念仏を唱えればどんな困難や恐怖も乗り越えられる
第七条では「念仏者は無碍(むげ)の一道(いちどう)なり」という言葉が記されています。
「念仏を唱える人は何が起ころうが大丈夫」という意味を持つ言葉です。
親鸞の生きた時代の人々は、神様の祟りや天変地異など常に見えない恐怖にとらわれていました。そんな人たちに親鸞は、「念仏を唱える人は大丈夫」と教えていたのです。
念仏を唱える人はどうして大丈夫なのでしょうか。阿弥陀仏は「念仏を唱える人は救ってくれる」ということを約束してくれているのだから、どんな悪いものも恐れる必要はないと考えていたからでした。
つまり親鸞は、阿弥陀仏を信じている心さえあれば、どんな困難に遭遇しても乗り越えることができることを説いていたのです。さらに親鸞は、念仏を唱えることは、何ものにも変えることのできない素晴らしいものであるから、私たちを守ってくれる力を阿弥陀仏から与えてもらえると考えていました。
私たちがやるべきことはただひとつ、阿弥陀仏を信じ念仏を唱えることです。念仏され唱えていればどんなピンチでも乗り越えることができるというのが親鸞の考え方です。この考えは当時の多くの人たちから支持され、人々に安心感を与え続けています。
念仏を信じる者は何ものからも妨げられず、阿弥陀仏の救いを信じる者は、神様の祟りや天変地異の恐怖も取り除けます。つまり「念仏者は無碍の一道なり」とは、「念仏を唱える者はどんな困難や恐怖も乗り越えられる」という力強い言葉なのです。
「念仏を唱える人をすべて救ってくれる」ということを阿弥陀仏は約束してくれています!
念仏は無碍の一道なり
念仏を唱える人すべてを阿弥陀仏は救ってくれます
[ 多くの人たちから支持され安心感を与えた ]
ワンポイント!
何ものからも妨げられない、妨げるものもない一筋の大きな道を「無碍の一道」と言います。「無碍」には一切の障りがないという意味があります。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 歎異抄』監修:山口謠司
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 歎異抄』
監修:山口謠司
「善人なおもって往生を遂ぐ。いわんや悪人をや」――親鸞の死後に弟子の唯円が師の言葉をまとめた「歎異抄」。
仏教書の中でも、現代に必要とされる「安心」と「他力本願」の奥義がわりやすく、生きる力や癒やしにつながると根強い人気があります。700年以上前に親鸞が説いた、この今を生き抜くための名言には、「生きることはどういうことなのか」「信じた道をつき進めるか」「悪人こそが救われる」などという内容の言葉が書き起こされていますが、それは逆説的な意味合いを込めた、「明日を生きる力がわいてくる珠玉の名言」なのです。
日常生活に大いに役立つ歎異抄の世界。語り継がれる親鸞聖人の言葉は、現代社会に大きな影響を与えているといってもいいでしょう。
本書は歎異抄の世界をひもとき、親鸞聖人の考え方をどのように応用すれば、厳しい現代社会を生き抜くことができるかを、図やイラストをふんだんに使い、わかりやすく解説した一冊です。
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