最近はSUVの人気が高く、新車として売られる小型/普通乗用車の40%近くを占める。特に全長を4.5m以下に抑えたコンパクトSUVの販売が好調だ。そこでどのSUVがお買い得なのか、お買い得グレードはなにか、モータージャーナリストの渡辺陽一郎氏がランキング!!!
お買い得コンパクトSUVランキング6位:トヨタライズ
●買い得グレード:G(195万8000円/2WD)
コンパクトSUVは、外観に存在感が伴ってカッコ良く、居住性や積載性も優れているからファミリーカーとしても使いやすい。価格は売れ筋になる買い得グレードを200万~300万円(2WD)に設定するから、無理をせずに購入できる。そこでコンパクトSUVの買い得度ランキングを行いたい。
ライズは数少ない5ナンバーサイズのSUVで、全長は3995mm、最小回転半径も5m以内に収まる。視界も優れ、混雑した街中や狭い駐車場でも運転しやすい。
車内は広くないが、大人4名の乗車は十分に可能だ。リヤゲートも大きく開いて使いやすく、全長が4~4.2mのコンパクトカーと同等の実用性を備える。
パワーユニットは直列3気筒1.2Lで、ノーマルガソリンエンジンは価格が割安だ。Gはアルミホイールなどを標準装着して、ヤリスなどのコンパクトカーと同等の195万8000円に抑えた。
お買い得コンパクトSUVランキング5位:カローラクロス
2025年5月に一部改良を受けたカローラクロス。一部改良でガソリン車が廃止され、ハイブリッドに1本化。価格は276万~368万9000円
●買い得グレード:ハイブリッドS(298万円/2WD)
全長が4.5m以下のコンパクトSUVでは、カローラクロスの荷室が最も広い。後席を使っている時の荷室長は849mmで、荷室容量は487Lに達する。
後席を格納すると荷室長は1885mmに拡大する。荷室の広さと使い勝手は、ミドルサイズSUVに相当する。後席の足元空間も広く、ファミリー向けのSUVとして実用性が高い。
買い得グレードはハイブリッドSで、アルミホイール、ルーフレール、LEDヘッドランプ、ディスプレイオーディオ、6スピーカーなどを標準装着して2WDの価格を298万円に抑えた。ハイブリッドを搭載しながら、実用性と買い得度を追求した。
お買い得コンパクトSUVランキング4位:ホンダWR-V
ホンダ WR-V(208万8800~248万9300円)。タイ生産でガソリン車のみ
●買い得グレード:Z(239万8000円/2WD)
ヴェゼルがハイブリッドのe:HEVを中心としたグレード構成に変わり、WR-Vは直列4気筒1.5Lのノーマルガソリンエンジンのみを搭載する。
ボディサイズや車内の広さはヴェゼルとほぼ同じだ。後席の頭上と足元の空間も同等だから、4名で快適に乗車して荷物もタップリと積める。
その一方でメカニズムはシンプルだ。駆動方式は前輪駆動の2WDのみで、パーキングブレーキも電動式ではなくレバー式になる。従って価格は割安だ。
現在の買い得グレードはZで価格は239万8000円だが、2025年夏には、販売を停止していた安価なXを再開する。Xにはアルミホイールなどは装着されず、シートなどの造りもシンプルだが、16インチタイヤと柔軟性の優れたシート生地によって乗り心地は上級グレードよりも快適だ。販売店は「価格は214万9400円に抑える」とコメントしている。
お買い得コンパクトSUVランキング3位:スバルクロストレック
ストロングハイブリッドではないツーリングは301万4000円。2L直噴(145ps/19.2kgm)+モーター(13.6ps/6.6kgm)を搭載するマイルドハイブリッド
●買い得グレード:ツーリング(323万4000円/4WD)
全長が4480mmのコンパクトなボディに、水平対向4気筒エンジンを搭載する。ハッチバックのインプレッサをベースに開発されたから、最低地上高(路面とボディの最も低い部分との間隔)は200mmでデコボコを乗り越えやすく、なおかつ全高は1575mmに収まって低重心だ。コンパクトSUVでは走行安定性が優れている。
ボディサイズの割に後席も広く、身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ2つ半だ。ヴェゼルと同程度のスペースがある。
パワーユニットは2Lエンジンを使ったマイルドハイブリッドと、2.5Lのストロングハイブリッドで、機能と価格のバランスでは前者のツーリングが買い得だ。
駆動方式は余裕のある最低地上高を生かせる4WDを選ぶ。価格は2WDよりも22万円高いが、4WDにはヘッドランプウォッシャーやリアフォグランプも装着され、4輪駆動システムの正味価格を18万円に抑えたから割安だ。
お買い得コンパクトSUVランキング2位:ホンダヴェゼル
●買い得グレード:e:HEV・Xハントパッケージ(299万8600円/2WD)
全長が4340mmのボディは、水平基調で視界も良い。最小回転半径は5.3mだから小回りの利きも相応に良い。内装は上質で居住空間も広い。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ2つ半に達する。
燃料タンクを前席の下に搭載するから、後席を格納すると床の低い荷室になる。また後席の座面を持ち上げると、車内の中央が背の高い空間になり、縦長の荷物を後席側のドアから積むことも可能だ。
パワーユニットはハイブリッドのe:HEVを選ぶ。主にモーター駆動だから、加速が滑らかでノイズも小さく燃費も優れている。グレードはe:HEV・Xハントパッケージだ。外観がカッコ良くアレンジされてルーフレールも備わり、内装には撥水・撥油シート生地を採用したからアウトドアでも使いやすい。
e:HEV・Xハントパッケージは、e:HEV・Xに15万円相当の装備を加えながら、価格アップを11万円に抑えて300万円を下まわる設定とした。走りの良さ、実用性、カッコ良さ、割安な価格をバランス良く両立させている。
お買い得コンパクトSUVランキング1位:スズキフロンクス
スズキ フロンクス(254万1000~273万9000円)。インド生産
●買い得グレード:標準仕様(254万1000円/2WD)
全長が4mを下まわるボディは、最小回転半径も4.8mに収まり、混雑した街中でも運転しやすい。全高も1550mmだから、SUVでは珍しく立体駐車場も利用できる。
その一方でインパネ周辺の造りは上質で後席も広い。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先には、握りコブシ2つ分の余裕がある。
エンジンは直列4気筒1.5Lでマイルドハイブリッドを搭載する。装備も充実しており、衝突被害軽減ブレーキと運転支援機能を作動させるデュアルセンサーブレーキサポートII、後方の並走車両を検知できるブランドスポットモニター、LEDヘッドランプ、ヘッドアップディスプレイ、16インチアルミホイールなどを標準装着した。
しかもほかの車種ではオプション設定になる全方位モニター付きメモリーナビも標準装着した。車両価格は254万1000円だが、全方位モニター付きメモリーナビのオプション価格は一般的には19万円に相当するから、実質車両価格は約235万円だ。
この金額でマイルドハイブリッド、ブランドスポットモニター、ヘッドアップディスプレイ、アルミホイールなどを標準装着すると考えれば相当に買い得だ。
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