テレビ付きの「カーナビ」を購入。購入から3ヶ月経ってもNHKと「受信契約」しないと、家にテレビがなくても受信料に“2倍”の割増金を上乗せして請求されますか? そもそも契約は必要なのでしょうか?

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自宅にNHKを受信できるテレビを設置した場合、NHKと受信契約をしなければならないことは多くの人が認識しているでしょう。一方、最近では車に搭載されているカーナビにテレビ機能がついていることも珍しくありません。
このカーナビでNHKが見られる場合、家にテレビがなくても受信契約が必要なのでしょうか? また、もしも購入から3ヶ月経過して手続きをしていない場合、本当に割増金が請求されるのでしょうか?
本記事では、家にテレビがなくても車のテレビ付きカーナビを設置した場合にNHKとの受信契約が必要になるのかを、割増金制度の仕組みと合わせて解説します。

放送法では「テレビが見られる機器」の設置が契約義務の対象

NHKとの受信契約に関しては、放送法第64条にて次のように定められています。


【放送法第64条抜粋】
協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会と受信契約を締結しなければならない。

NHKによると、ここでの「受信設備」には、一般的に家庭に設置するテレビ以外にも、NHKの放送を受信できるチューナー付きパソコンやワンセグ、TVチューナー付きカーナビも含まれるとしています。
つまり、「自宅にテレビはないから大丈夫」というのは通用せず、たとえ車内だけであっても、カーナビにテレビ受信機能があればNHKとの契約義務が発生するといえるでしょう。
なお、家庭にテレビがあり、既に受信契約をしている場合は、カーナビに対して別途契約をする必要はありません。

割増金制度とは? 3ヶ月以上放置するとどうなる?

NHKは、2023年4月から「割増金制度」を導入しました。これは、「不正な手段により受信料の支払を免れた場合」と「正当な理由がなく期限までに受信契約の申込みをしなかった場合」に、通常の受信料に加えて割増金(2倍分)を請求するというものです。
ちなみに、「正当な理由」とは、非常災害や急な疾病、事故などで受信契約書の期限内の提出が困難な場合などです。テレビ付きカーナビを購入し、単に契約を先延ばしにしていた場合、「正当な理由」には該当しないでしょう。なお、割増金制度の具体的なルールは以下の通りです。


・NHKの放送が受信可能な機器を設置した月の翌々月の末日までに契約しなければいけない
・その期限を超えると、受信料の2倍の割増金を請求される可能性がある
・通常の受信料と合わせて3倍の金額を支払うことになる

例えば、2025年5月にテレビ付きカーナビを購入・設置した場合、2025年7月末までにNHKと受信契約をしなければなりません。
NHKの地上契約の月額は、単月払いで通常1100円です。もし3ヶ月経過後に契約し、割増金制度が適用された場合、適切なタイミングで契約していれば3ヶ月分で3300円を負担すれば良かったものが、9900円の負担となります。

まとめ

テレビ付きカーナビを設置した場合、自宅にテレビがなくともNHKとの受信契約義務が発生します。さらに、現在では契約遅れに対して割増金(受信料の2倍)が請求される制度が導入されています。
そのため、テレビ付きカーナビを購入して3ヶ月経過してもNHK受信契約を放置していると、通常分と合わせて受信料の3倍を支払わなければなりません。法律を守る観点からはもちろん、後々大きな金銭的負担を避けるためにも、早めの対応を心がけましょう。

出典

e-Gov法令検索 放送法
NHK NHKから放送受信契約のご案内
NHK よくある質問集 自動車に取り付けたテレビの受信契約は必要か
NHK 受信料の割増金制度について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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