「宮ちゃん」ようこそ南薩へ 福井生まれのコウノトリ、鹿児島へ飛来

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薩摩半島の田んぼに降り立ったコウノトリ=2024年11月5日午後1時14分、鹿児島県南さつま市加世田益山、小園卓馬さん撮影

 国の特別天然記念物コウノトリが1羽、鹿児島県南さつま市加世田益山の田んぼに飛来しているのを、日本野鳥の会かごしま県支部の小園卓馬さん(70)が見つけた。足環(あしわ)の番号から、今年6月に福井県小浜市で巣立ったメスの個体とわかった。

 飛来した田んぼはマナヅルなども飛来することがあり、小園さんが毎朝見回っている。最初に見つけたのは5日午前8時ごろ。体の大きさや黒いくちばしなどから、すぐにコウノトリとわかったという。野生復帰に取り組む兵庫県立コウノトリの郷公園に、足環の番号「J0701」と目撃情報を報告したという。

 小園さんによると、南さつま市内には2010年秋から5年連続でコウノトリが飛来し、越冬を終えた個体が16年春まで滞在していたという。「久しぶりに来てくれた。ここで越冬するのか、移動するのか」

 福井県小浜市によると、「J0701」の個体は同市国富地区にある人工巣塔で今春誕生した4羽のヒナのうちの1羽で、6月9日朝に巣立った。地元の小浜美郷小学校が校区内の地名から一文字とって「宮ちゃん」という愛称をつけていた。市環境衛生課の担当者は「各地から目撃情報が寄せられるが、鹿児島からは初めて。そんな遠くまでよく元気に飛んでくれたなという感じ。うれしい」と話した。(安田朋起)

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