マイナンバーカードの普及率は、2025年4月末時点で78.5%です。コンビニでの公的証明書の発行や健康保険証としての利用など、さまざまな用途で使えるようになってきており利便性が向上しています。
そして、2025年3月24日からは、さらなる利用者の利便性向上や行政コストの削減を目的に、マイナンバーカードが運転免許証としての機能を有するようになりました。
本記事ではマイナンバーカードを免許証として利用するメリットについて解説します。
マイナ免許証とは?
運転免許証としてマイナンバーカードを利用できる仕組みは、「マイナ免許証」と呼ばれています。運転免許センターや一部の警察署で手続きすることによって、利用できるようになります。マイナ免許証が導入されたからといって、従来のカード型の運転免許証が使えなくなるわけではありません。マイナ免許証導入後の運転免許証の持ち方は次の3通りです。
(1)マイナ免許証のみを保有する(現在の運転免許証は返納)
(2)運転免許証とマイナ免許証の両方を保有する
(3)運転免許証のみを保有する
マイナ免許証は新規発行や更新時の手数料が安い
マイナ免許証を利用するメリットの1つに、運転免許証の新規発行および更新時の手数料が安いことが挙げられます。従来の運転免許証の取得および更新時の手数料と比較すると、図表1の通りです。
図表1
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
デジタル庁 マイナンバーカードの運転免許証利用 より筆者作成
1のマイナ免許証のみを保有するのが最も安く、3の従来の運転免許証のみを持つ場合と比べて、取得で800円、更新で750円安くなります。
手数料が安いだけじゃない! マイナ免許証のメリット
マイナ免許証を利用するメリットは、新規発行や更新にかかる手数料が安いだけではありません。そのほかの主なメリットは次の3つです。
住所や氏名などの変更手続きの負担軽減
引っ越しや結婚などで住所や氏名の変更をする際、これまでは居住地の役所と、運転免許センターや警察署などの両方で変更の手続きをする必要がありました。しかし、「マイナ免許証のみを保有」している場合であれば、役所で変更手続きを行うことで、一括して変更手続きが完了します。
免許証更新時の講習がオンラインで受講可能
マイナ保険証を保有していれば、運転免許センターなどで受講していた更新時の講習を、好きな時間に、場所を選ばずスマホやPCなどでオンライン受講できます。しかし、オンラインで更新手続きが完結するわけではなく、視力検査・写真撮影などの更新手続きは運転免許センターなどに行く必要がある点に注意が必要です。
このサービスは、マイナ免許証のみ保有、もしくは運転免許証とマイナ免許証の2枚持ちのどちらの場合でも受けられます。ただし、優良運転者または一般運転者のみが利用できるサービスで、違反運転者講習の受講が必要な人は利用できないので注意しましょう。
居住地以外での運転免許証更新の迅速化と申請期間の延長
住んでいる都道府県以外の場所で、運転免許証の更新手続きを行う場合にもメリットがあります。マイナ免許証のみ更新する場合であれば、即日で更新手続きが完了します。また、これまでは誕生日1ヶ月前から誕生日までの間に申請が必要でしたが、申請の期日が免許証の有効期間の末日まで延長されます。
こちらのサービスも、マイナ免許証のみ保有、もしくは運転免許証とマイナ免許証の2枚持ちのどちらの場合でも受けられますが、優良運転者または一般運転者の利用に限られます。
マイナ免許証を利用してさまざまなメリットを生かそう
2025年3月24日から、マイナンバーカードと運転免許証が一体となったマイナ免許証の運用が始まりました。マイナ免許証は、発行・更新時の手数料が安いことに加えて、登録情報の変更手続きの一元化、免許更新時講習のオンライン受講、居住地以外での運転免許証の更新の際の利便性向上といった4つのメリットがあります。
マイナンバーカードを持っている人もそうでない人も、これを機にマイナ免許証の所有を検討してみてはいかがでしょうか。
出典
総務省 マイナンバーカード交付状況について
デジタル庁 マイナンバーカードの運転免許証利用
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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