コンパクトSUVは、年代・性別問わず人気の高いボディタイプです。その定義やメリットを解説するとともに、国産・外車コンパクトSUVの人気おすすめ車種をランキングでご紹介します。
コンパクトSUVの特徴とメリット
▽コンパクトSUVとは(定義)
コンパクトSUVの定義(提供:norico by ガリバー)
コンパクトSUVとは、SUV(Sport Utility Vehicle、スポーツ用多目的車)のなかでもボディサイズが小さいSUVです。
サイズの明確な定義はありませんが、一般には普通車で全長4,500mmを下回るSUVを指します。
▽コンパクトSUVのメリット
コンパクトSUVのメリットとは…(提供:norico by ガリバー)
・アウトドアにも街乗りにも向く
・デザイン性の高い車が多い
・運転が苦手な人でも比較的運転しやすい
・SUVのなかでは低価格
・SUVのなかでは燃費が良く、維持費も安い
コンパクトSUVは適度な悪路走破性と街乗りでの快適性を両立し、多くの場面で活躍します。
また、一般的な車より座面が高いので視界が良く、サイズも小さいので運転しやすいです。
コンパクトSUVの選び方
コンパクトSUVを選ぶ際は、価格とデザイン加えて、①大きさ、②燃費の良さ/維持費の安さ、③悪路走破性の高さ、④安全性の高さに注目しましょう。
▽基準①大きさ
大きさは、運転のしやすさや車内の快適性、積載性に関わります。
運転に自信がない場合や近所に狭い道が多い場合は、全長4300mm程度、全幅1800mm程度までに留めると良いでしょう。
一方、後部座席も多用する場合や車中泊に使いたい場合は、全長や全高のある車、荷室の大きい車を選びましょう。
【機械式立体駐車場を使うなら全高1550mm以下】
機械式立体駐車場にはサイズ制限があり、その一般的な目安は全長5000mm以下×全幅1800mm以下×全高1550mm以下です。SUVは全高の高い車が多く、全高1550mm以下の車両は限られています。
▽基準②燃費の良さ/維持費の安さ
年間8000~1万km以上走行するなら、車両価格が高くてもハイブリッド車のほうが総コストを抑えられる傾向があります。WLTC燃費25km/L以上なら、かなり優秀です。
また、コンパクトSUVでも小さめの車と大きめの車では、自動車税や自動車重量税の課税額が変わります。
▽基準③悪路走破性の高さ
コンパクトSUVは適度な悪路走破性を有しているものの、街乗りをベースに造られた車種が多いです。
アウトドア利用や降雪地帯での使用を意識するのであれば、最低地上高が200mm前後の4WD車を積極的に選ぶと良いでしょう。
▽基準④安全性の高さ
予防安全装備が充実していれば、多少サイズが大きくても安心して乗れます。特に、家族で利用する場合は広めで安全性の高い車を選ぶと良いでしょう。
安全性の高さの見極めでは、衝突被害軽減ブレーキの性能やエアバッグの種類・数、カメラ・センサーの性能に着目してください。
国産コンパクトSUV人気おすすめTOP10
国産コンパクトSUVでは手軽な街乗り車両としてのニーズが強いため、今回はコストパフォーマンスに優れ、かつ比較的小型の車両を上位に選出しました。
順位/車種名/新車時価格/最高燃費(※WLTC)/新車販売(※2024年)
1位/トヨタ「ヤリスクロス」/204.6万円~(5位)/30.8km/L(1位)/79,600台(1位)
2位/トヨタ「ライズ」/180.1万円~(2位)/28.0km/L(2位)/51,225台(4位)
3位/ホンダ「ヴェゼル」/264.9万円~/26.0km/L(5位)/75,424台(2位)
4位/トヨタ「カローラクロス」218.4万円~/26.4km/L(3位)/74,030台(3位)
5位/ホンダ「WR-V」/209.9万円~/16.4km/L/30,339台(5位/2024.3発売)
6位/スズキ「ジムニーシエラ」/196.2万円~(4位)/15.4km/L/25,848台
7位/スズキ「フロンクス」/254.1万円~/19.0km/L/5,267台(2024.10発売)
8位/レクサス「LBX」/420万円~/28.0km/L(2位)/21,221台
9位/マツダ「CX-30」/266.2万円~/19.5km/L※軽油/13,717台
10位/スバル「クロストレック」/301.4万円~/18.9km/L/-
※車両情報は2025年3月5日時点のガリバー「車カタログ」より引用。外車も同様です。
※表内に記載の順位は、4500mm以下のSUVで①新車時価格の安さ、②燃費の良さ、③新車販売台数の多さを評価したものです。
▽1位 トヨタ「ヤリスクロス」
1位 トヨタ「ヤリスクロス」(提供:norico by ガリバー)
新車時価格:204.6万円~323.4万円(5位)
WLTC燃費:17.1~30.8km/L(1位)
サイズ:全長4180-4200mm×全幅1765mm×全高1580-1590mm
コンパクトSUVでは2024年の新車販売台数1位のヤリスクロス。サイズはかなり小型で価格も抑えられており、ハイブリッド車の燃費性能はSUVトップの実力です。
小さいながらもシートアレンジがしやすく、スノーボードの板を置くこともできます。「街乗りにも遠出にも使いたい」と考えている場合は、まず候補に入れると良いでしょう。
▽2位 トヨタ「ライズ」
2位 トヨタ「ライズ」(提供:norico by ガリバー)
新車時価格:180.1万円~244.2万円(2位)
WLTC燃費:17.4~28.0km/L(2位)
サイズ:全長3995mm×全幅1695mm×全高1620mm
ライズはダイハツ「ロッキー」のOEM車で、サイズが小さく価格も手頃、さらにデザイン性の高い一台です。トヨタ最小のSUVですが、全長の割に全高が高いです。
近距離走行中心なら安価なガソリン車、長距離も走るなら燃費性能の優れたハイブリッド車を選ぶと良いでしょう。最低地上高が185mmあり、雪道にも強いです。
▽3位 ホンダ「ヴェゼル」
3位 ホンダ「ヴェゼル」(提供:norico by ガリバー)
新車時価格:264.9万円~377.6万円
WLTC燃費:15.0~26.0km/L(5位)
サイズ:全長4330mm×全幅1790mm×全高1580-1590mm
コンパクトSUVで、2024年の新車販売台数が2位だったヴェゼル。ヤリスクロスより価格は高めですが、車内空間が広く、積載性にも優れています。一人であれば車中泊も可能です。
2024年4月にマイナーチェンジし、現行モデルは静粛性も高いです。性能に大きくこだわらないのであれば、中古で少し価格が落ちたモデルの購入をお勧めします。
▽4位 トヨタ「カローラクロス」
4位 トヨタ「カローラクロス」(提供:norico by ガリバー)
新車時価格:218.4万円~345.9万円
WLTC燃費:16.6~26.4km/L(3位)
サイズ:全長4490mm×全幅1825mm×全高1620mm
カローラクロスは、コンパクトSUVなかでは大きめの車種です。人気が高いものの、今回は運転のしやすさを考えてこの順位としました。
上位グレードではサンルーフを装備できます。また、SUVのなかでは最低地上高が低く、子どもでも比較的乗り降りしやすいです。家族や仲間と遠出する人にお勧めします。
▽5位 ホンダ「WR-V」
5位 ホンダ「WR-V」(提供:norico by ガリバー)
新車時価格:209.9万円~248.9万円
WLTC燃費:16.2~16.4km/L
サイズ:全長4325mm×全幅1790mm×全高1650mm
2024年3月に登場したWR-V。サイズはヴェゼルと殆ど変わりませんが、よりアクティブな外観で低コストな一台に仕上がっています。
同価格帯ではライズやヤリスクロスといった選択肢もありますが、WR-Vはこれら2車種よりサイズが大きく、車内空間にゆとりがある点が魅力です。
▽6位 スズキ「ジムニーシエラ」
6位 スズキ「ジムニーシエラ」(提供:norico by ガリバー)
新車時価格:196.2万円~218.4万円(4位)
WLTC燃費:14.3~15.4km/L
サイズ:全長3550mm×全幅1645mm×全高1730mm
国産SUVで数少ない本格オフローダーのジムニーシエラ。軽自動車のジムニーに注目がいきがちですが、悪路走破性と走行安定性は大きさのあるジムニーシエラのほうが勝っています。
なお、2025年1月末にはジムニーシエラをベースとした5ドア車「ジムニーノマド」が発表されています。
▽7位 スズキ「フロンクス」
7位 スズキ「フロンクス」(提供:norico by ガリバー)
新車時価格:254.1万円~282.7万円
WLTC燃費:17.8~19.0km/L
サイズ:全長3,995mm×全幅1,765mm×全高1,550mm
2024年10月発売のフロンクス。発売後3カ月で5000台以上を売り上げ、人気の高さがうかがえます。
全長はライズと殆ど変わらないものの、全幅が広めで車内にゆとりがあります。一方で、全高は1550mmに抑えられており、クーペSUVのようなスタイリッシュなデザインです。高価な分だけWR-Vより装備も少し充実しています。
▽8位 レクサス「LBX」
8位 レクサス「LBX」(提供:norico by ガリバー)
新車時価格:420万円~720万円
WLTC燃費:26.2~28.0km/L(2位)
サイズ:全長4190mm×全幅1825mm×全高1535-1545mm
レクサスで最も小さいSUVのLBX。サイズの近いヤリスと比べて車両価格が約2倍とかなり高価です。しかしながら、レクサスらしさを凝縮した一台に仕上がっています。
走りはスポーティで、ドライバーのステアリング操作に対して忠実に動きます。また、サスペンションの性能も秀逸で、路面の凹凸も見事に吸収します。
▽9位 マツダ「CX-30」
9位 マツダ「CX-30」(提供:norico by ガリバー)
新車時価格:266.2万円~368.5万円
WLTC燃費:ガソリン15.5~16.2km/L、軽油18.7~19.5km/L
サイズ:全長4395mm×全幅1795mm×全高1540mm
マツダならではの魂動デザインを採用し、上品さが際立つCX-30。CX-3と比べて車両サイズは少し大きく、家族でゆったり使いたい人におすすめです。
全高は機械式立体駐車場に対応する1540mmに抑えられています。遠出をしたい人は、燃費が良く加速力にも優れるディーゼル車を選ぶと良いでしょう。
▽10位 スバル「クロストレック」
10位 スバル「クロストレック」(提供:norico by ガリバー)
新車時価格:301.4万円~405.4万円
WLTC燃費:15.8~18.9km/L
サイズ:全長4480mm×全幅1800mm×全高1575mm
少し高価でサイズも大きいながら、安全性能と走行性能の高さでおすすめのクロストレック。現行モデルのアイサイトは、追突事故のリスクを大幅に低減しています。
また、最上位モデルはストロングハイブリッドシステムや最新の高度運転支援機能アイサイトXも搭載。安全性と快適性、走る楽しさを兼ね備えた一台です。
▽中古のおすすめコンパクトSUV
生産終了モデルで選ぶなら、以下の2車種がおすすめです。
トヨタ「C-HR」(2023年生産終了)
日産「ジューク」(2019年生産終了)
C-HRは最高燃費が25.8km/L(WLTC、FF)と燃費性能に優れています。一方、ジュークはユニークなデザイン性が魅力です。
なお、中古車には登録だけ済ませて実際の走行に使われていない登録済み未使用車もあります。中古車なので新車より少し低価格な点がメリットです。
外車コンパクトSUV人気おすすめTOP5
外車のコンパクトSUVは比較的価格が高いので、予算450万円以内で購入できる車種を中心に選びました。一方で、走行性能やブランド力に優れるBMWやMINIも選んでいます。
順位/車種名/新車時価格/最高燃費※WLTC
1位/フォルクスワーゲン「T-Cross」/336.8万円~/17.0km/L(ハイオク)
2位/フォルクスワーゲン「T-Roc」/438.9万円~/17.0km/L(軽油)
3位/プジョー「2008」/431.2万円~/20.8km/L(軽油)
4位/BMW「X1」/540万円~/19.5km/L(軽油)
5位/MINI「MINI カントリーマン」/499万円~/17.4km/L(軽油)
▽1位 フォルクスワーゲン「T-Cross」
1位 フォルクスワーゲン「T-Cross」(提供:norico by ガリバー)
新車時価格:336.8万円~396.9万円
WLTC燃費:17.0km/L(ハイオク)
サイズ:全長4135-4140mm×全幅1760-1785mm×全高1580mm
2024年の輸入車販売台数ランキングでコンパクトSUV1位だったT-Cross。外車は国産車と比べて全長や全幅が大きくなりがちですが、T-Crossのサイズ感は国産コンパクトSUVと殆ど変わりません。
外車SUVのなかでは安価ながらも装備が充実しており、使い勝手の良い一台です。
▽2位 フォルクスワーゲン「T-Roc」
2位 フォルクスワーゲン「T-Roc」(提供:norico by ガリバー)
新車時価格:438.9万円~699.9万円
WLTC燃費:ハイオク15.7km、軽油17.0km/L
サイズ:全長4245-4250mm×全幅1825mm×全高1570-1590mm
T-Rocは、中長距離の走行にも使いやすい一台です。特に、ディーゼル車は燃費が良いだけでなく、300Nmもの大トルクで高速道路での追い越しを楽にできます。
全幅は1800mmを超えていますが、視認性が高く、初心者にもおすすめです。また積載量が多く、遠出に向いています。
▽3位 プジョー「2008」
3位 プジョー「2008」(提供:norico by ガリバー)
新車時価格:431.2万円~457.3万円
WLTC燃費:ハイオク17.1km/L、軽油20.8km/L
サイズ:全長4305mm×全幅1770mm×全高1580mm
外車ならではのデザイン性の高さでおすすめなのが、プジョーの2008です。フランス車ならではのスタイリッシュな外観に加え、内装までデザインのこだわりが見られます。
エンジンはガソリンとディーゼルの2種類から選ぶことができ、ディーゼル車の最高燃費は20.8km/L(WLTCモード)。外車SUVのなかでは優秀な数値です。
▽4位 BMW「X1」
4位 BMW「X1」(提供:norico by ガリバー)
新車時価格:540万円~661.4万円
WLTC燃費:ハイオク12.4~14.4km/L、軽油19.5km/L
サイズ:全長4500mm×全幅1835mm×全高1625-1645mm
少々高価でサイズも大きいながら、年齢・性別問わず人気の高いX1。BMWのブランド力と走行性能の高さが魅力の一台です。
パワートレインの選択肢はガソリン・マイルドハイブリッド(ディーゼル)・電気自動車の3種類。どれもBMWらしい優れた加速力、アクセルレスポンスやハンドリングのキレを感じられます。
▽5位 MINI「MINI カントリーマン」
5位 MINI「MINI カントリーマン」(提供:norico by ガリバー)
新車時価格:499万円~677万円
WLTC燃費:ハイオク13.1~14.7km/L、軽油17.4km/L
サイズ:全長4445mm×全幅1845mm×全高1640-1660mm
日本で不動の人気を誇る外車がMINIです。SUVモデルは「クロスオーバー」の名称で販売されていましたが、2024年のフルモデルチェンジで「カントリーマン」に変更されました。
キレの良いハンドリングで良く曲がり、キビキビ走ります。ただし、サイズは名前のように小さくないので気を付けましょう。
▽他にはこんな車もおすすめ
外車のコンパクトSUVでは、以下のような車種もおすすめです。
レネゲードは、ジープ車だけあって悪路走破性が高く、且つユニークなデザインを楽しめます。GLAは、小型ながらもベンツ車らしい品性を備えた車です。
外車は、国産車に比べて中古での値下げ幅が大きいです。高年式車でも意外なほど安いことがありますので、ぜひ中古車もチェックしてみてください。
コンパクトSUV選びでよくある質問
Q. 今売れているコンパクトSUVは?
2024年の1月~12月で新車販売台数の多かったコンパクトSUVは、以下の通りです。
1位:ヤリスクロス
2位:ヴェゼル
3位:カローラクロス
Q. 女性におすすめのコンパクトSUVは?
女性におすすめのコンパクトSUVは、あまり全長が大きくない車種です。男性と比べて小柄な人が多い点で、全長4300mm前後までの車両をお勧めします。
具体的には、ヤリスクロスやヴェゼル、ライズ、WR-V、フロンクス、キックスクロスビーなどが良いでしょう。
Q. 5ナンバーのコンパクトSUVは?
5ナンバーのサイズ規格(全長4700mm以下/全幅1700mm以下/全高2000mm以下)に納まる主な車種は、以下の通りです。
・ジムニーシエラ
・クロスビー
・ロッキー
・ライズ(ロッキーのOEM)
・レックス(ロッキーのOEM)
予算を抑えるなら中古も検討を
コンパクトSUVは、安いモデルなら新車時価格200万円ほどですが、上位グレードやハイブリッド車は最低250万円ほどかかります。
購入費用を少しでも抑えたい場合は、中古車も探してみてください。中古車でも高年式車や走行距離の短い車は多くありますので、予算も含めて納得のいく一台を見つけましょう。
◇ ◇
【監修】中古車のガリバーが運営・クルマのギモンにこたえるサイト「norico」編集長・村田創
中古車のガリバーに勤務して20年以上のベテランが車の知識をわかりやすく解説します。車のことは、多くのメーカーを横断して取り扱うガリバーにぜひ聞いてください。「車ってたのしい!」を感じてほしいと思っています!
コメント