(※写真はイメージです/PIXTA)
物価上昇が続くなか、以前より家計に余裕がなくなったと感じる人もいるでしょう。日々の支出を抑えていても、家賃などの固定費に加えて予定外の出費が重なれば、貯蓄に回すお金を確保するのは難しくなります。
「あと4日だから何とかなる」給料日前に削るのは食費
「給料日前は、1日2食にすることがあります。朝を食べずに会社へ行って、昼と夜だけですね」
そう話すのは、会社員の拓海さん(仮名・28歳)です。
大学卒業後に就職し、現在は勤続6年目。毎月の手取りは残業代によって多少変わりますが、おおむね23万円前後です。賞与は年2回。
都市部の会社へ電車で通勤し、家賃7万8,000円の1Kで一人暮らしをしています。
「別に毎日ぜいたくしているつもりはないんです。でも、月末になると口座にほとんど残っていない」
ある月の支出は、家賃7万8,000円、奨学金の返済1万5,000円、光熱費約1万2,000円、スマートフォンと自宅の通信費約8,000円。さらに食費や日用品、交際費などが続きます。
昼食はコンビニや会社近くの店で済ませることが多く、1回700~800円程度。夕食も残業した日は弁当を買います。
以前は「食費くらいなら大したことはない」と考えていました。しかし、スーパーで数日分の食品を買えば3,000円を超え、外で定食を食べれば1,000円前後かかります。
総務省『2025年平均消費者物価指数』によると、食料は前年比6.8%上昇しました。なかでも穀類は21.9%上昇しています。日々繰り返す食事だからこそ、価格上昇は毎月の家計に積み重なります。
拓海さんが食事の回数を減らすのは、毎月ではありません。
友人の結婚式があった月、歯科で治療を受けた月、仕事用の革靴を買い替えた月。数万円の臨時支出があると、給料日前に使えるお金が足りなくなります。
「家賃は減らせないし、奨学金も払わないといけない。スマホを止めるわけにもいかない。そうすると、最後に調整できるのが食費なんですよね」
給料日まで残り4日。財布に3,000円ほどしかなければ、朝食を抜き、昼食もおにぎりなどで済ませます。
「あと4日だから何とかなる、と思ってやっています」
一方で、拓海さんが気にしているのは、月末の食事以上に貯金でした。社会人6年目ですが、現在の預貯金は約35万円です。
「月1万円なら貯められると思っていた」家計簿で分かったこと
「働き始めたころは、少なくとも毎月1万円くらいは貯められると思っていました」
しかし、実際には思うように増えませんでした。賞与が入れば10万円ほど貯金するものの、賃貸住宅の更新、帰省、家電の買い替えなどがあると取り崩します。
「ボーナスで増えて、何かあると減る。その繰り返しです」
そこで拓海さんは、3ヵ月だけ家計簿をつけてみることにしました。
総務省『家計調査』の2025年平均では、34歳以下の単身世帯の消費支出は月17万7,542円。内訳は食料4万1,992円、住居3万5,060円、交通・通信2万640円などとなっています。
記録してみると、拓海さんにも削れそうな支出はありました。
残業後に何となく寄っていたコンビニ。使っていない動画配信サービス。休日に頼むデリバリー。
「一つ一つは1,000円とか2,000円なんですよ。でも全部合わせると結構ありました」
動画配信サービスを一つ解約し、平日の昼食は週2~3回、弁当を持参。デリバリーも減らしました。
それでも、毎月数万円を安定して貯められるほどの余裕が生まれたわけではありません。そのため、「月3万円を貯める」といった目標は立てず、給料日に5,000円を別口座へ移すことから始めています。
「5,000円なら少ないと思っていたけど、ゼロよりはいいかなって。まず、給料日前に食事を減らさなくて済む状態にしたいです」
働いて一定の収入を得ていても、住んでいる地域や家賃、返済負担などによって自由に使える金額は変わります。また、日々の節約だけでは吸収しにくい固定費もあります。食事など必要な支出を極端に削る前に、毎月必ず出ていくお金と変えられる支出を分け、まず家計全体を把握することが、継続できる収支を考える出発点になります。


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