「九州全体を影響下に置くつもりか」「屋久島沖の墜落原因が不明」7月から佐賀に移駐するオスプレイ、基地の街の市民ら抗議 鹿屋市

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鹿屋航空基地周辺で抗議活動する市民ら=16日、鹿屋市野里町

 陸上自衛隊木更津駐屯地(千葉県)のV22オスプレイ1機が鹿屋市の海上自衛隊鹿屋航空基地に飛来し、初めて訓練を行った16日、基地周辺では市民らが抗議活動を行った。参加者からは、将来的な鹿屋基地への配備や離着陸の常態化を懸念する声が聞かれた。
 市民団体「9条の会おおすみ」のメンバーら約20人は、「国民の命守れるか」「軍備より外交を」と書かれた横断幕を基地周辺に掲げた。近くを走る車に手を振り、オスプレイの飛来反対を呼びかけた。
 「今回のような訓練を許せば事故の危険性も増す」。同団体の松下徳二代表(87)=鹿屋市旭原町=は危機感をあらわにする。「九州で配備が進めば、中国との関係も変化するだろう」と外交への悪影響も懸念した。
 鹿屋市の女性(77)は、2023年に屋久島沖で米軍のオスプレイが墜落した事故の根本原因が明らかになっていない点を問題視。「原因が分からないのに住宅地の近くを飛ぶのはおかしい」と疑問を呈した。
 防衛省は、木更津駐屯地のオスプレイを7月から佐賀駐屯地へ移駐する。曽於市大隅の黒木正樹さん(69)は「九州全体を自衛隊の影響下に置こうとしているようだ。いつ鹿屋に配備されてもおかしくない」と不安を口にした。

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