空き家の解体費用や補助金について知りたい方もいるでしょう。老朽化した空き家をそのままにしておくと、近隣トラブルや思わぬ費用負担につながるおそれがありますので、対策は早いほうがよいといえまよいといえます。
また、空き家の管理や処分にかかる費用をおさえるためにも、補助制度の有無や申請条件を把握しておくことが大切です。今回は、空き家の解体費用に対する補助金の概要や注意点について解説します。
200万円の解体費用でいくら補助金をもらえる?
空き家の解体に対して、補助金や助成金制度が用意されている自治体もあります。こうした制度は、老朽化した建物による事故や火災、不法投棄のリスクを軽減し、地域の安全や景観を維持することを目的に設けられています。
建物が著しく傷んでいたり崩壊の危険性があったりする場合には、いわゆる「特定空家」に該当する可能性があり、自治体によっては補助金・助成金の支給対象として扱われやすくなることもあるようです。
補助金の金額や割合は、全国一律ではありません。解体費用の5分の1から2分の1程度を上限としている自治体が多いとされています。例えば、解体費用が200万円の場合、40万円から100万円程度の補助を受けられる可能性があります。
ただし、具体的な金額や申請条件は自治体ごとに異なり、補助限度額が設けられていることも珍しくありません。事前に空き家のある自治体の担当窓口で、制度の内容を確認する必要があります。
空き家の解体で受けられる補助金の例
老朽化が進んだ空き家は、耐震性に不安を感じる場合もあるでしょう。空き家を解体するときには、木造住宅の耐震改修の一環として、除却費用の補助金や助成金を活用できる場合があります。
このような補助金制度では、耐震性が不足している住宅に対して、耐震診断を経たうえで必要性が認められれば、解体工事の費用を一部負担してもらえます。基本的には一定の築年数を超えた住宅が対象となるため、申請するときは利用条件に当てはまるかを確認しましょう。
また、幅員4メートル未満の狭い道路に面した古い木造住宅に対しては、地域によって「狭あい道路沿道老朽住宅除却促進制度」のような補助制度が設けられています。
例えば、令和7年度に大阪市で実施されている「密集住宅市街地整備のための補助制度」では、古い木造住宅で狭あい道路の対策地区に所在している場合、解体費用の2分の1以内、限度額75万円の補助金を受けられます。重点対策地区の場合は、解体費用の3分の2以内、限度額は100万円まで受けられる制度です。
これは、防災性向上や街並み整備を目的として行われているもので、対象となる建物の築年数や接道状況、所在地のエリア区分などに応じて補助が適用されます。
制度の内容や適用条件は、自治体ごとに異なります。補助を希望する場合は、まずお住まいの自治体の担当窓口に確認し、自分のケースが該当するかを確かめることが大切です。
空き家を放置するとどうなる?
以下は、空き家を放置することによって発生するおもなリスクです。
・建物の老朽化による倒壊リスク
・不審者の侵入や不法投棄
・衛生環境の悪化
・近隣住民とのトラブル
・景観の悪化と地域全体の価値低下
・固定資産税の負担増加
空き家を放置すると、建物の傷みによる倒壊リスクや不審者の侵入、ゴミの不法投棄、害虫・動物による被害など、さまざまな問題が発生します。雑草や枝木が隣家に越境すれば近隣トラブルの原因となり、外観の劣化は地域全体の価値にも影響します。
さらに、「特定空家」に指定されると固定資産税の軽減措置が解除され、税負担が増す可能性も考えられるでしょう。こうしたリスクを避けるためにも、空き家は放置せず、早めに対策をとることが大切です。
解体費用が200万円の場合、40万円から100万円の補助を受けられる可能性がある
今回は、空き家の解体費用に対して受けられる補助金について解説しました。空き家を解体するための補助金は、老朽化による倒壊や不法投棄などのリスクを防ぎ、地域の環境や安全を保つために設けられた制度です。
解体費用が200万円の場合、補助額は40万円から100万円程度になる可能性があります。ただし、自治体によって条件や補助額の上限は異なります。対象となる建物や敷地の状況によっても補助額は異なるため、制度が活用できるか、自治体の条件や申請方法を確認しましょう。
出典
大阪市都市整備局 令和7年度版 密集住宅市街地整備のための補助制度のご案内 古い木造住宅の解体(3ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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