宮崎県の都城市から曽於市を経由して志布志港までを結ぶ全長44キロの「都城志布志道路」です。
全線開通から1か月が経ちましたが、地元への経済効果はあったのか?取材しました。
都城志布志道路の利用者は…
(都城市から)「全線開通したことで数分だがストレスは緩和された」
(霧島市から)「だいぶ早い。家から1時間かからないので、だいぶ志布志が近くなった」
「都城志布志道路」は全長44キロの自動車専用道路で、計画から30年を経て3月23日に全線開通しました。
総事業費は1650億円で無料で通行することができ、都城から志布志港までの所要時間は1時間10分から40分に短縮されました。
(記者)「目の前に志布志湾を臨むホテル。全線開通を記念したスタンプラリーも好評だという」
沿線の志布志市、曽於市などでは観光スポットを巡ってスタンプを集めると、特産品が当たるイベントが始まっています。
志布志インターから車で15分ほどの国民宿舎ボルベリアダグリです。開通から1か月で、レストランを訪れる客が去年の1.4倍に増えているといいます。
(宮崎・都城市からの観光客)
「一度は(道路を)通ってみたいと思ってきょうは来た。(志布志市が)近く感じた」
「今からいろいろなところを見ながら都城市に帰る」
(国民宿舎ボルベリアダグリ 三笠美穂副支配人)「『道路ができたからここまで来た』という人が目立つ」
こちらは、都城志布志道路の松山インターから車で10分。いちご狩りを楽しめる志布志市の観光農園では…
(志布志市で観光農園経営 加世田優二さん)「高速(都城志布志道路)を通って来た客は(志布志市に)来る時間が短縮された。新しい道路で景色も変わり、違う感覚で来られるいう話も聞く」
しかし、この1か月間、来園者の数に目立った変化はみられないようです。
客の8割が都城市から訪れる中、“全線開通の恩恵”を志布志市全体に広げる取り組みが必要だといいます。
(加世田優二さん)「地元の努力で魅力あるまちにしていけば、遠くの人たちを呼び寄せることができる」
志布志、都城の経済界も課題や期待を感じています。
(志布志市商工会 河本正男会長)「インバウンド(訪日外国人)や観光客がぐっと増えることにはつながっていない。志布志市や大隅半島の観光PRを推進すれば(開通効果も)出てくる」
(都城商工会 安田耕一会頭)「観光はこれからますます大きな事業になる。(都城志布志道路を)活用してもらうと行動範囲が広がるし、回遊できる。そういった意味では楽しみにしている」
鹿児島、宮崎両県の期待を背負って開通した都城志布志道路。
その効果をどう南九州全体に波及させていくか?官民一体の取り組みも求められています。
コメント