安いから軽――そんな選び方は、もう古い。いまや軽自動車は、アウトドア派、子育て世代、通勤特化型など、用途に合わせた“こだわりの相棒”として再定義されている。意外性と多様性が広がる軽自動車の中古車市場。その最新の人気車種ランキングをカウントダウン方式でお届けしよう!
最近の軽自動車市場を見てみると、「とにかく安いから」という理由だけで軽自動車が選ばれる時代は終わったと言えるでしょう。現在では、それぞれの生活スタイルやこだわりに合わせて、軽自動車が選ばれるようになってきています。
たとえば、アウトドアが趣味やライフスタイルとしている人には、スズキ・ジムニーやホンダ・N-VANなどが人気です。本格的なオフロード走行ができたり、荷物をたくさん積めたりと、“遊びの道具”あるいは“遊びの相棒”としての十分な力があります。
一方、日常の送り迎えや買い物で使いたいという人には、ホンダ・N-BOXやダイハツ・タントといった背の高い軽自動車が支持されています。リヤのスライドドアや広い室内は、小さな子どもがいる家庭や年配の方の乗り降りにも便利で、“家族にやさしいクルマ”として受け入れられています。
また、なるべくお金をかけずに通勤や通学で使えるクルマが欲しい人からは、スズキ・アルトやダイハツ・ミライースといったシンプルで燃費の良いモデルが選ばれています。「余計な機能はいらない」という考え方の人にはピッタリの1台でしょう。
こうして見ると、現在の軽自動車には“安くて便利”というだけではない、様々な価値が求められていることがわかります。昔のように「とりあえず軽でいいや」と選ぶ時代ではなく、「自分の使い方にぴったり合う軽を選びたい」という時代になっているのです。
つまり、現在の軽自動車は、それぞれの暮らし方や好みに合わせた多様性が求められており、小さなクルマだからこそ、生活にしっかりと寄り添ってくれる存在になっているのです。現在の中古車市場での軽自動車の人気動向にも、それが反映されていると言えるでしょう。人気車種がひとつの傾向にまとまるわけではなく、ランキングには様々なジャンルのクルマが顔を出しています。
それではカウントダウン方式で、最新の中古軽自動車人気ランキングをご紹介しましょう。
10位 三菱 デリカミニ(B34A/B35A/B37A/B38A型)(2023年~)
新車価格(2025年5月現在):199.65~224.95万円
中古車価格(車両本体価格+諸費用):155~218万円
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SUVライクなデザインを持ち、基本設計はeKクロススペースと同じながら本格派アウトドア志向のユーザーに適した設計がされており、高い走破性を誇ります。全方位カメラや安全装備も充実しています。しかし最低地上高が高めなため乗降性にやや難があり、重量があるぶん燃費も他の軽ハイトワゴンに比べると控えめなものとなっています。意外とランキングが低いように思えますが、これは中古車ではなく新車で買いたいユーザー層の方が多いからのようです。
詳細スペック: G プレミアム リミテッドエディション
全長×全幅×全高(㎜)=2200×1335×1390
ホイールベース(㎜)=2495
エンジン:660cc 直列3気筒DOHC
駆動:FF
最高出力:38kW(52ps)/6400rpm
最大トルク:60Nm(6.1kgm)/3600rpm
使用燃料:無鉛レギュラーガソリン
トランスミッション:CVT
車重(kg):990
燃費:20.9km/L(WLTCモード)
新車価格:199.65円
※2025年6月発売車
9位 ホンダ N-VAN(JJ1/2型)(2018年~)
新車価格(2025年5月現在):139.26~209.22万円
中古車価格(車両本体価格+諸費用):37~253万円
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N-BOXをはじめとするホンダの“N”シリーズの1台で、商用車としての実用性を追求しながら、趣味用途や車中泊にも適した設計がされたバン型車両です。商用貨物車ゆえの荷室の広さや多彩でユニークなシートアレンジが魅力ですが、乗り心地はやや硬く、装備面も商用車寄りであるため、快適性は他の乗用軽自動車と比べると劣る部分がある点は否めません。
詳細スペック: G
全長×全幅×全高(㎜)=3395×1475×1945
ホイールベース(㎜)=2520
エンジン:660cc 直列3気筒DOHC
駆動:FF
最高出力:39kW(53ps)/6800rpm
最大トルク:64Nm(6.5kgm)/4800rpm
使用燃料:無鉛レギュラーガソリン
トランスミッション:6MT
車重(kg):930
燃費:19.8km/L(WLTCモード)
新車価格:139.26円
※2024年4月発売車
8位 スズキ 3代目ラパン(HE33S型)(2015年~) /ラパンLC
新車価格(2025年5月現在):132.88~167.42万円
中古車価格(車両本体価格+諸費用):27~198万円
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アルトをベースに設計された、可愛らしいデザインと高いインテリアの質感が特徴の軽ハッチバックで、特に女性ユーザーを中心に人気が高い1台です。当初はアルト・ラパンと呼ばれていましたが、現在では単にラパンと呼びます。軽自動車の割には内装の質感は良好ですが、基本的な動力性能や走行安定性が控えめなため、性能よりもデザインを重視するユーザー向けの車種であると言えるでしょう。もちろん、高速で飛ばすような使い方ではなく。日常的なゆったりとした使用においては、性能的には何ら不足はありません。
詳細スペック: G
全長×全幅×全高(㎜)=3395×1475×1525
ホイールベース(㎜)=2460
エンジン:660cc 直列3気筒DOHC
駆動:FF
最高出力:38kW(52ps)/6500rpm
最大トルク:60Nm(6.1kgm)/4000rpm
使用燃料:無鉛レギュラーガソリン
トランスミッション:CVT
車重(kg):680
燃費:26.2km/L(WLTCモード)
新車価格:132.88円
※2023年12月発売車
7位 スズキ 3代目エブリイワゴン(DA17V/W系)(2015年~) / 日産 2代目クリッパーリオ/ 三菱 3代目タウンボックス/ マツダ 3代目スクラムワゴン
新車価格(2025年5月現在):183.81~208.34万円
中古車価格(車両本体価格+諸費用):55~235万円
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高い積載能力と広い荷室を持つワンボックスカーで、アウトドアや商用利用に適しており、広い室内を活用して多目的に使用可能な車両です。軽キャンピングカーや車中泊仕様車への改造ベース車としても使用されています。基本的には貨物車で、重心が高くカーブでの安定性には注意が必要です。また、車体の大きさから取り回しに少し手間がかかる点がデメリットとなるかもしれません。
詳細スペック: PZターボ 標準ルーフ
全長×全幅×全高(㎜)=3395×1475×1815
ホイールベース(㎜)=2430
エンジン:660cc 直列3気筒DOHC
駆動:FR
最高出力:47kW(64ps)/6000rpm
最大トルク:95Nm(9.7kgm)/3000rpm
使用燃料:無鉛レギュラーガソリン
トランスミッション:CVT
車重(kg):980
燃費:15.1km/L(WLTCモード)
新車価格:183.81円
※2024年2月発売車
6位 日産 2代目デイズ(B40W(AA1)型)(2019年~)/三菱 4代目eKワゴン
新車価格(2025年5月現在):143.77~215.71万円
中古車価格(車両本体価格+諸費用):46~220万円
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日産と三菱とで共同開発された軽ハイトワゴンで、2代目は日産が主体となって開発されており、三菱の4代目eKワゴンと兄弟車になります。燃費性能や装備が充実しており、基本性能が非常に高いため、通勤やちょっとしたお出かけにも便利で、また安定した走行性能を発揮します。しかし新車価格がやや高めで、他の競合車と比較するとやや割高に感じる部分もあります。そのぶん、中古車市場では掘り出し物を見つけやすいでしょう。また、他の車種にも言えますが、2代目デイズではなく4代目eKワゴンから探すというように、兄弟車をあたってみるのも一手です。
詳細スペック: S
全長×全幅×全高(㎜)=3395×1475×1650
ホイールベース(㎜)=2495
エンジン:660cc 直列3気筒DOHC
駆動:FF
最高出力:38kW(52ps)/6400rpm
最大トルク:60Nm(6.1kgm)/3600rpm
使用燃料:無鉛レギュラーガソリン
トランスミッション:CVT
車重(kg):840
燃費:23.2km/L(WLTCモード)
新車価格:143.77円
※2024年6月発売車
5位 スズキ 4代目ジムニー(JB64型)(2018年~)
新車価格(2025年5月現在):165.44~200.2万円
中古車価格(車両本体価格+諸費用):127~335万円
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言わずと知れた日本が誇る小型SUVで、特にオフロード走行に強い特性を持ち、アウトドア愛好者や冒険好きなユーザーに絶大な人気を誇ります。当然ながら乗り心地は硬めで、日常的な走行には少々不便に感じることがあるでしょう。また燃費性能が他の軽自動車に比べると劣るため、日常生活での使い勝手やファミリーでの使用など二の次で、あくまでアウトドアや悪路走行を重視するマニアックな方に向いているクルマと言えます。とは言えやはり人気は高く、いまだにプレミア価格の車両も存在しますので、気に入った1台に巡り合うためには、多くの車両を見て回ることが必要となるでしょう。
詳細スペック: XG
全長×全幅×全高(㎜)=3395×1475×1725
ホイールベース(㎜)=2250
エンジン:660cc 直列3気筒DOHC
駆動:4WD
最高出力:47kW(64ps)/6000rpm
最大トルク:96Nm(9.8kgm)/3500rpm
使用燃料:無鉛レギュラーガソリン
トランスミッション:5MT
車重(kg):1040
燃費:16.6km/L(WLTCモード)
新車価格:165.44円
※2024年4月発売車
4位 日産 3代目ルークス(B40系)(2020年~)/三菱 2代目eKスペース/三菱 eKクロススペース
新車価格(2025年5月現在):163.79~239.91万円
中古車価格(車両本体価格+諸費用):64~275万円
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広い室内空間と先進的な安全装備が魅力のスーパーハイトワゴンで、家族連れに最適な車種と言えます。先進装備が豊富に用意されているぶん、新車では価格が他の軽自動車に比べて高めで、車両本体の価格以外のランニングコストなどがやや高くなる可能性がある点が留意点とされていますが、中古車市場では価格に対する装備の充実度が「お得」と判断されているようです。
詳細スペック: S
全長×全幅×全高(㎜)=3395×1475×1780
ホイールベース(㎜)=2495
エンジン:660cc 直列3気筒DOHC+モーター
駆動:FF
最高出力:38kW(52ps)/6400rpm
最大トルク:60Nm(6.1kgm)/3600rpm
使用燃料:無鉛レギュラーガソリン
トランスミッション:CVT
車重(kg):950
燃費:20.9km/L(WLTCモード)
新車価格:163.79円
※2024年6月発売車
3位 スズキ 6代目ワゴンR(MH35S/55S/85S/95S型) (2017年~)/ マツダ 2代目フレア
新車価格(2025年5月現在):129.47~141.79万円
中古車価格(車両本体価格+諸費用):28~183万円
長年愛され続けている軽トールワゴンの元祖で、広い室内空間と高い燃費性能を特徴とし、日常的な移動から長距離ドライブまでこなせる高い実用性を誇っています。その安定した人気と信頼性は他の軽自動車に決して引けを取りません。しかしデザインがいささか保守的なため、若干地味に感じられて敬遠されることもあるようです。とは言え、“日常生活の道具”としては依然として高い人気を誇っており、中古車市場では「お買い得の1台」として人気が高いようです。
詳細スペック: FX
全長×全幅×全高(㎜)=3395×1475×1650
ホイールベース(㎜)=2460
エンジン:660cc 直列3気筒DOHC
駆動:FF
最高出力:36kW(49ps)/6500rpm
最大トルク:58Nm(5.9kgm)/5000rpm
使用燃料:無鉛レギュラーガソリン
トランスミッション:5MT
車重(kg):730
燃費:24.8km/L(WLTCモード)
新車価格:129.47円
※2023年11月発売車
2位 スズキ 2代目ハスラー(MR52S/MR92S型)(2020年~) / マツダ 2代目フレアクロスオーバー
新車価格(2025年5月現在):151.8~197.23万円
中古車価格(車両本体価格+諸費用):79~254万円
SUVテイストのデザインが特徴で、走行性能が高く、アウトドア志向のユーザーや街乗りでも活躍する多用途な軽自動車です。車高が高く風の影響を受けやすい点はありますが、デザイン性と走行性能のバランスが良好で、非常に人気があります。また、ハスラータフワイルドという、その名の通り、よりSUV的な方向に振ったデザイン・バリエーション車もあるので、好みに合わせてチョイスできるのも魅力です。愛嬌を感じさせるマンガ的とも言えるデザインは、実際にマンガやアニメに登場していることもあり、いまだ人気は衰えていないようです。
詳細スペック: ハイブリッドG
全長×全幅×全高(㎜)=3395×1475×1680
ホイールベース(㎜)=2460
エンジン:660cc 直列3気筒DOHC+モーター
駆動:FF
最高出力:36kW(49ps)/6500rpm
最大トルク:58Nm(5.9kgm)/5000rpm
使用燃料:無鉛レギュラーガソリン
トランスミッション:CVT
車重(kg):820
燃費:25.0km/L(WLTCモード)
新車価格:151.8円
※2024年5月発売車
1位 スズキ 3代目スペーシア(MK54S/94S型)(2023年~) / マツダ 4代目フレアワゴン
新車価格(2025年5月現在):153.01~189.09万円
中古車価格(車両本体価格+諸費用):120~237万円
広い室内空間と高い燃費性能が魅力のスーパーハイトワゴンで、特に家族連れや長距離移動に最適な車でしょう。荷室の広さや使い勝手の良さから高い評価を受けていますが、車高が高いため風の影響を受けやすいというデメリットもあります。また、スペーシア カスタムという、より加飾性に富んだデザインのバリエーション・モデルもあります。いささか意外な結果ですが、さる中古車店の店長いわく、見た目から想像できる積載能力の高さやハイブリッド車という燃費の良さそうなイメージが、中古車としてのコスパ=お値打ち感として販売の現場で有利に働いているのではないかと考えられるとのことでした。
詳細スペック: ハイブリッドG
全長×全幅×全高(㎜)=3395×1475×1785
ホイールベース(㎜)=2460
エンジン:660cc 直列3気筒DOHC+モーター
駆動:FF
最高出力:36kW(49ps)/6500rpm
最大トルク:58Nm(5.9kgm)/5000rpm
使用燃料:無鉛レギュラーガソリン
トランスミッション:CVT
車重(kg):850
燃費:25.1km/L(WLTCモード)
新車価格:153.01円
※2023年11月発売車
今回のランキングは弊メディアが独自に行なっている『モーターファン・ユーザーアンケート』などと中古車市場における独自の動向調査をもとに構成したものです。また、型式認証不正該当車種のうち、過去に遡っての対策が確認されていない車種はランキングから除外しています。
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