クルマ好きの「本流」とは何か? 世界一のメーカーである「本流」トヨタ車に乗り続けて一生を終えるのは安心だしラクだろう。ただ、人生一度くらいは本流を離れ、奔流に乗り出してみるのもいい。クルマ好きよ! 荒野を歩め!!
※本稿は2025年3月のものです
文:清水草一/写真:トヨタ、レクサス、スバル、ホンダ、マツダ、三菱、スズキ、日産、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2025年4月26日号
「本流」トヨタの包容力おそるべし!
トヨタならヤリスからクラウンまで、ありとあらゆるモデルが揃っている。「自分に合ったクルマがない」なんてことは、まずない
一生トヨタ車を乗り継ぐカーライフ。それは大変スタンダードな道である。車種は豊富だし、これ以上の安心安全はない。トヨタ車は、人生のあらゆるステージに寄り添ってくれる。
なによりトヨタは、セールスマンの力量がケタはずれだ。他社のディーラーは人材の入れ替わりが激しいが、トヨタのセールスマンは、大地に根を下ろしたように安定的で、顧客の面倒見がいい。一度トヨタ車を買ってしまうと、他社に浮気しようという気が起きなくなってくる。
クルマ好きなら、他社が魅力的なクルマを出せば、浮気したくなる時だってあるけれど、本妻(トヨタのセールスマン)の顔を見ると、「長い付き合いだから」と、結局次もトヨタ車を買ってしまう。
なじみのセールスマンとの関係を絶ってまで、わざわざ本流から外れるなんて面倒臭い。自分にはもう、トヨタ車以外の選択肢はない。それでいいや、になってしまうのだ。
でもそれって、本流パワーに対する負けでしょ!? クルマ好きなら、ちょっと面倒くさくても、自らのパワーを発揮して、一度くらい「脱・本流カーライフ」を実現させようぜ!
レベル1:まずはレクサスから
長い付き合いのトヨタを振り切ってまで、他ブランドのクルマを買う場合、一番ハードルが低いのは、レクサスだ。
トヨタのセールスマンも、涙を呑んで許してくれるだろうし、同じ販社が近所でレクサス店を経営している場合もあるので、移行は極めてスムーズだ。
長年トヨタ車を買ってきた人は、レクサスディーラーに一歩足を踏み入れた瞬間、雰囲気の差に愕然とするだろう。なんというセレブ感。これが上流階級ってヤツか。
レクサスで一番安いLBX狙いでも、引け目を感じる必要はない。だってレクサスで一番売れてるのが、LBXなんだから!
レベル2:スバル
レクサスに続いてハードルが低いのはスバルだ。スバルは独自の技術を持つメーカー。「スバルに乗る」というのは、それだけで、脱・トヨタの力強い大義名分となる。
トヨタからスバルのディーラーに移ると、プライド高めな雰囲気に「えっ」と思うかもしれないが、それを乗り越えれば、新たな世界が待っている。
しかもスバルはクロストレックに、自社とトヨタの技術的融合であるストロングハイブリッドを導入した。今後、フォレスターなど、ほかのモデルにも展開されるはず。
走りもいいし、これまでのスバル車とは比較にならないほど燃費がイイ。トヨタ派にも親和性が高いだろう。
レベル3:ホンダ
トヨタに次ぐ不動の国内ナンバー2。マニアックなモデルも多い。トヨタ派にすればセールスマンがビジネスライクで不親切に感じるかもしれないが、本田宗一郎の伝記を読めば、一歩を踏み出す勇気が沸くだろう。
レベル4:マツダ
マツダ最大のウリはデザインだ。ディーラーも真っ黒でオシャレ! トヨタ派にとっては「小さいクセにお高くとまって」と思ってしまいそうだけど、これがマツダの生きる道。受け入れるべし。
レベル5:三菱
トヨタばかり乗り継いできた本流人にとっては、三菱は猛烈に縁遠い、泥まみれの世界に思えるだろう。しかし、泥の中にこそ三菱の光明がある! 本流を離れて泥に突撃すれば、あなたはひと回りでっかくなれる!
レベル6:スズキ
トヨタ派にとってスズキと言えば軽。トヨタとは格が違うと思うかもしれないが、ジムニーノマドには心が揺れているはず。受注停止でハードルは超高いが、愛は障害があるほど燃える!
レベル7:あがりは日産
トヨタ派にとって今、最も抵抗感の強い国産ブランドは日産だろう。なにしろ「潰れるんじゃないの?」みたいなイメージだろうから。ディーラーもどこかショボくて、落ち武者感アリ。トヨタとは天と地の差だ。
でも日産は潰れません! 必ずどうにかなります! それにクルマも悪くないです!
e-POWERはアクセルレスポンスがダイレクトで、トヨタのハイブリッドより刺激的! 「高速燃費が悪くて海外で不評」と書きたてられてるけど、「えっ、どこが!?」って感じしかない。アンタ200km/hで巡航すんのかよ! e-POWERはイケるよ!
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