帰省したら、親が「孫もいないし墓じまいする?」と提案してきました。お金がかかるイメージですが、実際どのくらいの費用が必要なのでしょうか?

image

お墓を継ぐ方がいなかったりお墓の管理で問題が生じていたり、さまざまな理由から墓じまい(改葬)をするケースが増えているようです。また、ご先祖の供養に関する価値観の変化から、墓じまいを検討する方もいらっしゃるでしょう。実際に墓じまいを進めるとなると、どの程度の費用が必要になるのでしょうか。
本記事では墓じまいの概要や具体的な進め方、墓じまいの費用相場などについて詳しく解説します。墓じまいの費用で悩んでいる方は基本的な考え方が分かるので、ぜひ参考にしてください。

そもそも、墓じまいとは?

墓じまいとはお墓を解体・撤去して更地にし、使用権を墓地の管理者に返還することを指します。また、お墓に納められたご遺骨は、別の場所や別の形で供養する「改葬」が並行して行われることが一般的です。そのため、墓じまいは墓石の撤去だけでなく、多くの場合には改葬という意味も含まれるので注意しましょう。

墓じまいの手順

一般的な墓じまいの流れは以下の通りです。

image

  • 1.親族間で話し合いを行う
  • 2.墓地管理者に墓じまいの相談をする
  • 3.ご遺骨の供養方法と納骨先を決定する
  • 4.墓じまいの依頼先を決める
  • 5.改葬に必要な行政手続きを実施する(改葬許可証の発行)
  • 6.閉眼供養をして、ご遺骨を取り出す
  • 7.墓石を撤去して墓域を更地にする
  • 8.ご遺骨を新しい供養先に移す
  • 1番大切にしたいポイントは、親族間での話し合いです。故人の生前の意思や家族それぞれの考えを尊重しながら、墓じまいを行うことについて家族全員で話し合います。
    具体的には、墓石の撤去方法に加えて、ご遺骨の新しい供養先や費用の負担についても決めなければなりません。墓じまいはやり直しができないので、後々のトラブル発生を防止するためにも時間をかけて話し合いましょう。

    墓じまいの費用相場

    墓じまいの費用相場は合計で20万円~200万円程です。費用相場の主な内訳を、表1にまとめました。
    表1

    image

    ※筆者作成
    費用の内訳は多岐にわたり、お墓の撤去費用や行政への手数料、お寺へのお布施などいろいろなお金が必要です。特に、お墓の撤去費用は対象の大きさや立地によって料金が変わります。
    加えて、墓じまいした後の新しい納骨先によって、必要となる費用は大きく異なるので注意が必要です。永代供養・海洋散骨・樹木葬などの供養方法の特徴を理解して、ご先祖やご家族にとって最良の方法を選択しましょう。

    墓じまいをする理由

    墓じまいをする主な理由は以下の通りです。

    ・お墓を継承する人がいない
    ・身寄りがない
    ・お墓を管理できなくなった
    ・お墓が遠方でお墓参りが難しい
    ・お墓の維持管理費などの負担を軽減したい
    ・お墓に対する価値観が変化した

    例えば、昨今の少子高齢化や核家族化の影響もあり、お墓を任せられる子・孫・親族がいない方が増えてきました。また、お墓を維持するには管理料やお布施などの費用が発生するため、経済的な負担を子どもや孫にかけないために墓じまいを選択するケースも珍しくありません。
    さらに、お墓に対する価値観の多様化も進んでおり、墓じまいをして新しい供養方法を選択する方もいるようです。

    まとめ

    墓じまいを進めるには決めなければならない項目が多くあり、どのような選択をするかで必要となる費用も変わるようです。特に、お墓の撤去と新しい納骨先は費用への影響が大きいので、時間をかけて親族間で話し合いを実施しましょう。本記事にて解説した内容が、墓じまいを検討している方の参考になれば幸いです。
    執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
    ファイナンシャルプランナー

    コメント