稲の苗を植え付ける鹿屋市シルバー人材センターの会員ら=同市西祓川町
鹿児島県鹿屋市シルバー人材センターが本年度、地域の耕作放棄地を活用する米作りに初めて乗り出した。会員の仕事を生み出し、農村環境の維持・保全を図り、収益は会員に還元して親睦を深める“一石三鳥”の効果を狙う。
センターは市内在住の60歳以上が条件の会員約730人を抱え、就業機会の確保が課題となっている。米作りは、会員の互助組織「飛躍会」が発注元となり、受注したセンターが会員に米作りの作業を依頼する形をとる。
舞台となるのは、借り受けた同市西祓川町の田んぼ約50アール。企画・立案段階から約30人の会員が参加しており、14日はこのうち約10人が苗を植え付けた。新たな費用が発生しないよう必要な農機具はそれぞれ自前のものを持参し、手際良く作業した。今後、管理作業などで人手が要る時は、さらに会員の参加を募る。
収穫は10月を見込んでおり、販売してセンターの米作りを広くPRしたい考え。販売方法の詳細と会員に還元する内容については今後詰めるという。飛躍会の松下高明会長(75)=同市池園町=は「センターの理念である『自主・自立、共働・共助』につながる活動だと思う。会員みんなで結束して取り組みたい」と話す。
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