大勢が見守る中、流鏑馬を披露する中学生=20日、肝付町の四十九所神社前
約900年の歴史がある高山流鏑馬(やぶさめ)が20日、鹿児島県肝付町新富の四十九所神社に奉納された。射手の高山中学校2年武田創(はじめ)さんが神馬の「はやて号」と息を合わせて駆け、末広がりで縁起が良いとされる9本中8本の矢を的中させた。うち4本は的の中心の竹に当たる「こもり矢」だった。
五穀豊穣(ほうじょう)を祈る神事で、県指定の無形民俗文化財。武田さんは色鮮やかなあやい笠(がさ)をかぶり、紫色の狩衣(かりぎぬ)に身を包んで疾走した。約330メートルの馬場の沿道を埋め尽くした県内外からの観客は、駆ける馬を息をのんで見守り、矢が的に当たると拍手や歓声を上げた。
「こもり矢」が4本あったことが分かると、観客からは「すごい命中率」と驚きの声が上がった。武田さんは「しっかり当てられて良かった。たくさんの人に支えてもらって感謝している」と語った。父裕史さん(46)は「昨日は自分も緊張で眠れなかった。自慢の息子だ」と笑顔がこぼれた。
霧島市から家族らと訪れた天降川小学校4年の岡元大樹さんは「あんなに速いスピードで走るなんてすごい」と目を輝かせた。
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