縄文土器、壁一面に 霧島の展示館がリニューアルオープン

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壁一面に並んだ縄文土器=鹿児島県霧島市の上野原縄文の森

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鹿児島県霧島市の上野原縄文の森の展示館が5日、展示内容を新たにしてリニューアルオープンする。見どころは大きな壁一面に並べた縄文時代の土器の数々。1万年前の遺物など最新の研究情報を踏まえた迫力ある展示が楽しめる。

上野原遺跡は縄文時代の集落跡や遺物などが見つかった国指定史跡。発掘調査の成果を紹介している展示館は2002年10月に開館したが、調査や研究が進み最新情報と展示内容がそぐわなくなったケースもあったため、初のリニューアルを実施した。

 上野原遺跡に関しては、集落跡は約9500年前と説明してきたが、今では年代が約1100年さかのぼり約1万600年前のものだと判明したという。

 変更したのは常設展示室で、最大の目玉は「南の縄文文化コーナー」。県内で発掘された縄文土器96点を、幅11メートル、高さ4メートルの壁一面に展示した。左から右に向かって縄文時代を草創期~晩期と時代ごとに区分し、およそ1万3千~3千年前の土器を一堂に紹介。土器のデザインの変遷がわかる内容になっている。

 石器も多数あり、永浜功治事業課長は「より縄文時代に特化した内容に改めた。これだけのボリュームの縄文土器が楽しめるのはここだけだと思う」とPRしている。

考古学ギャラリーも新しくした。奄美など島々の遺跡の出土品を展示したほか、県内遺跡の発掘調査に尽力した元県考古学会長の河口貞徳(さだのり)さん(故人)と調査の様子を伝えるコーナーも新設した。子どもも楽しめるよう、キャラクターと記念撮影ができるコーナーも設けた。

 5日は午前10時から記念セレモニーがあり、終了後、職員が展示解説をする。

体験学習館では5、6日、火おこしタイムトライアルがある。目標時間内に火をおこせた人を「火おこし名人」に認定し、認定バッジを進呈する。1回100円。申し込み不要でだれでも参加できる。悪天候の場合、中止の可能性もある。

 また、企画展示室では5日~12月8日、企画展「新発見!かごしまの遺跡2024~発掘調査速報展~」を開催する。大隅地方で初めて縄文時代晩期の南島系土器が出土した萩ケ峰遺跡(鹿屋市)など最新の成果を紹介する。

 施設入園料は大人320円、小中学生150円など。原則月曜休館。問い合わせは縄文の森(0995・48・5701)。(仙崎信一)

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