レストランで舌鼓!鹿児島に秋を告げる海の幸 今が旬のツキヒガイとバショウカジキが豊漁「県外の親戚にも」

暑い日が続いた2024年の鹿児島も、ようやくつかの間の「食欲の秋」を迎えた。各地の物産館や直売所がにぎわう中、鹿児島県本土西部・日置市の東シナ海沿いにある直売所でも、近海産の秋の味覚が客を呼んでいた。

豊漁のツキヒガイは今が狙い目

鹿児島市から車で約30分、日置市東市来町にある江口蓬莱館は、近くの港で水揚げされた新鮮な魚介類や地元産の農産物が並ぶことで人気となっている。秋になって目につくのが、9~11月が旬で2024年はいずれも豊漁の「ツキヒガイ」と「バショウカジキ」だ。

ツキヒガイは漢字で書くと「月日貝」。鹿児島県漁連のホームページによると、表が太陽、裏が月の色をして姿が美しいことにちなむという。

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2024年は例年に比べて4割ほど安い価格で売られていた。20個入りの袋詰めを5袋も買った男性は、「バターしょうゆで食べるとおいしい」と笑顔で話した。自宅用は1袋だけだそうで、「おいしかったから買って県外に住む親戚に送ってあげようと思う」と声をはずませていた。

秋到来告げる「秋太郎」も水揚げ好調

バショウカジキも豊漁だ。この日は長さ約2メートル、重さ40kgを超えるものが存在感を見せていた。

バショウの葉のような大きな背びれからこの名がつくとされ、秋の訪れとともに旬を迎えることから、鹿児島では「秋太郎」の名で親しまれている。水揚げ量も好調で、脂の乗りもよく、価格は例年よりやや安い。

「(秋太郎は)今が旬なんです。それを買いに来たんです」という女性のかごには、秋太郎の柵と中落ち、そしてツキヒガイの袋詰めが入っていた。「へらで貝殻を開いて砂を洗って、焼いて食べる。めんどくさいんですよね」と言いながらも、早く食べたいとワクワクしていた。

レストランで“旬”の魚介類に舌鼓

江口蓬莱館では、地元の“旬”を存分に味わえるレストランも人気だ。

「おいしいですね。秋太郎が今、旬でしょ。何年かぶりで妻が行ってみようと言うからチャンスだと思って」と語る年配の男性。別のテーブルでは、数量限定のツキヒガイのフライに舌鼓を打ち、「貝柱がすごく大きくておいしい」と笑顔を見せる女性の姿もあった。

ツキヒガイはこれから産卵期に入り身が小さくなるため、大きい身が楽しめるのは今のうちだ。

海産物が豊漁な一方、農産物は品薄だ。野菜は8月末の台風の影響が残り、入荷が少ない状況が続き、米が並ぶはずの棚もがらんとしていた。しかし、10月19日に開催される「新米祭り」から順次店頭に並ぶ予定だ。

鹿児島にようやく訪れた、短い秋。ドライブがてら物産館や直売所を訪ねるのに良い季節となった。ただし、旬の味覚は売り切れるのも早いため、くれぐれも時間に余裕を持ってお出かけを…。

(鹿児島テレビ)

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