日本人の3人に1人が脂肪肝!? やってはいけないお酒の飲み方5選。死に直結する4つの飲酒法もチェック

できるだけ身体にいいものを食べた方がいいとわかっていても、多忙なビジネスパーソンは日々の献立を考えるのも一苦労。手間をかけずに健康的な食事をしたいならば、“最新の研究に基づいた本当に身体いい食事術” を学ぶのが手っ取り早い。医学的に正しい最高の食事とは? YouTubeチャンネル登録者数約170万人を誇り、これまでに1万冊以上もの書籍を読破してきたという著者がおくる『結局、何を食べればいいのか?』から、一部を抜粋・再編集して紹介する。

imagechristin-hume / unsplash ※写真はイメージ

見た目がスマートでも肝臓が元気とは限らない

肝臓の健康を維持するには、中性脂肪を溜めないこと、そして溜まった中性脂肪を効果的に落とすことが大切です。しかし、日本人の3人に1人――約4000万人が脂肪肝だといわれています。脂肪肝とは、肝臓に脂肪が過剰に蓄積した状態で、放置すると、肝硬変や肝臓がんなどの重篤な疾患に発展する危険性があります。

脂肪肝の主な原因は、糖質や脂質の過剰摂取です。体内で余ったエネルギーは中性脂肪に変換され、皮下脂肪や内臓脂肪として蓄積されます。

特に注意したいのが、皮下脂肪や内臓脂肪に収まりきらなかった脂肪が、本来蓄積されるべきでない肝臓や筋肉などに溜まる「異所性脂肪」です。異所性脂肪は見た目では判断できないため、お腹まわりが細く、痩せている人でも蓄積されていることがあります。

また、日本人は、欧米人に比べて皮下脂肪がつきにくく、内臓脂肪や異所性脂肪が蓄積されやすい体質とされています。加えて、加齢とともにその傾向が強くなるため、中高年は特に要注意。どんなに見た目がスマートでも、肝臓が元気とは限りません。

さらに怖いのが、慢性炎症です。内臓脂肪や異所性脂肪は、単に余分なエネルギーが蓄積されているだけではありません。これらの脂肪は体内で異物として認識され、免疫システムを活性化させます。その結果、慢性的な炎症状態を引き起こし、肝臓の健康を脅かします。

アルコールを飲む時に気をつけたい5つの飲み方

内臓脂肪を減らすためには、まずアルコールの摂取量を控えることです。アルコールは肝臓で代謝されますが、その過程で脂肪の蓄積を促進し、さらに分解を妨げる働きがあります。つまり、飲酒は二重に悪影響があるわけです。

さらにアルコールの過剰摂取は、脂肪肝だけでなく、アルコール性肝炎や肝硬変などの肝疾患のリスクも高めます。肝機能の数値に異常が見られた場合は、断酒するか、少なくとも飲酒量を大幅に減らすことが賢明です。とはいえ、どうしてもお酒を飲みたい方もいるでしょう。

肝臓は守りたいけど、どうしてもお酒をやめたくない、という方は、せめて上手にお酒と付き合うルールを設定していただければと思います。大前提として「量を減らす」のが一番大切ですが、それ以外で私たちが絶対にやめてほしいと思うお酒の飲み方を5つ紹介します。

1.ノンアルコール飲料をチェイサーにする

お酒ばかりを続けて飲まずに、水などのチェイサーを挟みながら飲む。これだけなら、非常によいことなのですが、チェイサーをノンアルコールビールのようなノンアルコール飲料にしてはいけません。なぜなら、それらの商品に含まれる人工甘味料や苦味料、カラメル色素などは、肝臓に対して大きなダメージを与える可能性があるからです。

アルコールという毒素を避けて、その他の毒素を飲むようでは本末転倒です。チェイサーは、水や砂糖不使用のコーヒーやお茶、無添加のノンアルコール飲料にしてください。

2.脂質の多いおつまみと一緒に飲む

「ビールと唐揚げが大好き!」という読者は少なくないと思います。ですが、この組み合わせ、健康的には最悪です。先ほど、飲酒自体が二重の意味で内臓脂肪を増やす行為だと書きました。加えて油がたっぷりのものを食べたら、悪影響なのはいうまでもないことです。

ただ、空腹な状態でお酒を飲むのも問題です。糖質やたんぱく質を代謝してくれるビタミンB6が消費されてしまい、糖質などがダイレクトに中性脂肪になってしまい、結局太りやすくなる。そのため、ビタミンB1やたんぱく質が豊富な枝豆や、アルコールの分解を促進するタウリンが豊富なタコやイカなどをおつまみにするのがおすすめです。

3.筋トレの前後に飲む

アルコールによる脱水と筋トレによる発汗の組み合わせで、体中の水分が減り、ストレスホルモン「コルチゾール」が分泌されて、筋肉の分解を促してしまいます。その他にも、男性ホルモン「テストステロン」が減って、これまた筋肉の合成が阻害されてしまいます。

筋トレは健康にとって素晴らしい習慣ですし、運動の後の一杯はとても美味しいと思うのですが、無添加のノンアルコール飲料で我慢したいところです。また、飲酒後の運動は、脱水や一時的な血圧アップなどにより、多種多様な死亡リスクを上げてしまいます。

4.チューハイやカクテルを飲む

人工甘味料などの添加物や、砂糖のリスクはすでに述べた通りです。ただでさえ身体に悪いお酒に、それらが含まれていたら、肝臓へのダメージは二重三重に増すことは容易に想像できるでしょう。どうしてもチューハイが飲みたい、という方は、ストレートの焼酎を炭酸水で割るプレーンチューハイにしてください。

ちなみに、ノンシュガーやゼロカロリーの商品であっても、人工甘味料はむしろ肥満を招いてしまいます。たとえば、人工甘味料は腸内の悪玉菌のエサになり、腸内環境が悪化することで肥満が促進される可能性が指摘されています。また、発がん性が指摘されている物質もあるので要注意です。

5.締めのラーメンを食べる

お酒を飲んだ後、締めにラーメンやご飯ものを食べる方、たくさんいると思うのですが、これも非常によくありません。アルコールによって満腹中枢が麻痺してしまったり、塩分がほしくなったりするので、脳は空腹感を覚えてスルスルと美味しく食べてしまいますが、実際に身体が求めているわけではありません。要するに、締めの炭水化物は、脂も糖も塩分も、全部とりすぎの状態。言うまでもなく、肝臓へのダメージは甚大です。

とはいえ、実はこれらは、非常によくはないものの、まだかわいいほうです。これらが我慢できないという方も、以下の4つだけは絶対にやめてください。飲酒後の筋トレなども死亡リスクがありますが、これらは文字通り死に直結する可能性がある飲み方です。

・薬と一緒に飲む
・一気飲みをする(特に高齢者)
・迎え酒をする
・寝酒をする(入眠は促進されるが、睡眠の質を著しく下げるので逆効果)

コメント