松永修一教授(奥)から薩摩狂句の話を聞く都城泉ケ丘高校生=都城市中町
薩摩狂句について語り合う山元哲也さん(左)と松永修一教授=都城市中町
軽妙な鹿児島弁で人間や社会を風刺する薩摩狂句について学ぶ、高校生対象のワークショップが、都城市の未来創造ステーションであった。都城泉ケ丘高校生6人が参加し、郷土文芸の魅力の一端に触れた。
旧薩摩藩領だった都城は、語彙(ごい)の多くが鹿児島と共通し薩摩狂句の愛好者も多かったが、近年は後継者が育っていない。南九州の方言に詳しい十文字学園女子大学(埼玉県新座市)の松永修一教授(61)=鹿児島市出身=が、継承の機会を設けたいとワークショップを企画。出身校の都城泉ケ丘高の生徒に参加を呼びかけた。
ワークショップは9日あり、都城狂句会の山元哲也会長(79)は「薩摩狂句は川柳の派生だが、より批判精神に富んでいる」と魅力を語り、「愛好者は絶滅危惧種に近い。引き継いでくれる人が出てくればうれしい」と語りかけた。
松永教授は、日常に溶け込む方言の事例を紹介。「共通語で表せない感覚や感情も、方言は的確に表せる。方言を使うことは、豊かな人生を送ることにつながる」と指摘した。
同校文芸部長の2年女子は「身近に方言があることを知られてよかった。部でも薩摩狂句に取り組みたい」と語った。松永教授は「今後も作句会など取り組みを継続したい」と話した。
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