2025年8月21日
決戦当日。
体がずいぶん楽になりました。これなら最終目的地までたどり着けそうです。明日には帰らなければならないので、多少無理をしてでも今日行くしかありません。
朝、ホテルでもらったおにぎりを車内で頬張りながら目的地へと向かいました。ただの昆布おにぎりですが、とても美味しく感じます。そういえば、昨日のお昼から「しろくま」しかまともに食べていなかったことに気づきました。
そんなことを考えているうちに、いよいよ目的地に到着です。
そう、今回の旅の最終目的地は、高千穂峰山頂に立つ「天逆鉾」を拝むことでした。
しかし、私は登山経験が全くなく、本格的な装備は何も持っていません。普段着にスニーカーという、軽装で来てしまいました。
加えて、日頃から運動もせず、喫煙者でもあるため、体力に自信もありません。
事前にインターネットで調べたところ、登山に慣れた人でも登りに90分、下りに60分かかるとのこと。靴も、できればトレッキングシューズを履く方が良いと書かれていました。
不安になり、休憩所にいたスタッフに「この格好でも行けますか?」と尋ねてみました。少しの沈黙の後、「まぁ…行けるとは思いますが、下りは滑りやすいので十分注意してください」という返事。
空模様も怪しかったため、レインコートを購入。道中の水分補給用に水と、カロリー補給にカロリーメイトを買い、竹の杖を借りて準備万端。いざ、山頂を目指します。
登山道に入ってすぐのところに「霧島神宮古宮址」がありました。とにかくこの登山の無事を祈り、改めて出発しました。
登山道の最初は石畳が敷かれ、その後も階段が続くため歩きやすいのですが、20分ほど進んだあたりから道が悪くなりました。
地面は赤土に変わり、雨水が流れた跡がいくつもの段差となって行く手を阻みます。
大小さまざまな赤土の石もゴロゴロと転がっており、非常に滑りやすくなっていました。
そこからは徐々に傾斜がきつくなっていきました。白と黒の硬い岩が現れ、さらに歩きにくさを増します。
この日は天気が悪く、ずっと霧の中を歩いているような状態で、身体に水がまとわりつきました。時には風が非常に強く吹き、身体が持っていかれそうになるほどでした。
やはりタバコのせいか、数メートル進んでは息があがるので、休憩を繰り返すようになりました。
なぜこんなところへ来てしまったのだろう。
熊本に思い出がないから熊本に思い出を作ろうと考えたのが始まりだ。カッコいいから逆鉾見ようと熊本にあるものと勘違いして提案したところから始まる。もちろん旅行を計画している段階で熊本ではないことはわかった。目的を変えることもできた。なのになぜカッコイイからという理由だけでこんなところまで来てしまったのだろう。いろんな点でバカだ。ここまで来てこのバカさ加減に気がつくとは。
後悔の念を抱きつつ、登り始めて1時間ほど経った頃、ようやく「御鉢(おはち)」と呼ばれる場所にたどり着きました。ここは傾斜が緩やかで身体は楽になったのですが、道の両脇が険しい斜面になっています。道幅は5mほどでしょうか。落ちたら簡単に戻れそうにない場所もあり、素人が歩いていいものかと不安になりました。
御鉢が終わると後少しの登りです。
ここに霧島神宮元宮があります。
念には念を入れてもう一度安全祈願。
そして、登山開始から2時間…
いよいよその時を迎えます。
達成感よりもしばらく休めるという気持ちのほうが大きかったです。
カロリーメイトを食べながらあたりを見回します。霧です。何も見えません。しかし、とても静かで、無音の世界のようです。
静かに佇む天逆鉾、改めて見るとやっぱりカッコいいですね。
そんなこんなで30分ほど休暇したでしょうか。
これから下山します。
体力的には下山のほうが楽ですが、とにかく滑ります。まず、足場が砂のようなところ。坂で砂。滑ります。滑り出すと足が砂に潜るので靴の中に砂が入ります。次に赤土の石。小さい石の上を歩くとまるでそろばんを踏んでしまったかのように滑ります。大きい石は足場にしようとすると動きます。ボーリングの玉を足場にしてしまったような感覚です。
下山までに五回ほど転倒しました。転びそうになった場面を含めれば数えきれないほど滑ってます。
二度と登山はしたくないですが、もしまた登る機会があれば、万全の準備をしたいと思います。
絶対に用意したいのは、滑りにくいトレッキングシューズです。そして、転んだ時に怪我をしないよう、肌を露出しない服装とグローブも必須だと感じました。グローブは岩をつかむ際にも役立ちます。
また、登りでも下りでも体のバランスを取るのに役立ったのが杖です。下山中に杖なしで歩いている人も見かけましたが、私は絶対に借りたいです。私はもう登山はしないですけど。
もしこれから登山に挑戦するなら、ぜひこれらの装備を準備することをおすすめします。
下山には一時間半ほどかかりました。
竹の杖をお返しし、登山の無事を感謝し、この場を離れます。
この日はこの後に「鹿児島神宮」を訪れ、天文館で美味しいラーメンを食べ、おしゃれなお店で飲みました。
今日も濃い一日だったと振り返りながら鹿児島最後の夜の眠りにつきました。
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