受けられるケースとは

置き配された荷物が盗まれた場合、実は補償が受けられないケースが一般的です。これは、国土交通省の標準宅配便運送約款において、荷物が指定場所に届けられた時点で引き渡しが完了し、運送会社の責任が終了する旨が定められているためです。
つまり、荷物の管理責任はその時点で購入者に移るとされ、配送後の盗難は自己責任と判断されてしまうのです。
ただし、配達場所の誤りや虚偽の配達完了通知など、業者側の明らかな過失があった場合には、補償が認められる可能性もあります。
また、Amazonなど一部のECサイトでは、置き配後の盗難に対して再送や返金を行うケースもあります。補償の有無はサイトごとに異なるため、事前に確認しておくと良いでしょう。

盗まれないためには? 置き配利用時の防犯対策

置き配は荷物が無防備な状態で放置されるため、盗難のリスクがつきまといます。そのため、安心して利用するには、あらかじめできる対策をとっておくことが大切です。
例えば、鍵付きの宅配ボックスを活用すれば、配達された荷物を人目につかない状態で保管できます。後付けタイプでも手頃な価格のものがあるため、個人でも導入しやすいでしょう。
また、置き場所を指定するのも有効です。玄関脇やガスメーター裏など、目立たない場所を選ぶことで、盗難の抑止につながります。加えて、防犯カメラや録画機能付きのドアベルカメラも、証拠保全や抑止に役立つでしょう。
さらに、補償制度のあるECサイトを利用するのも1つの防衛策です。Amazonをはじめ、一部の通販サイトでは、置き配盗難時の返金や再送に対応していることがあります。購入前に規約を確認し、信頼できる販売元を選ぶこともこれからは必要かもしれません。
加えて、万一の盗難に備えて設置した置き配バッグの盗難補償サービス付帯プランを選択するなどの方法もあるほか、一部の保険会社では個人用火災総合保険の補償対象に「置き配荷物」が含まれるケースもあります。

まとめ

置き配で注文した荷物が盗まれた場合、基本的には自己責任とされ、補償が受けられないケースも少なくありません。お金が戻ってくるかどうかは、運送業者の過失や販売元の補償制度の有無によって左右されます。
万一被害に遭ってしまったときは、焦らずに状況を整理し、冷静に対応することが大切です。あわせて、防犯対策や保険の活用、信頼できるECサイトでの購入など、日ごろからできる備えをしておくことで、安心して置き配を利用できるでしょう。

出典

国土交通省 宅配便の再配達削減に向けて
e-Gov法令検索 刑法
国土交通省 標準宅配便運送約款(平成二年運輸省告示第五百七十六号)
Amazon Amazonの「置き配」に関する、気になる疑問をスッキリ解決
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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