2024年8月~10月までの3カ月間、政府による物価高から守る「二段構え」への対応第一段として、電気・ガス料金の支援が行われています。
また、秋ごろには第二段として低所得世帯や年金生活世帯を対象とした追加給付金が行われる予定です。
【写真全7枚】1枚目/物価高から守る「二段構え」への対応第一段「エネルギー補助」、2枚目/物価高から守る「二段構え」への対応第二段「給付金など、さらなる経済対策」
価高から守る「二段構え」への対応第二段「給付金など、さらなる経済対策」
日本にはこれ以外にも、医療や住まいなど、さまざまな分野でお金が支給される制度があります。
給付金などの制度をあらかじめ知っておくことで、いざというときの経済的な助けになります。
この記事では、申請しないと受け取れない給付金や手当などの情報を集めました。
ご自身が利用できる制度があれば、積極的に活用して、経済的な負担を軽くしましょう。
1. 給付金・補助金・手当など一覧表
医療・就業・住宅の3つの分野における給付金などの制度について一覧表にまとめました。
【一覧表】申請しないともらえない「給付金・補助金・手当」
出所:各種資料をもとに筆者作成
1.1 医療
- 傷病手当金
- 高額療養費制度
- 障害年金
- 医療費控除
1.2 就業/失業
- 失業給付(失業保険)
- 再就職手当
- 教育訓練給付金
- 職業訓練受講給付金
- 高年齢雇用継続給付
1.3 住宅
- 住宅ローン控除
- 住居確保給付金
- 空き家の譲渡所得の税制控除
2. 医療に関するお金
ケガや病気になったときに受けられる給付金や手当を紹介します。
2.1 傷病手当金
病気やケガで会社を休業するときにもらえる手当です。
傷病手当金
出所:協会けんぽ「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」
受給金額は「標準報酬月額÷30日×2/3」で、最長の場合は1年半受給できます。
受給するには、会社の人事部など担当の部署とともに手続きをします。
2.2 高額療養費制度
医療機関や薬局の窓口で支払う医療費が、1か月で上限額を超えた場合、その超えた額を受給できる制度です。
年齢や所得によって上限額が設定されており、条件を満たせばさらに負担が軽減される仕組みもあります。
高度療養費制度を利用するには、加入している公的医療保険(健康保険組合・協会けんぽなど)に申請を提出する必要があります。
2.3 障害年金
ケガや病気により、仕事や生活面で制限されるようになった場合に受け取れる年金で、現役世代も対象です。
国民年金に加入していると障害基礎年金、厚生年金に加入しているとさらに障害厚生年金や障害手当金が上乗せされます。
受給するには、医療機関にて受診状況等証明書を発行してもらい、病歴・就労状況等申立書とともに日本年金機構に提出します。
2.4 医療費控除
1月から12月までの1年間で支払った医療費が一定額を超えた場合に、所得控除を受けられる制度です。
実際に支払った医療費の合計額から、保険などで補填される金額と10万円を引いた金額が、控除金額となります。
医療費控除を受けるには、確定申告を提出する必要があります。
3. 就業や失業に関するお金
ここからは、就業や失業の際に受け取れる給付金や手当金を紹介します。
3.1 失業給付(失業保険)
倒産・契約期間満了などの事情で離職した際に、再就職するまでの生活を支えるために受け取れる給付金です。
就職したい意思があること、すぐ働ける状態であることなどが受給の条件となっています。
受給金額は年齢や失業理由などによって決定され、給付期間は90日〜360日です。
給付を受けるには、ハローワークでの手続きが必要です。
3.2 再就職手当
失業給付の受給資格があると認められた後、早期に就職が決まった場合に受け取れる手当です。
再就職手当の額
失業給付の給付日数の2/3以上を残した場合は支給残日数の70%、1/3以上の場合は60%を受け取れます。
再就職手当を受給するには、就職が決まった日の翌日から1ヶ月以内に支給申請書を提出することが必要です。
3.3 教育訓練給付金
指定の教育訓練を修了した際に、受講費用の一部が支給される制度です。
対象の教育訓練は約1万6000講座で、教育訓練給付制度の検索システムで検索できます。
受給するには、雇用保険の加入期間などの条件があり、ハローワークでの手続きが必要です。
3.4 職業訓練受講給付金
ハローワークには、給付金を受け取りながら、職業訓練を受けられる制度があります。
職業訓練受講給付金
条件を満たす必要がありますが、職業訓練を無料で受講できるうえに、月額10万円が支給されます。
生活費を補填しながら、就職・転職に備えることが可能です。
職業訓練受講給付金の受給を希望する場合は、ハローワークにて訓練受講の申し込みと同時に給付金の審査を申請します。
3.5 高年齢雇用継続給付
60歳〜65歳未満の方を対象に、60歳以降の賃金が60歳時点に比べて75%未満に低下した状態で働き続ける場合に受け取れる給付金です。
60歳以降に再雇用などで勤務を継続すると賃金が大幅に減少することが一般的なため、減少分をカバーするための制度です。
受給するには、ハローワークへ支給申請書の提出が求められます。
4. 住宅に関するお金
最後に、住宅関連の控除や給付金の制度を紹介します。
4.1 住宅ローン控除(減税)
住宅ローンを借りて新築や増改築をした場合に、年末のローン残高の0.7%を所得税から控除できる制度です。
控除期間は最大13年で、床面積や所得金額など条件を満たした場合に適用されます。
住宅ローン減税:2024年1月以降は「省エネ基準適合」が必要に
2024年1月からは、省エネ基準に適合することも必要となり、証明書の提出が求められます。
控除を受けるには、入居した翌年に確定申告をする必要があります。
4.2 住居確保給付金
離職や廃業により、住居の確保が難しくなっている方を対象に、原則として家賃額の3ヶ月分を受給できる制度です。
離職や廃業から2年以内であること、世帯の貯蓄額が各市町村で定める額を超えないことなどの条件があります。
住居確保給付金の申請は、市区町村の自立相談支援機関で受け付けています。
4.3 空き家の譲渡所得の税制控除
相続人が家屋や土地を譲渡する際に一定の条件を満たすと、譲渡所得について3000万円まで控除を受けられます。
以前は被相続人が相続開始の直前で家屋に居住していたことが必要でしたが、現在は老人ホーム等に入居していた場合も対象になります。
譲渡所得の控除を受けるには、確定申告が必要です。
5. お住まいの自治体の情報も調べてみよう
この記事では基本的に全国どこでも利用できる制度について解説してきましたが、地域限定の制度も数多くあります。
例えば東京都では、省エネ性能が高い住宅の導入促進のために、「東京ゼロエミ住宅」の助成金制度があります。
ご自身がお住まいの自治体でも、独自の給付金や補助金などがあるかもしれません。
公式ホームページなどで、情報を確認してみてはいかがでしょうか。
コメント