野ぞえさんの作品=大寺聡さん提供
桜島のふもとに住み桜島を50年近く描き続ける画家野ぞえ宗男さん(85)の作品展「桜島現想」が25、26日、鹿児島市の長島美術館で開催される。アトリエなどの老朽化で作品の保管が難しくなったため、関係者が新たな美術館を構想し、機運を盛り上げるために企画した。
野ぞえさんは福岡県出身で、武蔵野美術学校(現在の武蔵野美術大)西洋画科を1962年に卒業した。東京で活動していたが、76年に初めて訪れた桜島に魅せられて91年、アトリエを桜島に移した。
間近で暮らしながら桜島が見せる様々な容貌(ようぼう)を表現してきた。だが、約10年前に難病の黄色靱帯(じんたい)骨化症を発症し、歩行が困難になった。住まいとアトリエが老朽化して作品の保管が難しくなっているという。
そこで美大の後輩にあたるイラストレーター大寺聡さん=日置市=らが、作品を収蔵、展示する「野ぞえミュージアム」(仮称)を構想した。桜島地区で2026年3月に閉校となる学校の校舎を活用することを想定している。
3年前に鹿児島市立美術館で開催された作品展では「常設で作品を見られる場が欲しい」という声が寄せられたという。大寺さんは「作品が散逸する恐れもある。ぜひご賛同を」と話している。
入場無料。両日とも午前9時~午後5時。
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