大戦末期、特攻に異を唱えた「芙蓉部隊」を知ってほしい 地元有志がドキュメンタリー製作で協力呼びかけ

芙蓉部隊の戦没者をまつる慰霊碑「芙蓉之塔」=曽於市大隅町月野

芙蓉部隊の戦没者をまつる慰霊碑「芙蓉之塔」=曽於市大隅町月野

太平洋戦争末期、鹿児島県曽於市大隅町月野の海軍岩川基地から出撃した「芙蓉部隊」を題材とするドキュメンタリー製作に向けた準備が進められている。DVDにして記録を残そうと地元有志が作る会を結成し、広く製作費への協力を呼びかけている。
作品は戦後80年の節目の今夏、同市で上映会を開いて披露される予定。
同部隊は、特攻作戦に異議を唱えた指揮官の美濃部正少佐(1977年に81歳で没)が編成。米軍が展開する沖縄方面に、夜間攻撃に特化した部隊を出撃させた。戦没者など部隊関係者105人の慰霊祭は毎年11月、遺族らが参列して基地跡にある「芙蓉之塔」広場で執り行われている。
監督は、ドキュメンタリー作品「サクラ花-桜花最期の特攻」などを製作した東京在住の松村克弥さん(61)。3年前に部隊の存在を知ったという松村さんは「勇気を持って特攻に異議を唱えた隊長がいたということにびっくりした。もっと多くの人に知ってほしい」と願っている。
作品時間は40~50分程度。製作費は1000万円~1400万円かかる見込み。1口5000円以上の賛助を募っており、作品は完成後、郵送する。振込先は「鹿児島銀行岩川支店 普通口座3047722 ドキュメンタリードラマを作る会」。
作る会会長の持田初穂さん(77)は「芙蓉部隊のことは後世に語り継いでいかなければならない。一人でも多くの方に賛同していただければありがたい」と話した。問い合わせは大隅町岩川の「おひさまの杜こども園」=099(471)2218。

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