県庁所在地で「日本一渋滞する」鹿児島市 経済損失は年410億円 市が初めて試算、1人当たりなら年7万円も…

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〈資料写真〉慢性的に混雑する産業道路入口付近=鹿児島市

鹿児島市は1日、市内の渋滞による経済損失額が年間で約410億円に上るとの試算を初めて明らかにした。国土交通省鹿児島国道事務所の集計で同市は、全国の県庁所在地で道路混雑度がワースト1位となっており、市は「試算を示すことで、市民や民間に渋滞対策に協力してもらうきっかけとなれば」としている。
同日、市役所であった市渋滞対策基本計画策定協議会(会長・木方十根鹿児島大学工学部長)で示した。市街路整備課によると、損失額は県道、国道、高速道路を調査対象とした道路交通センサス(2021年)を基に算出。平均速度での路線の通過時間と渋滞がない場合の通過時間の差に、交通量や車種別の時間価値をかけて計算した。市民1人当たりでは年7万円の損失となる。
協議会で市は、通勤通学による市外からの流入が姶良、霧島など北部から約1万人、日置など西部9000人、南部は4000人あると説明。物流関係では、平日朝に谷山港付近を通過する貨物車の約4割が、有料道路ではなく市街地方面につながる産業道路に向かう状況が報告された。
市はほかに、渋滞対策の方向性として期間を短中長期に分け、それぞれ時差出勤などソフト対策、交差点改良や幹線道路整備といったハード対策を推進する案を示した。

  • 年間410億円に上る鹿児島市の年間渋滞損失額が示された協議会=1日、鹿児島市役所

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