夏におすすめ “美しくて冷たい”鹿児島の伝統工芸品『薩摩錫器』の魅力に迫る!

image
image

本場大島紬に、川辺仏壇、それに薩摩焼と、数ある鹿児島の伝統工芸品の中で、
夏に特にオススメしたいものがあります。それは一体何なのか、そして、なぜ夏にオススメなのか、鹿児島テレビ・新人の河内アナウンサーが取材しました。
鹿児島県霧島市にある工房。店内には動物をかたどった置物やタンブラーなど銀色の輝きを放つ品々が飾られています。
鹿児島の伝統工芸品・薩摩錫器です。
金属の錫(すず)を加工した製品が鹿児島で作られ始めたのは、約370年前。島津家の家臣によって錫鉱山が発見されたことが始まりとされています。
そんな薩摩錫器がなぜ夏におすすめなのかというとー
河内杏月アナウンサー
「錫器のタンブラーでお茶をいただきます。わぁ!持った瞬間から冷たいです!」
金属の中でも熱伝導率が高い「錫」。錫器に冷たいものを注ぐと、その冷たさが一気に器全体に伝わります。
鹿児島市内にある、薩摩錫器でお酒が楽しめるお店をたずねました。
Barすけ 鮫島陸大さん
「きめ細やかな泡が出るので、味がまろやかになると言うか、クリーミーな味わいになると思っております」
お客さん
「すごい美しいし、キンキンに冷えるんです。それもまたすてきだなと」
「焼酎をおいしい状態でいただけるし、目で見てもきれいだなって思って。
お酒の表情がすごく変わります」
お酒と錫器。夏場の相性は抜群のようです。
現在、鹿児島県内で薩摩錫器を手掛ける工房は2つあり、先ほどの薩摩錫器工芸館はそのうちの一つ。職人たちが溶かしてかたどった錫を、1000分の1ミリ単位で削る繊細な技を磨いています。
「今はこの杯の裏を削っているところです。このあと反対側をはめて、中を削っていく作業になります」
そう語るのは、2024年春入社したばかりの村田光哉さんです。
2023年3月まで教師として働いていた村田さん。錫職人の祖父の背中を追い、職人の道へ進みました。
村田光哉さん
「優しいおじいちゃんというい存在だったんですけど、この職場にきたときに祖父のかっこいい職人として姿があり、私も同じ職人になりたいと思いました」
脈々と引き継がれる薩摩の伝統。そんな錫器を夏におすすめする理由がもう一つ。
それが製作体験です。
錫は柔らかい金属で、ハンマーでたたくと曲がり、だんだんとお皿の形になっていきます。体験は夏限定ではありませんが、夏休みの自由研究の題材にする人もいるそうです。
子ども
「たたくところは力が必要だったから腕とか疲れたけどでも面白かったし、最初のところは、繊細さも必要で大変なんだなって思った」
お母さん
「すごく楽しい。思ったより充実した夏休みになって、いい思い出が作れて本当に良かったです。」
300年以上の歴史を持つ薩摩錫器。職人一人一人が手作りするため、お値段は高めですが、だからこその特別感があります。
村田光哉さん
「薩摩錫器の魅力は割れない、さびないといわれていて、縁起物としてもすごくいいし、何かわからない引きこまれる物があって、そこに愛着があります。この異常な暑さを、錫器で乗り切ってほしいです」
美しさも機能性も兼ね備えた鹿児島が誇る伝統工芸品。夏こそ「薩摩錫器」で、すずしく過ごしてみてはいかがですか?

コメント