年間6万円の節約!今すぐ乗り換えたい「格安スマホ」9選

【緊急レポート】物価高に対抗せよ!通信費は大幅削減できる!!メルカリモバイル、y.u mobile、イオンモバイル、マジモバほか徹底検証

日本通信SIMはCM内で「これ以上引けない」と表明し、CM予算も削減していることをアピールする日本通信SIMはCM内で「これ以上引けない」と表明し、CM予算も削減していることをアピールする

実は削りやすい!?通信費削減で大幅節約

物価高が家計を圧迫し続けている。食品や日用品の値上げが相次ぎ、何か削減できる予算がないか頭を悩ませる日々がもう数年続いている。

そんななか、携帯料金の見直しについて、相談者にFPからのアドバイスを提供する業者、携帯見直し本舗の代表を務める鮎原透仁氏が、耳寄りな情報を本誌に寄せてくれた。「携帯電話料金に代表される通信費は、比較的削りやすい固定費です」と言うのである。

「多くの方がよく調べずに大手通信キャリアと契約を結ぶ傾向があるからです。最適な事業者を見つけ、自分に合ったプランに乗り換えれば、大幅な節約が容易に可能となります」

通信費削減のために利用したいのが格安SIM事業者だ。鮎原氏が解説する。

「格安SIM各社は、大手キャリアが提供する電波を借りることで、安価な通信サービスを提供しています。格安SIMは’10年頃からありましたが、’20年に発足した菅義偉政権が『携帯料金値下げ』を目玉政策として掲げ、参入障壁が下がったことで、多くの事業者がサービスを始めました」

大手キャリアの提供する「ギガ使い放題プラン」は、一月7000円前後という価格設定が一般的。格安SIM事業者に乗り換えるだけで、選ぶプランによっては月5000円、年間では6万円近く通信費をおさえることが可能なのだ。

通信、携帯の専門家が選定した「今乗り換えたい格安SIM」9選の特徴を、解説していこう。

通信費だけでなく通話料金の安さが特徴なのは、’96年創業の通信業の老舗・日本通信が手がける日本通信SIMである。ケータイジャーナリストの石野純也氏が言う。

「多くの格安SIM事業者が通話料を30秒ごとに22円としています。しかし、日本通信SIMはドコモと粘り強く交渉した結果、半額の30秒ごとに11円という料金を実現させました。
データ量20ギガに5分以内の通話が無料となるオプションが付いたプランを選べば、月額1390円という破格の安さになります」

コストダウンのためCMやマーケティングにかける予算を極限まで削ぎ落としているので、まだ「知る人ぞ知るブランド」という存在。だが、もうじき新たな試みが始まる予定だ。

「来年、格安SIMではできなかった自社SIMカードの発行が可能になり、将来『国際ローミング』ができる可能性が高まります。他社に先駆けて海外でデータ通信ができるようになるというのです」(石野氏)

「オフ会」まで企画

関西電力のグループ企業であるオプテージが運営するmineoも、格安SIM界の老舗として知られる。スマホ業界を中心に取材するジャーナリストの石川温氏の説明を聞こう。

「余ったギガを共有できるサービスを提供しています。ユーザー同士のコミュニティづくりにも力を入れていて、利用者が交流できるコミュニティサイト『マイネ王』の提供に加え、『オフ会』なども企画されていますね」

「料金形態にも特徴がある」と言うのは前出の石野氏だ。

「データ容量ごとに価格を設定した『マイピタ』、最大通信速度ごとに価格を設定した『マイそく』と、大きく分けて二つのプランがあります。格安SIM業者でありながら大容量プランの拡充にも積極的で、月50ギガを使うユーザー向けのプランも提供している」

mineoと並ぶ「二大勢力」と目されているのが、国内で初めてインターネット接続サービスを導入した会社であるIIJが提供するIIJmioだ。

「格安SIM業者で取り扱われている端末は種類が少ない傾向がありますが、IIJmioの端末ラインナップは、大手キャリア並み。ライカと共同開発したカメラ性能の高い『Xiaomi15Ultra』、世界最小級のスマホである『Jelly Star』などの特徴的なモデルも販売している。回線契約をすると機種代を割り引いてくれるのも嬉しい」(石野氏)

たとえば中古のiPhone15なら乗り換え価格として機種代が8万7000円と大幅に安くなるのだ。

格安SIMの難点といえば、人件費削減のため、初期設定をユーザー自身が行わなければならない点にあった。そのため、高齢者など「設定に自信のない顧客を獲得できない」ことがネックとなっていた。しかし、この現状に対応する形で、手厚いサポートを提供する事業者も登場している。

「ケーブルテレビを提供するJCOMの系列、J:COM MOBILEです。作業員の訪問や遠隔による初期設定の支援が受けられ、加入後も有料のオプションサービスを利用することで、電話・訪問・遠隔でのサポートが受けられます」(前出・鮎原氏)

吉高由里子を起用したCM「ヨシタカ先生」シリーズで、J:COM MOBILEは高い認知度を獲得した(写真は同社HPより引用)吉高由里子を起用したCM「ヨシタカ先生」シリーズで、J:COM MOBILEは高い認知度を獲得した(写真は同社HPより引用)

「ポイ活」にも使える

参入障壁が下がったため、もとは通信事業者ではなかった異業種からの参入も続いている。

小売業大手を母体に持つ強みを活かし、存在感を発揮しているのがイオンモバイルである。

「各地のイオン内などに実店舗があり、買い物のついでに気軽に立ち寄れる。通信事情に詳しくない人でも、店員と一緒に簡単に乗り換えを進められるため、高齢者からも支持を集めています」(ITジャーナリストの三上洋氏)

近年、大手キャリアはドコモの「dポイント」に代表されるように、「共通ポイント」を発行してユーザーの囲い込みを行ってきた。イオンモバイルでは「WAON POINT」が貯められる。

「利用料金をイオン系のカードで支払うと、200円ごとに『WAON POINT』が4ポイント貯まります。ポイントはイオンや系列店で使用できるので、節約に加えてポイントという、さらなる恩恵ももたらされるのです」(経済誌通信業界担当記者)

異業種の提供するサービスでは「旅行代理店であるエイチ・アイ・エスが手がけるHIS mobileに注目しています」と言うのは、前出の鮎原氏だ。

「最安プランは月280円からと価格競争も頑張っているのですが、契約者は海外旅行先で使えるポケットWi-Fiを50%オフでレンタルできるほか、HISを通した旅行ツアー代金が最大3000円引きされます」

動画配信サービス大手のU-NEXTユーザーであれば、U-NEXT傘下のy.u mobileへの乗り換えをオススメしたい。前出の三上氏が熱弁する。

「月額2970円の『シングルU-NEXT』プランを契約すると、通信量を月10ギガも使えるうえ、U-NEXTの視聴が可能になります。U-NEXTは現在、月額2189円。つまり実質781円で10ギガが使い放題になるわけです。
余ったギガは上限100ギガまで有効期限なしで繰り越せる『永久繰り越し』サービスを実施しており、大手顔負けと言えます」

「驚安の殿堂」ことドン・キホーテ系列であるマジモバは、ドンキの実店舗利用者向けに、ユニークなサービスを実施している。

「『今月のおごり』という、店頭で商品に引き換えられるクーポンをマジモバ利用者に毎月配布しているのです。4月はシャウエッセン、5月は醤油などの商品がラインナップされていました」(前出・三上氏)

今年3月にサービスを開始したばかりのメルカリモバイルは「ギガを売り買いできる」という革新的なプランを提示し、ユーザーを驚かせている。前出の石野氏が衝撃のワケを明かす。

「プランは2ギガと20ギガの二つのみ。母体であるフリマアプリ・メルカリの強みを活かして、最低200円、1ギガあたり最高500円で『出品』できるため、月末などに通信容量をオーバーしてしまったら、他のユーザーから格安で買い取ることができるのです。
大手キャリアは通信量をオーバーしてしまった場合、1ギガを追加購入するのに1000円近くかかります。他の格安SIMは1ギガが220円程度ですが、ほぼ同額でより大容量を購入可能。通信市場全体を、さらなる値下げに向かわせる可能性も秘めています」

単純な安さか、特典か、アフターサービスの充実か――自身のニーズに合ったプランを、一度探してみてはいかがだろうか。

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イオンモバイルは実店舗を持つことで、初期設定に不慣れなユーザーの取り込みを図る(写真は同社HPより引用)y.u mobile はMリーガーの瑞原明奈を起用し、ギガの繰り越しが可能であることをPRy.u mobile はMリーガーの瑞原明奈を起用し、ギガの繰り越しが可能であることをPRメルカリモバイルで「ギガの売り買い」をする際の画面。フリマ形式でギガを売買するメルカリモバイルで「ギガの売り買い」をする際の画面。フリマ形式でギガを売買する鳴り物入りで参入した楽天モバイルだが、現在は新規受け付けを停止鳴り物入りで参入した楽天モバイルだが、現在は新規受け付けを停止

『FRIDAY』2025年6月6日・13日合併号より

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