復活した宮崎県美郷町の名酒「いすゞ美人」=同県延岡市の千徳酒造で2025年2月17日午前10時59分、重春次男撮影
かつて宮崎県美郷町北郷で造られた幻の日本酒「いすゞ美人」が、約半世紀ぶりに復活した。同県延岡市の千徳酒造が手がけ、米のうまみやふくよかな風味が楽しめる。20日から北郷で開かれる「宇納間(うなま)地蔵尊大祭」会場で発売される。
今は小売店を営む地元の「甲斐酒店」が、1966年ごろまで「いすゞ美人」を製造。これに着目した町や商工会が、地域活性化に生かそうと2022年7月に復活プロジェクトを立ち上げた。県などの協力で残っていた酒蔵から酵母を採集し、当時、酒米に使った「瑞豊」の栽培にも挑戦した。
この酵母や酒米を活用し、千徳酒造で1月8日に仕込みを始め、2月10日に初搾りした。同酒造の杜氏(とうじ)を兼ねる門田賢士社長(61)は「バランスの取れた良い味に仕上がった」と太鼓判。プロジェクトに携わった美郷町商工会事務局長の渡会(わたらい)実さん(65)は「多くの人が美郷町を知り、町に来るきっかけになればうれしい」とPRした。
「いすゞ美人」は720ミリリットル入りで、税込み2500円。約1500本を製造予定。23日以降は順次、美郷町内の酒店や千徳酒造で販売する。問い合わせは同町商工会(0982・66・2023)。【重春次男】
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