三重塔を頂いた攝護寺納骨堂の完成予想図。左側が本堂(亀山建設提供)
宮崎県都城市牟田町の天竜山攝護(しょうご)寺で、木造の三重塔を頂いた納骨堂の建設が進む。ヒノキとケヤキで造られた三重塔は高さ24メートル。来年3月完成予定で、佐々木慈舟(じしゅう)住職(51)は「完成したらライトアップして、街の新たなランドマークとして親しんでもらえるようにしたい」と話す。
同寺は1945(昭和20)年8月6日の米軍による都城大空襲で、「浄土真宗本願寺派の末寺中、国内随一の大建築」とうたわれた木造本堂など寺域の5分の4を焼失した。戦後、復旧工事で建てられたコンクリート造りの建物の老朽化に伴って近年、書院、本堂などを木造で建て直してきた。
三重塔の建築は、63年完成の納骨堂の建て替えに当たり、本堂の工事も担当した亀山建設(岐阜県関市)が提案した。全国で伝統建築を手がけ、鶴丸城御楼門の復元工事にも関わった亀山直央(なおひさ)社長(51)は、「三重塔建築は当社にとっても初の挑戦で、工法の特許を取った。攝護寺の理解により、職人たちが貴重な経験を積むことができた」と感謝した。
木造建築にこだわってきた前住職の佐々木鴻昭(こうしょう)さん(82)は「音の響き方がコンクリート造りと全く違うし、長く使っていくほどいい風合いが出てくる」と語った。

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