近々、運転免許の更新を予定している方の中には、「マイナンバーカードと免許証を一体化するかどうか」で迷っている人もいるでしょう。いわゆる「マイナ免許証」は2025年3月から全国で導入され、手続きの簡略化やカードの一元化などの利点があります。一方で、登録者数や手数料の違い、注意点も気になるところでしょう。
本記事では、マイナ免許証の特徴や費用、利用者の動向などを踏まえて、導入の判断材料をわかりやすく解説します。
マイナ免許証って何? 2025年から全国で導入
「マイナ免許証」とは、マイナンバーカードと運転免許証を一体化したものです。2025年3月24日から全国で制度がスタートし、更新や新規取得などのタイミングで希望者が登録できます。
この制度を利用すると、1枚のカードで本人確認と運転資格の証明が可能になります。また、マイナ免許証を保有していれば、免許更新時の講習がオンラインで受講できます。さらに、マイナ免許証のみを保有している場合は、マイナンバーカードの住所変更手続きを行うと警察への届け出が不要になるなど、手続きの手間が減るのも魅力の一つです。
ただし「マイナ免許証」は、すべての人が自動的に対象となるわけではありません。マイナ免許証を希望する場合は、更新手続きの際に専用の申請を行う必要があります。
気になる登録者数と手数料の違い
警察庁の発表によると、2025年4月末時点でのマイナ免許証の保有者数は40万2623人で、うちマイナ免許証のみは13万9005人、従来の免許証とマイナ免許証の2枚持ちは26万3618人とのことです。
制度開始から約1ヶ月時点での人数ということもあり、登録者はまだ少数にとどまっていると考えられますが、今後、利便性の高さから徐々に利用者は増えていくと見られています。
手数料については、保有形態によって差があり、免許更新時にかかる手数料は以下の通りです。
【更新手数料】
・免許証のみ:2850円
・マイナ免許証のみ:2100円
・2枚所持:2950円
【講習手数料】
・会場で受講:優良 500円、一般 800円、違反・初回 1400円
・オンライン受講(優良・一般運転者のみ):200円
オンライン講習を選べば、手数料も安く抑えられます。ただし、オンライン講習を受けるにはマイナ免許証の登録が必要で、インターネット環境も求められます。
マイナ免許証にするメリットと注意点
【メリット】
・マイナ免許証のみを所有の場合、更新手数料が安くなる。また、手続きが簡略化され、住所変更などがオンラインで完結する。
・オンライン講習が可能になる(優良・一般運転者のみ)。
・身分証明書の一本化により、カードの持ち歩きが1枚で済む。
【注意点】
・マイナ免許証を取得後、マイナンバーカードを更新すると、免許情報の再登録が必要になり、手数料1500円がかかる。なお、2025年の秋頃にシステム改修が予定されています。
・券面に免許の記載がないため、国際運転免許証の取得や海外での運転・身分証明には対応できない場合がある。
・端末などで情報を読み取る必要があり、対応していない施設では使いにくいこともある。
つまり、オンラインでの利便性は高いものの、利用シーンによっては従来の免許証の方が適しているケースもあるのです。
まとめ:自分に合った免許証の形を選ぼう
マイナ免許証は、オンライン手続きや講習が可能になり、カードを1枚にまとめられるなど多くの利便性があります。一方で、券面に免許情報が表示されないことや、マイナンバーカードの更新に伴う手続きなど、注意すべき点もあります。
どちらが自分のライフスタイルに合っているかを考えたうえで選ぶことが大切です。特に頻繁に住所変更がある人や、オンラインで手続きを済ませたい人にとっては、マイナ免許証は非常に便利な選択肢となるでしょう。
なお、制度の詳細や手続き方法は、住んでいる地域の警察署や運転免許センターの公式サイトで確認するようにしてください。
出典
警視庁 マイナンバーカードと運転免許証の一体化について
警察庁 交通局運転免許課 令和7年4月末時点でのマイナ免許証保有者数について
警視庁 マイナ免許証に伴う手数料改定
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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