24歳の特攻隊員が遺書に残した両親への感謝と「一艦轟沈」…どんな思いだったか 出撃地・万世の慰霊祭で高校生が朗読、遺族は涙

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隊員の遺書を朗読する高校生=13日、南さつま市の万世特攻平和祈念館

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鹿児島県南さつま市の万世特攻平和祈念館であった慰霊祭で、加世田と鳳凰高校の放送部4人が特攻隊員の遺書を朗読した。戦後80年の節目に同世代の若者が残した手紙を読み上げ、戦争の悲惨さと平和の尊さを語り継ぐ決意を新たにした。
加世田高3年の原村苺さんは、1945年5月4日に万世飛行場から出撃し、24歳で亡くなった毛利理さんの遺書を読み上げた。両親への感謝とともに「皆々様によろしく-」と書き残していた点が印象に残り、「最後まで周囲の人々を気遣える優しい人柄を伝えたい」と思ったという。
毛利さんは「明後日(あさって)の出撃、必ず一艦轟沈(ごうちん)して参ります」とも記した。原村さんの普段の生活からは想像しがたい内容で、「どんな感情でこの一文を残したのか。一番難しかった部分」と練習を重ね、低い声でゆっくり読んだ。
会場では毛利さんのおい・良一さん(77)が涙を流して聞いていた。「手紙から隊員たちの心情を推し量ろうとしてくれる若者がいることは、平和を実現するための希望になる」。原村さんは「次の世代にしっかり語り継いでいく」と話した。

高校生による隊員だったおじの遺書朗読を聞き、涙を流す毛利良一さん=13日午前11時すぎ、南さつま市の万世特攻平和祈念館

隊員の遺書や手紙を読み上げた高校生と遺族の毛利良一さん=13日午後0時半ごろ、南さつま市の万世特攻平和祈念館

戦後75年 施設アンケート】語り部の重要度増す 「万世特攻平和祈念館」 - 産経ニュース

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