「フロンクス/ヤリスクロス」コンパクトSUV比較ともに都会的なスタイルだがグレード構成に差

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右上がトヨタ「ヤリスクロス」、左下がスズキ「フロンクス」。ともにコンパクトSUVに属するモデルだ(写真:トヨタ自動車/スズキ)

激戦のコンパクトSUV市場へ、スズキが2024年10月16日から新規投入した「フロンクス」。インドでの生産・販売をはじめ、中南米、中近東、アフリカなどでも展開する世界戦略車の国内仕様車だが、日本で強力なライバルとなりそうな1台がトヨタの「ヤリスクロス」だ。

幅広い層が運転しやすい車格や走行性能、充実の先進安全装備などにより、2020年の発売以来、好調な売れ行きのヤリスクロス。2024年6月には認証不正問題により出荷停止となっていたが、現在は販売や生産を再開。コンパクトSUVシーンを牽引する代表格の1台が復活したことで、新型フロンクスとどのようなシェア争いを繰り広げるのかが注目だ。

そこで、ここでは、改めて両モデルを比較してみることで、それぞれの優位性や、どのようなユーザーに最適なのかなどを検証し、商品力の違いなどを浮き彫りにしてみる。

スズキ「フロンクス」の概要

フロンクスは、「扱いやすいクーペスタイルSUV」をコンセプトとするスズキの世界戦略車だ。流麗なクーペスタイルを採用したエクステリアは、存在感のあるフロントマスクやダブルフェンダーなどで力強さも演出する。とくに顔付きは、灯火系のデザインが印象的だ。ボンネットすぐ下左右、一般的にヘッドライトが収まる場所には、シャープな形状のLEDデイタイムランニングランプを装備。ヘッドランプは、その下のバンパー部左右にハイ/ロービームの2段式を採用し、個性的でインパクト感のある雰囲気を醸し出す。また、インテリアは、ブラック×ボルドーの配色と高輝度シルバー塗装の加飾などにより、高級感とスポーティさを両立。都会志向のSUVモデルらしい上質さと力強さを併せ持つ。

パワートレインは、発進時などにエンジンのパワーを電動モーターがアシストするマイルドハイブリッドシステムを採用した1.5Lエンジンとなる。トランスミッションは6速AT(オートマチック・トランスミッション)で、駆動方式は2WD(FF)と4WDを設定。価格(税込み)は2WDが254万1000円、4WDが273万9000円だ。

トヨタ「ヤリスクロス」の概要

ヤリスクロスのリアビュー

ヤリスクロスのリアビュー(写真:トヨタ自動車)

対するヤリスクロスは、コンパクトハッチバック車「ヤリス」のSUV版だ。外観には、ヤリスが持つ凝縮感を継承しつつ、フロントビューや前後フェンダーなどに立体感を出すなどで、よりSUVらしさや精悍なイメージを強調する。また、2024年1月の一部改良により、アッパーグリルのパターンを変更し、より力強さを加味した顔付きを実現。インテリアでは、運転席と助手席の間にフロントソフトアームレストを追加するなどのアップデートを行い、より快適性や利便性を向上している。

パワートレインには、1.5Lガソリン車と、そのエンジンに走行用モーターを組み合わせたシリーズ・パラレル式のハイブリッド車を用意する。グレード展開は、ガソリン車とハイブリッド車の両方に、エントリーモデルの「X」、中級モデルの「G」、上位モデルの「Z」を設定。ルーフレールなどでアウトドア感をアップした「Zアドベンチャー(Z“Adventure”)」、スポーティな内外装を備える「GRスポーツ」に加え、トヨタが展開するサブスクリプションサービス「キント(KINTO)」専用の「U」グレードも設定。2WD(FF)のみのGRスポーツ以外は、全タイプに2WD(FF)と4WDを用意することで、さまざまなニーズに対応する。

価格(税込み)は、ガソリン車で190万7000円~278万2000円、ハイブリッド車は229万5000円~315万6000円だ。

なお、両モデルのボディサイズは、ヤリスクロスが全長4180~4200mm×全幅1765mm×全高1580~1590mm。一方のフロンクスが全長3995mm×全幅1765mm×全高1550mm。全幅は両モデル同じだが、全長や全高ではヤリスクロスがやや上まわり、全体のサイズ感は少し大柄な印象だ。そのぶん最小回転半径は、ヤリスクロスの5.3mに対し、フロンクスは4.8m。細い路地やUターン時などで、より取りまわしが楽なのは、フロンクスのほうであることがうかがえる。

室内や荷室の広さや使い勝手を比較

フロンクスの室内全景

フロンクスの室内全景(写真:スズキ)

ヤリスクロスの室内全景

ヤリスクロスの室内全景(写真:トヨタ自動車)

一方のインテリア。室内サイズは、フロンクスが長さ1975mm×幅1425mm×高さ1200mm。対するヤリスクロスは、長さ1845mm×幅1430mm×高さ1205mm。とくに、フロンクスは長さにかなり余裕があることがわかる。その効果からか、セカンドシートの足元スペースはフロンクスのほうが広く、コンパクトSUVの中でもトップクラスといえるほどで、長距離の移動でも後席の乗員が疲れにくいことが予想できる。

対するヤリスクロスは、前席に背の高い大人が乗り、シートを後方へスライドさせてしまうと、後席乗員は足を入れづらくなり、かなり窮屈となる。一応5人乗りだが、大人で長距離移動であれば4人乗車が現実的かもしれない。

フロンクスの西図サイズ

フロンクスの荷室サイズ(写真:スズキ)

ヤリスクロスの荷室サイズ

ヤリスクロスの荷室サイズ(写真:トヨタ自動車)

ただし、荷室の積載量などについては、ヤリスクロスのほうが上だ。ガソリン2WD車で、荷室を分割できるデッキボードをはずした状態の荷室容量で390Lを確保する。対するフロンクスの荷室は210L。荷室の2分割などができる「ラゲッジボード」を取り除けば290Lまで拡張できるが、それでもヤリスクロスほどの容量はない。

なお、ヤリスクロスのセカンドシートは、エントリーグレードのXやキント専用のUは6:4分割可倒式。より上級の3グレードには、4:2:4分割可倒式を採用する。中央にあるリアセンターアームレストのみを前に倒せば、4人乗りのままで、スキーの板など長尺物の積載もできることが特徴だ。対するフロンクスのセカンドシートは6:4分割式。シートアレンジの豊富さという点では、ヤリスクロスのGやZ、Zアドベンチャー、GRスポーツといった4:2:4分割可倒式リアシートを採用するグレードのほうが上だ。

さらに、ヤリスクロスの荷室にある前述のデッキボードは、「6:4分割アジャスタブルデッキボード」というタイプで、載せる荷物に応じて荷室床面の高さを2段階に調節できる。フロンクスにも、ラゲッジボードという名称のボードはあり、荷室の分割などは可能。ただし、ヤリスクロスのボードは、左右6:4分割もできるため、片側に背の高い荷物、もう片側は背の低い荷物を積載できるなど、デッキアレンジがより豊富な点も魅力だ。

ほかにもヤリスクロスでは、XやGを除くグレードに「ハンズフリーパワーバックドア」もオプション設定する。スマートキーを携帯していれば、リヤバンパーの下に足を出し入れするだけで、バックドアが自動開閉する機能だ。両手に荷物を持っているなど手が塞がっている際に、荷室へ簡単にアクセスできる。フロンクスには、こうした装備はないため、荷室関連の利便性の高さという点では、ヤリスクロスのほうに軍配が上がるといえよう。

ハイブリッド機構と燃費について

フロンクスに搭載されているK15Cエンジン

フロンクスに搭載されているK15Cエンジン(写真:スズキ)

フロンクスとヤリスクロスは、いずれも1.5Lエンジンを搭載するが、フロンクスはマイルドハイブリッド車のみを設定。NA(自然吸気)エンジン車とハイブリッド車の両方を用意するヤリスクロスのほうが選択肢は広い。

しかも、ヤリスクロスのハイブリッド車は、燃費性能も極めて高い。これは、プリウスなどでも実績のあるシリーズ・パラレルハイブリッド方式を採用するためだろう。このシステムは、発進時や低速走行時などはエンジンを停止して電気モーターのみで走行(EV走行)、車速が上がり通常走行する際は主にエンジンを使用する。また、急加速時などアクセルを強く踏み込んだときや高速道路の走行時は、モーターの動力が必要に応じてエンジンをアシストする仕組みだ。

対するフロンクスが採用するマイルドハイブリッドは、発進時や加速時など、より限定的状況下で電動モーターがエンジンをアシストするシステムだ。電動モーターが、より広範囲で活躍することもあり、ヤリスクロスのハイブリッド車は、燃費性能がWLTCモード値で2WD(FF)25.0~30.8km/L、電気式4WD機構のE-Four搭載車でも26.0~28.7km/Lを実現。対するフロンクスは、WLTCモード値で2WDが19.0km/L、4WDが17.8km/L。

燃費性能的に、ヤリスクロスのハイブリッド車はかなりの優位性を持つといえる。なお、ヤリスクロスのNAエンジン車の場合、燃費性能はWLTCモード値2WD17.6~19.8km/L、4WD17.1~18.4km/L。こちらもフロンクスとさほど差がなく、ヤリスクロスは全タイプで高い燃費性能を誇っているといえるだろう。

フロンクスとヤリスクロスの走行性能について

ヤリスクロスに採用されているコンパクトカー向けTNGAプラットフォーム(GA-B)

ヤリスクロスに採用されているコンパクトカー向けTNGAプラットフォーム(GA-B)(写真:トヨタ自動車)

走行性能について比較していく。フロンクスの1460cc・直列4気筒エンジンは、2WD車で最高出力74kW(101PS)/6000rpm、最大トルク135N・m(13.8kgf・m)/4400rpm。4WD車は最高出力73kW(99PS)/6000rpm、最大トルク134N・m(13.7kgf・m)/4400rpm。また、マイルドハイブリッド用の電動モーターは、最高出力2.3kW(3.1PS)/800~1500rpm、最大トルク60N・m(6.1kgf・m)/100rpmを発揮する。

一方、ヤリスクロスの1490cc・直列3気筒エンジンは、ガソリン車の場合で、最高出力88kW(120PS)/6600rpm、最大トルク145N・m(14.8kgf・m)/4800~5200rpmと、フロンクスのスペックを上まわる。一方、ハイブリッド車は、ガソリン車と同じエンジンながら、最高出力67kW(91PS)/5500rpm、最大トルク120N・m(12.2kgf-m)/3800~4800rpmとやや抑え気味。

ただし、これに走行用モーターの駆動力が加わるため、よりスムーズな走りを味わえる。なお、走行用モーターのスペックは、フロントモーターが最高出力59kW(80PS)、最大トルク141N・m(14.4kgf-m)。E-Four車に搭載するリアモーターは最高出力3.9kW(5.3PS)、最大トルク52N・m(5.3kgf-m)だ。

フロンクスのパドリシフト

フロンクスのパドリシフト(写真:スズキ)

ちなみにフロンクスは、トランスミッションにスポーツカーなどにも採用される有段ギア仕様の6速AT(オートマチック・トランスミッション)を採用。MT(マニュアル・トランスミッション)車感覚でギアを任意に変速できるパドルシフトや、リニアなアクセルレスポンスを実現するスポーツモードなどと相まって、スポーティな走りを楽しむことも可能だ。

対するヤリスクロスは、トランスミッションに無段変速オートマチックのCVTを採用。ほぼショックのないスムーズな変速フィールとなる。やや変速ショックを感じることで、逆にスポーツカー的な乗り味を楽しめるのは6速ATを持つフロンクスのほうだろう。

ヤリスクロスGRスポーツの走行イメージ

ヤリスクロスGRスポーツの走行イメージ(写真:トヨタ自動車)

ただし、ヤリスクロスも、ガソリン車のGRスポーツにはパドルシフトを採用。また、トランスミッションには、発進用ギアを追加した「Direct Shift-CVT」を採用するため、低速から高速域まで力強くダイレクトな走りを味わえる。加えて、専用サスペンションなどで車体まわりも強化しているから、こちらもスポーツカー的な特性を味わえることが魅力だ。

なお、サスペンションに関しては、フロンクスも、スポーティな専用チューニングを施しているそうで、コーナリングなどでは高い安定性を実現する。そう考えると、昔からのスポーツカー好きなどには、フロンクスとヤリスクロスのGRスポーツは、かなり競合するモデルになるかもしれない。

4WDシステムについて

ヤリスクロスの4WD走行イメージ

ヤリスクロスの4WD走行イメージ(写真:トヨタ自動車)

加えて、両モデルでは、4WDの性能が充実しているのも特徴だ。まず、フロンクスの4WD車では、路面状況に応じて選択できる走行モードを用意する。雪道での発進などに対応する「スノーモード」、滑りやすい路面でのスリップを防止する「グリップコントロール」、急な下り坂で加速を抑制する「ヒルディセントコントロール」の3モードだ。これらにより、幅広い路面状況や走行シーンで、つねに高い安定性や安心感を提供する。

対するヤリスクロスでは、ガソリン4WD車に、路面に合わせて前輪駆動に近い状態と4輪駆動状態を自動的に電子制御する「ダイナミックトルクコントロール4WD」を採用。また、路面状況に応じ、「MUD&SAND(マッド&サンド)」「NORMAL(ノーマル)」「ROCK&DIRT(ロック&ダート)」といった3つの走行モードを選択できる「マルチテレインセレクト」も用意する。

さらにハイブリッドの4WD車では、電気式4WD機構のE-Fourを搭載する。定常走行では前輪駆動で燃費を高め、雪道など滑りやすい路面や発進時などには、スムーズに4WD状態へ切り替えることで、さまざまな路面状況に対応。加えて、悪路でタイヤが空転するなどスタックした際に、スムーズな脱出をアシストする「TRAIL(トレイル)モード」も設定する。ほかにも、ガソリン車とハイブリッド車両方の4WD車には、雪路の安定走行をサポートする「SNOW(スノー)モード」なども用意し、多様な路面や天候状況などに応じた走りを実現している。

先進安全装備について

スズキ セーフティ サポートの概要

スズキ セーフティ サポートの概要(写真:スズキ)

先進安全装備では、フロンクスが「スズキ セーフティ サポート」、ヤリスクロスが「トヨタ セーフティ センス」を採用。いずれも衝突被害軽減ブレーキやペダル踏み間違い時加速抑制機能、車線逸脱防止支援など、豊富な機能が満載だ。

また、高速道路などで設定速度や車間距離を保ちながら前車を自動で追従する「ACC(アダプティブ・クルーズコントロール)」も両モデル共に装備。いずれも渋滞時に前車が停止すると自車も自動停止する全車速追従機能付きだ。加えて、スイッチ操作でパーキングブレーキをオン/オフできる「電動パーキングブレーキ」、停車時にブレーキペダルを踏み続けなくても停止状態を保持する「オートブレーキホールド」など、利便性の高い装備も互角だ。

ただし、ヤリスクロスのハイブリッド車には、フロンクスにはない装備もある。それは、まず、Xを除くグレードにオプション設定するトヨタ チームメイト「アドバンスト パーク」。これは、駐車時のアシスト機能で、スイッチを押すだけで、車両がステアリングやアクセル、ブレーキの操作をアシストし、ほぼ自動で駐車スペースへ入庫できることが特徴だ。とくに、せまいスペースや並列駐車などが苦手なドライバーにはありがたいといえる。

また、ヤリスクロスのハイブリッド車では、「プロアクティブドライビングアシスト(PDA)」も標準装備。これは、運転の状況に応じたリスクの先読みを行うことで、危険に近づきすぎないよう運転操作をサポートするシステムだ。歩行者や自転車、駐車車両に近づきすぎないようにステアリングやブレーキ操作をサポートするほか、先行車や隣接車の割り込みを検出したとき、ドライバーのアクセルオフに応じて、車間距離が近づきすぎないように緩やかに減速するなどの機能を持つ。

このように、先進安全装備について、より機能が充実し、利便性に富むという面では、ヤリスクロスにやや優位性があるようだ。ただし、フロンクスも、たとえば、駐車時に自車を空から見たような映像などをセンターモニターへ映し出せる「全方位モニター」、速度や燃費など、運転に役立つ情報を運転席の前方へ映し出す「ヘッドアップディスプレイ」などを標準装備。もちろん、ヤリスクロスにも同様の機能があるが、このクラスのモデルが持つ機能としてはより最新だといえる。それらを考慮すると、先進安全装備に関し、フロンクスとヤリスクロスとの差は、さほど大きくないことがうかがえる。

ヤリスクロスの優位点は?

ヤリスクロスZアドベンチャーのスタイリング

ヤリスクロスZアドベンチャーのスタイリング(写真:トヨタ自動車)

こうして両モデルを比較してみると、ヤリスクロスは、とくに先進の安全装備や利便性の高い機能などが、より充実しているといえる。ただし、そうした優位点は、主にハイブリッド車を選んだ際に恩恵を受ける場合も多い。ヤリスクロスのガソリン車では、オプション設定だったり、そもそも設定がない機能だったりなども多いからだ。また、ヤリスクロスのハイブリッド車であれば、燃費がかなり良好。リセールバリューがいい点なども考慮すると、選択するユーザーはガソリン車より多いのは確かだろう。

では、一般的に、ハイブリッド車は高い傾向にあるが、価格面ではどうだろう。ヤリスクロスのハイブリッド車の場合、価格(税込み)は2WDで229万5000円~295万4000円、4WDで252万6000円~315万6000円だ。対して、フロンクスの価格帯(税込み)は、2WDが254万1000円、4WDは273万9000円。こうして比較してみると、価格帯は非常に近いことがわかる。

商品力は拮抗、しかしながら明らかな差もある

フロンクスのフロントフェイス

フロンクスのフロントフェイス(写真:スズキ)

そうなると、あとは、それぞれのスタイルやどんな装備を重視するかが選ぶポイントになりそうだ。とくに、ヤリスクロスにはアウトドア派向けグレードのZアドベンチャーがあるため、オフロード嗜好のユーザーには最適だろう。対するフロンクスは、ワングレード展開で、アウトドア向けタイプはない。あくまで都会的な雰囲気を好むユーザー向きとなりそうだ。ただし、後席の広い足元スペースなど、余裕ある室内を重視するなら、フロンクスのほうが上だといえる。

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ほかにもフロンクスは、スポーティな走りが好きなユーザーであれば、ヤリスクロスのGRスポーツと競合しそうだ。2WDのみとなるこのグレードは、性能面は前述の通り。また、価格(税込み)でもガソリン車257万1000円、ハイブリッド車295万4000円。ガソリン車であれば、フロンクスの2WD(254万1000円)と非常に近く、十分に比較対象となることが予想できる。

以上の比較から検証すると、あくまで私見だが、フロンクスとヤリスクロスは、商品力の面ではほぼ互角ではないかと思う。あとは、スズキのディーラーなど販売セクションが、ディーラー数やブランド力に勝るトヨタの営業力にどう対抗できるかだ。いずれにしろ、熾烈なシェア争いが続くコンパクトSUV市場で、新規参入のフロンクスがどのような存在感を示すのか、これからも注視したい。

平塚 直樹 ライター&エディター

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