発達障害・精神疾患がある子の親は要チェック…「自治体独自の手当」をもらえる可能性があることを知っていますか?

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「手当」と聞いて誰もが真っ先に思い浮かべるのは、きっと「児童手当」だろう。2024年10月に所得制限の撤廃や対象年齢の拡大など、改正が行われたのは周知のとおりだ。

児童手当は障害(ここでは精神疾患・発達障害)がある子も対象となるが、障害の当事者はそれ以外にも、さらに多くの手当を受給できる可能性がある。しかも国の手当だけでなく、「自治体独自の手当」まで受けられるかもしれない。そのことを、どれだけの人が知っているだろうか。

青木聖久氏(日本福祉大学教授)の新刊『発達障害・精神疾患がある子とその家族が もらえるお金・減らせる支出』より、詳しい情報を抜粋してお届けしよう。

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前編〈大学3年で「閉じこもり」に…精神疾患を発症した息子が支えてくれる母親に告げた「奇跡の一言」〉より続く。

特別児童扶養手当、児童扶養手当とは?

子どもを育てている人(一般には「親」、法律では「養育者」「監護者」などとも呼ばれます)に支給される手当は2つあります。そのうち、障害がある子の親などに支給されるのが「特別児童扶養手当」です。

特別児童扶養手当は1級と2級で支給額が異なります。障害の程度はおおきく「重度」「中度」「軽度」にわけられますが、特別児童扶養手当の1級はおおむね重度に、2級は中度に該当します。

障害の程度が変わる可能性がある場合は、自治体により異なりますが、2年後を原則として再認定が行われる場合もあります。

いっぽう「児童扶養手当」は障害の有無にかかわらず支給され、対象となるのは、いわゆる「ひとり親家庭」などの特有の事情を抱えた家族に限られています。

なお、どちらの手当も遡及(そきゅう=申請前のぶんをさかのぼって支給すること)はありません。

障害児福祉手当、特別障害者手当とは?

障害がある本人がもらえる手当には、「児童手当」「障害児福祉手当」「特別障害者手当」の3つがあります「児童手当」「障害児福祉手当」は、名称こそ「児童」となっているものの、実際には、その子を養育している親などが受け取る手当になります。

このうち「児童手当」が2024年に制度改正されたのは前編記事で述べた通りです。より多くの人に支援が行きわたることが期待されます。

20歳以上で障害がある本人に支給されるのが「特別障害者手当」です。在宅で生活する本人のみを対象とした制度で、施設に入所しているときや病院などに3ヵ月を超えて入院しているときには支給されません。

なお、いずれの手当も遡及はありません。

自治体の手当にはどんなものがある?

ここまでで紹介してきたのは、国が支給している手当でしたが、ほかに、各都道府県、政令指定都市や市区町村が独自に支給している手当があります。たとえば下のようなものです。

現在は終了してしまいましたが、明石市(兵庫県)が15歳~18歳の子どもに独自の児童手当を支給し話題になったことがあります(「明石市高校生世代への児童手当」、所得制限なし、月額5000円)。制度の実施主体の点から見ると、こういったものも自治体独自の制度に分類できます。

自治体独自の手当は、制度の内容、名称、支給要件から支給額まで多種多様です。ほかの手当との併給についても独自のルールが設けられています。居住している自治体が実施している手当について情報を得るには、役所の担当課に問い合わせる必要があります。

ご興味のある方はまずインターネットで下調べをしてから、役所に電話で尋ねてみることをおすすめします。また、私の新刊『発達障害・精神疾患がある子とその家族が もらえるお金・減らせる支出』のなかで自治体独自の手当の例を一覧表にして掲載しているので、そちらも役立てていただければ幸いです。

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