死ぬほど痛い「こむら返り」が起きなくなる…!誰もが手軽にとれる「意外な食べ物」

たとえ健康な人でも、9割以上がこむら返りを経験しているという。誰もが苦しむ「ふくらはぎの反乱」を鎮める平和的解決法があった。

筋肉にあるセンサーの誤作動

「うっ、うぎゃーーーっ!」

心地よい眠りが突如妨げられ、そのあまりの激痛に身動きひとつとれず、ただ布団の中でえんえん身悶える—そんな「こむら返り」を誰もが一度は経験していることだろう。

耐え難い痛みが時に何分も続くこむら返りは、寒い冬に繰り返し起きる人も多い。

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だが、ここで朗報がある。こむら返りは食習慣や体操などで、簡単に克服できるのだ。その具体的方法を見ていこう。

そもそも「こむら返り」とは一体どんな現象なのか。

『こむら返り 整形外科の名医が教える最高の治し方大全』の著書がある、出沢明PEDクリニックの出沢明氏が語る。

「こむらとは、昔の言葉でふくらはぎ(腓腹筋)のこと。こむら返りは医学用語では『有痛性筋痙攣』や『筋クランプ』と呼ばれる症状で、ふくらはぎの筋肉がつっている状態です。『つる』という現象を簡単に言えば、筋肉にあるセンサーの誤作動で、歯止めを失った筋肉が勝手に暴走することです」

あおむけで眠るから

出沢氏によれば、このセンサーの誤作動は次のような要因で起きやすくなるという。

・加齢による新陳代謝の低下
・筋肉の疲労
・血流の低下
・水分の不足
・ビタミンやミネラルの不足
・運動不足などによる筋力低下

こむら返りは、水泳やゴルフなど水分が不足しがちな運動中にもしばしば起きるが、血流が低下する就寝中にはとくに起きやすい。背中や脇腹などでも筋肉がつる現象は起きるが、ふくらはぎがつりやすいのには理由がある。

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「直立姿勢をつねに支え、歩くときに絶えず伸び縮みを繰り返すために疲労しやすいこと、心臓から遠いために血流が滞りやすいこと、足元は冷えやすいこと。加えて、夜にあおむけで眠るときは爪先が下がりふくらはぎの筋肉が縮みやすいことから、つりやすいのです」(出沢氏)

納豆、チーズ、スルメを摂る

誰にでも起きるこむら返りとおさらばするために、生活習慣を見直すことから始めよう。まずは水分不足の解消である。

「水分補給の基本は、『こまめに、早めに』。就寝中は不感蒸泄と言う発汗以外の蒸発でコップ1杯ほどの水分が出ていきますから、朝方にはどうしても水分不足になります。就寝前にコップ1杯の水を飲み、寝酒は極力避けましょう」(出沢氏)

毎日の食事で気にするべきはビタミンやミネラルだ。

昨年10月、中国・成都市第三人民医院の研究者らの発表した最新報告が、米国医師会の内科専門誌「JAMA Internal Medicine」に掲載され、聞きなれないビタミンが話題となっている。

こむら返りを繰り返している65歳以上の約200人を対象として、骨粗鬆症の治療薬としても使用されているビタミンK2のサプリメントを飲んでもらったところ、こむら返りの頻度、重症度、持続時間が大幅に低下したというのだ。

ビタミンK2は、筋肉の緊張を緩める作用があり、発酵食品などに多く含まれている。ビタミンK2を多く摂取できる納豆やチーズを日常的に食べることが効果的なのだ。

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ミネラルについては、マグネシウムとカルシウムのバランスが予防のために重要であると出沢氏は続ける。

「カルシウムばかりを過剰に摂取すると、マグネシウムの吸収を妨げる恐れがあります。マグネシウム1に対して、カルシウム2~3の比率が理想なので、マグネシウムも意識的に摂取するように心がけたい。

50~60代男性の必要量は一日あたりマグネシウム310mg、カルシウム600mgとされます。マグネシウムを摂るうえで私が注目したいのはスルメで、100gに約170mgも含まれており、おやつとしておすすめです。マグネシウムが豊富なスルメや海藻類、ゴマやナッツを積極的に摂るとよいでしょう」

カルシウムについては、コップ1杯の牛乳に約230mgほど含まれており、就寝前の水分補給も兼ねて飲むとよい。意外なことに、鍋などで簡単に摂れる木綿豆腐もカルシウムが豊富で、4分の1丁あたり約80mgも含まれている。

後編記事『「こむら返り」の痛みが《すぐに和らぐ》方法があった…!飲むだけで痛みが治まる「漢方」の名前』へ続く。

「週刊現代」2025年1月25日号より

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