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- アメリカ合衆国は依然として世界一の富裕国で、国内総生産(GDP)は29兆1800億ドル(約4377兆円)に上る。
- アメリカの各州のGDPは世界各国に匹敵する大きさで、日本のGDPはカルフォルニア州とほぼ同じだ。
- だが、2025年1–3月期(第1四半期)のアメリカのGDPは、2022年以来初めて減少した。
アメリカ合衆国はいまも、世界一の経済大国として君臨し、そのGDPは29兆ドル(約4350兆円、1ドル=150円換算:以下同)に上る。現在の市場為替レートで計算しても、世界第2位の中国の10兆ドル(約1500兆円)を凌ぐ。
事実、アメリカ各州のGDPは世界各国に匹敵する。国際通貨基金(IMF)とアメリカ商務省経済分析局の2024年の年間GDPデータを元に、Business Insiderは各州のGDPに最も近い国を割り出した。
たとえば、カリフォルニア州のGDPは、4兆1000億ドル(約615兆円)と世界第4位の経済地域となり、ほぼ同程度といえる昨年の日本のGDP、4兆300億ドル(約604兆円)を凌ぐ。2024年のニューヨーク州のGDPは2兆3000億ドル(約345兆円)で、カナダの2兆2400億ドル(約336兆円)をわずかに上回る。
以下の地図には、各州に近い国の名前を示した。州の上にマウスをかざすと、2024年の州のGDPが表示される。
https://www.businessinsider.jp/article/2505-us-states-gdp-compared-countries-china-global-economy/
GDP規模が同程度の国名で表記したアメリカ地図
米商務省経済分析局の2024年第4四半期の数値によると、アメリカのGDP成長率全体に最も寄与したのは、不動産、専門的・科学的・技術的サービス、医療・社会福祉である。
1人当たりGDPでみると、アメリカはシンガポール、アイスランド、ノルウェイなどに次いで世界で7番目である(IMFのデータによる)。同じく IMFのデータからは、購買力平価で調整した1人当たりGDPで見ると、アメリカは中国に次いで2番目であることがわかる。つまり、中国人は人民元建てで多くの財とサービスを購入しているということだ。
だが、アメリカ経済には強い逆風が吹いている兆しがある。2025年第1四半期、アメリカの経済成長率は年率0.3%縮小した。これは2022年以降ではじめてのことだ。
今年に入ってから毎月消費者センチメントが低下しており、ムーディーズ・アナリティックス(Moody’s Analytics)のエコノミストは、関税とその他政策の「大きな影響」出始めると、さらに落ち込む可能性があると語る。
一方、アメリカは景気後退に向かっていると 警告するエコノミストもいる。さらにアメリカは、インフレと景気減速および失業率の上昇が同時に起こるスタグフレーションに突入する可能性があると警鐘を鳴らす専門家もいる。
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