栄養士が解説!毎日ヨーグルトを食べるのは健康に良い?

はっきりYESとは言えないかも……

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週に一度か二度は食べるヨーグルト。スムージーに加えたり、カフェの冷蔵棚で見かけるとつい手に取ったり、忙しい朝にはバッグに詰め込んで出かけたり。こんなふうに私たちがヨーグルトを選ぶのは、外出先でも手軽に食べられる便利さと、その優れた栄養価に信頼を置いているから。

とはいえ、少し過信しすぎてはいないだろうか?ヨーグルトは本当に、私たちが信じているほど栄養の宝庫なの?たとえそうだとしても、体に良いものも摂り過ぎると逆効果になる可能性は?ヨーグルトをこよなく愛し、かなりの頻度で食べている私としては、この疑問をスルーするわけにはいかなかった。そこで今回は、2人の栄養士に話を聞き、記事を山ほど読み漁って徹底的に調査してみた。ヨーグルトについて知っておくべきことはこちら。

ヨーグルトの素晴らしい栄養価について

間違いなく、ヨーグルトには優れた健康効果がある。管理栄養士のジェシカ・コーディング氏によれば、特に生乳ヨーグルトには、カルシウム、ビタミンB12、リボフラビン、カリウム、リンといった栄養素が豊富に含まれている。タンパク質もたっぷりで、種類やメーカーによっては、150gあたり最大16gのタンパク質を含むものもあるそう。また、アメリカでは多くの乳製品にビタミンDが強化されているため、ビタミンDの供給源としても頼れる存在。

多くのヨーグルトには善玉菌である「プロバイオティクス」も含まれている。管理栄養士のキム・ヤウィッツ氏によれば、これらの菌は腸内の善玉菌と悪玉菌のバランスを最適化するのに役立つほか、プロバイオティクスが豊富なヨーグルトを摂ることで、腸の感染症を防いだり、過敏性腸症候群(IBS)の症状を和らげたり、大腸がんのリスクを下げる可能性もあるそう。腸内環境を整え、ビタミン、ミネラル、タンパク質も豊富に摂れるのだから、毎朝ヨーグルトを食べるのはまさに理にかなったヘルシー習慣と言えるよう。

パッケージを注意深く見る必要あり

すべてのヨーグルトが同じようには作られていないため、その栄養価の高さは、どのヨーグルトを食べるかによって大きく異なる。例えば、腸に良いとされる生きたプロバイオティクスが含まれているのは、ごく一部のヨーグルトだけ。ヤウィッツ氏いわく、ヨーグルトに自然に含まれているプロバイオティクスの多くは、低温殺菌の工程で死滅してしまうため、プロバイオティクスが実際に腸に届くヨーグルトとは、低温殺菌のあとに菌を添加している製品のみ。つまり、パッケージに”生きた乳酸菌入り”などと記載がないものは、腸内環境の改善にはあまり期待できない。

添加されている砂糖の量によっても、ヨーグルトの栄養価は大きく変わってくる。ヤウィッツ氏によれば、一見ヘルシーそうなフルーツ味のヨーグルトにも、実はアイスクリーム1食分と同じくらいの砂糖が加えられていることもあるという。例えば、人気ブランド『ヨープレイ』のストロベリーヨーグルト(約170g)を見てみると、タンパク質はたった5gなのに、砂糖は18gも含まれている。ちなみに、同ブランドのバニラアイスクリーム1食分に含まれる砂糖の量も同じく18g。同じ糖分を摂るならアイスクリームを選びたいと思うのは、きっと私だけではないはず。

要するに、ヨーグルトは平日の朝にぴったりのヘルシーな選択肢にもなり得るけれど、製品によっては必ずしもそうとは限らない。

どんなヨーグルトを選ぶといい?

朝のヨーグルトを選ぶなら、いくつかの基本ルールがある。スーパーで購入するときや、地元のカフェでヨーグルトを手に取るときに押さえておきたいポイントは以下の通り。

高タンパクのものを選ぶ

昼食までエネルギーを持続させたいなら、ヨーグルトの高タンパクという特長を活かすことが重要なポイント。コーディング氏がよく勧めているのは、タンパク質が豊富で満腹感が持続しやすいギリシャヨーグルトやアイスランド風ヨーグルト。ただし、これらのヨーグルトは万人に好まれるわけではないため、普通のプレーンヨーグルトが好きなら、無理に高タンパクのヨーグルトを選ぶ必要はない。代わりにコーディング氏が提案するのは、朝食に他の食材から少し多めにタンパク質を取り入れること。

加糖ヨーグルトは避ける

朝からデザートを楽しみたいときは別として(そういう日があってもいい!)、基本はフレーバー付きではなく無糖タイプを選ぶようにしよう。甘さのないプレーンヨーグルトが苦手な人は、コーディング氏いわく、アルロースやモンクフルーツ、ステビアなど、自然由来の甘味料が使われた低糖タイプのヨーグルトを選ぶのも一つの方法だという。プレーンとフレーバー付きのヨーグルトを混ぜて、少しずつプレーンの割合を増やしていくことで、味覚を慣らしていくのもおすすめ。

生きたプロバイオティクス入りかどうかもチェック

プロバイオティクスの効果をしっかり得るには、ラベルを確認して、ヨーグルトにその細菌が再添加されているかどうかを確かめることが大切。ヤウィッツ氏は、パッケージに「生きたまま腸に届く」という記載があるもの、または具体的な菌株の名前が明記されている製品を選ぶように勧めている。

ヨーグルトは、食生活に取り入れることで大きな健康効果が期待できる食品だが、すべてのヨーグルトがそうとは限らない。次に手に取るときは、朝の一杯でそのメリットをしっかりと得られるように、パッケージのラベルを忘れずにチェックしてみて。

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