自営業や個人事業主、学生などは、国民年金保険料を自分で納付する必要があります。すでにお手元に、2025年度分の納付書が届いている方もいるのではないでしょうか。
2025年度の国民年金保険料は、昨年度よりも530円プラスで月額1万7510円となっており、年額では21万120円になります。まとまった金額が必要になるため、お得に支払える方法はないのか気になるところです。
本記事では、国民年金保険料をお得に納付する方法や、さまざまな納付方法を解説していきます。
1. 国民年金保険料は前納でお得になる
国民年金保険料の納付方法には、毎月納付だけでなく、まとめて前払いする「前納」があります。前納することで割引が適用されるため、保険料の納付負担を軽減することが可能です。
国民年金の納付には、2年前納・1年前納・6ヵ月前納・早割・毎月納付の5つがあり、それぞれ割引額が異なります。また、「納付書払・クレジットカード払」か「口座振替」かによっても割引率が異なります。
それぞれの納付による割引額は以下の通りです。
納付方法による割引額
最も割引率が高いのは「2年前納」で、1ヵ月分の保険料程度を割引することが可能です。また、同じ2年前納払いでも、「納付書払・クレジットカード払」より「口座振替」の方が、1340円多く割引されていることがわかります。
したがって、最もお得なのは2年前納を口座振替で納付する方法となります。
2. 国民年金保険料の5つの納付方法
国民年金保険料は、納付書払や口座振替だけでなく、全部で5つの納付方法があります。一番お得なのは口座振替ですが、自分にとって使いやすい納付方法を選ぶのもひとつの方法です。
2.1 納付書払
自宅に送付された納付書を用いて、金融機関やコンビニエンスストアなどで支払う方法です。払い込む際に手数料はかかりません。
対応している金融機関は、ゆうちょ銀行を含む全国の銀行や信用金庫、信用組合などです。コンビニエンスストアにはセブンイレブンやローソン、ファミリーマートなど10ヵ所以上があります。
なお、市区役所や町村役場、年金事務所の窓口では、保険料を納付できないため注意しましょう。
2.2 口座振替
あらかじめ口座振替を登録した銀行の口座から定期的に納付する方法です。一度登録しておけば自動で引き落とされるため払込み忘れを防げます。また、先にも触れたように割引率が最も大きい納付方法です。
口座振替の手続きは書面のほか、ねんきんネットからも可能です。
振替日は、振替方法(2年前納や1年前納など)により異なるため、選択した方法に対応した振替日を忘れないように入金を済ませましょう。
2.3 クレジットカード
事前に登録することで、保有しているクレジットカードから国民年金保険料を納付することが可能です。前納払いにも対応しており、一度申込んでおけば次回以降も自動で引き落としになります。
登録する前に、クレジットカードの利用限度額を確認してください。限度額によっては前納払いに対応できない可能性があるためです。
なお、保険料の一部免除を受けている場合はクレジットカード払いはできません。また、カード番号を間違えていると振替日に間に合わないことがあるため、申請時には十分に確認しましょう。
2.4 スマートフォンアプリ
スマートフォンに、国民年金保険料の払込みに対応した決済アプリをダウンロードしておき、納付書を利用して払い込む方法です。
スマートフォンアプリでのお支払い
決済アプリで、納付書の赤点線枠内のバーコードを読み取り、内容を確認のうえパスワードを入力して電子決済します。
対応している決済アプリは以下の通りです。
- AEON Pay
- auPAY
- d払い
- PayB(※1)
- PayPay(※2)
- LINE Pay(※3)
- 楽天ペイ
※1 PayBと提携している各金融機関が提供する決済アプリを含む
※2 PayPayマネーライトでは納付不可
※3 サービス終了に伴い令和7年4月23日(水)まで利用可能
なお、30万円を超える場合や延滞金納付書にはバーコードが印字されていないため、払い込みはできません。
2.5 ねんきんネット
ねんきんネットでは、納付書が手元になくてもインターネットバンキングなどを利用してPay-easy(ペイジー)納付ができます。また、ねんきんネットに表示された納付書情報を、Pay-easy対応のATMに入力して納付することも可能です。
ただし、納付書がない場合の納付は、前月分以前の保険料のみとされており、当月分以降の保険料は納付できません。また、納付猶予や免除を受けている期間の追納もできません。
3. まとめにかえて
国民年金保険料を最もお得に納付できるのは、2年前納を口座振替で納付する方法です。保険料の約1ヵ月分を節約できるうえ、一度登録しておけば自動的に引き落とされるので払込み忘れを防げます。
保険料の納付方法には、口座振替以外にもクレジットカードやスマートフォンアプリなどの方法もあります。お得な払込み方法を選ぶだけでなく、自分にとって使いやすい方法を選ぶのも良いでしょう。
コメント