マルエーフェリーの「フェリーあけぼの」=同社HPから
マルエーフェリー(奄美市)は10日、2018年3月から始めた鹿児島-奄美・沖縄航路で屋久島に寄港する実証運航について、3月21日の便を最後に休止すると発表した。奄美大島の世界自然遺産登録を見据え、上り便に限り始めたが、利用客の伸び悩みや燃料費高騰などを受け決定した。
当初は4日に1回、20人以上の予約で屋久島へ寄港していた。その後、人数制限を緩和したり、寄港する曜日や時季を限定したりして運航を継続、これまで通算180回運航し延べ約2000人が利用した。
同社によると、寄港1回あたり乗客50人前後で黒字を想定していた。当初見込みより世界遺産登録が遅れたほか、新型コロナウイルスの影響もあり、これまでの平均乗客数は10人余りで推移。県や屋久島町から一部補助もあったが赤字が恒常化した。屋久島寄港の時間帯は本来、船員の休憩時間でもあり、追加労務も課題だった。
同社の宮園登玄(たかはる)総務部長は「奄美と屋久島の世界遺産をつなぐ航路として期待されていただけに非常に残念だが、現状をご理解いただきたい」と話した。
コメント