県本土を横断した台風12号、浸水被害の7割が南さつま市――水没車両の運び出しに追われる業者、市役所は土日返上で罹災証明書受け付け

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水没して動けなくなった車を運ぶ整備工場のスタッフ=23日、南さつま市加世田

 鹿児島県本土を横断した台風12号の影響で、23日までに判明した浸水など県内の住宅被害は102棟に上ったことが、県のまとめで分かった。日置市日吉・吹上地区の約80戸は21日から続いた断水が解消。南さつま市では、水没した車を移動させるなど復旧に向けた動きが進んだ。
 県によると、浸水被害は床上が51棟(南さつま市44、鹿児島市3、薩摩川内市2、いちき串木野市と指宿市各1)、床下47棟(南さつま市28、南九州市8、指宿市7、日置市2、薩摩川内市といちき串木野市各1)。一部損壊は4棟(南さつま市2、鹿児島市と枕崎市各1)。
 道路は、指宿スカイラインの谷山インターチェンジ(IC)-頴娃ICの通行止めが解除された。
 南さつま市加世田では自動車整備工場のスタッフが水没して動かなくなった車を運び出した。蒸し暑い中、3人がかりで約50分かけ作業。日置市の工場代表有村俊彦さん(49)は「今日はあと3台運ぶ。まだ増えそう」と語った。
 南さつま市役所は罹災(りさい)証明書申請の土日受け付けを実施。窓口を訪れた地元の無職男性(71)は自宅が床上浸水した。「後片付けを含め今後のことを相談したい」と話した。

  • 〈関連〉ボートで救出された現場近くの光景。車の天井近くまで冠水した=21日午後5時半ごろ、南さつま市加世田内山田(鎌田啓嗣さん提供)
  • 罹災証明書の受付窓口が開設された南さつま市役所=23日、同市加世田川畑
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