2025年 SAKE COMPETITION 日本酒順位発表
本当に美味しい日本酒はどれか? 日本酒選びの基準にもなる日本酒品評会の一つである「SAKE COMPETITION(サケ・コンペティション)」の2025年度表彰式が6月10日に開催された。
2012年からスタートしたSAKE COMPETITIONは、今年で11回目となる。
「ブランドによらず消費者が本当に美味しい日本酒にもっと巡り会えるよう、新しい基準を示したい」という理念のもと、東京の酒販店らが中心となって、消費者に分かりやすく日本酒の魅力を伝えようとして企画された品評会である。
審査対象は市販されている日本酒であり、銘柄を隠したブラインドテイスティングで行われ、日本酒のおいしさ(酒質)のみで競う。そのため、ブランドや銘柄に左右されることなく、どんな日本酒でも1位をとるチャンスがあるとされている。
2025年の審査部門は、「純米酒」「純米吟醸」「純米大吟醸」「Super Premium」「海外出品酒」に加え、「モダンナチュラル」が新設され、日本全国の358蔵から1,163点の日本酒が出品された中から受賞酒が発表された。
TAKANAWA GATEWAY CITYで開催された表彰式で、一堂に会した受賞者たち。
「純米酒部門」
1位は、1830年創業の老舗、静岡県焼津市にある磯自慢酒造株式会社の「磯自慢 雄町 特別純米53」。
「日本酒の原点である純米酒の部門で第1位をいただけたことは作り手冥利に尽きます。岡山県の雄町の特等米の米質にあった酵母を選択しており、手抜きすることなく作りました。和食だけではなく、イタリアンやフレンチにも合うお酒です」と語った。その味わいは果実感より米感の味や香りを感じ、後味はキレがいい。
2位 「天上夢幻 旨口 特別純米」株式会社中勇酒造店(宮城)
3位 「流輝 純米ドライ」松屋酒造株式会社(群馬)
4位 「飛露喜 特別純米」株式会社廣木酒造本店 (福島)
5位 「AKABU 純米酒」赤武酒造株式会社(岩手)
6位 「みむろ杉 ろまんシリーズ Dio Abita」今西酒造株式会社(奈良)
7位 「自然郷 円融純米」合名会社大木代吉本店(福島)
8位 「土佐金蔵 特別純米」高木酒造株式会社(高知)
9位 「一白水成 特別純米酒 良心」福禄寿酒造株式会社(秋田)
10位「大盃 特別純米」牧野酒造株式会社(群馬)
「純米吟醸部門」
1位は、伊勢の地で家族の手作業による日本酒を代々受け継いできている、寒紅梅酒造株式会社(三重)の「寒紅梅 純米吟醸 山田錦50%」である。
「今年はお米の品質自体があまりよくなく、酵母も立ちづらかった為、試作では中々満足行くものが作れなかったのですが、工夫と試飲を繰り返しながら、改良を重ねた結果このような賞に繋がったと思っています」。
味わいは、華やかな果実の香りとフレッシュな酸、山田錦の旨味が感じられ、冷やして楽しみたい。
2位 「而今 純米吟醸 山田錦」木屋正酒造株式会社(三重)
3位 「東洋美人 限定純米吟醸 愛山 醇道一途」株式会社澄川酒造場(山口)
4位 「大嶺 3粒ひやおろし 山田錦」大嶺酒造株式会社(山口)
5位 「楽器正宗 雄町 中取り」合名会社大木代吉本店(福島)
6位 「作 奏乃智」清水清三郎商店株式会社(三重)
7位 「磯自慢 純米吟醸」磯自慢酒造株式会社(静岡)
8位 「町田酒造 純米吟醸 山田錦」株式会社町田酒造店(群馬)
9位 「中島屋 純米吟醸」株式会社中島屋酒造場(山口)
10位「AKABU 純米吟醸 愛山」赤武酒造株式会社(岩手)
「純米大吟醸部門」
1位は創業200年になる神奈川県あつぎの黄金井酒造株式会社の「盛升 純米大吟醸」が受賞した。授賞式は欠席だったが、インスタグラムでは「マジか!!」と驚きの呟き。
その味わいは七沢の名水で丹精込めて仕込まれており、フルーティーなニュアンスを感じながらも、甘みと旨味が調和した繊細な味わいが特長。
2位 「望bo: 純米大吟醸 雄町」株式会社外池酒造店(栃木)
3位 「南部美人 純米大吟醸」株式会社南部美人(岩手)
4位 「有機純米大吟醸 天鷹 槽搾り原酒」天鷹酒造株式会社(栃木)
5位 「石鎚 純米大吟醸」石鎚酒造株式会社(愛媛)
6位 「燦爛 純米大吟醸 夢ささら」株式会社外池酒造店(栃木)
7位 「南部美人 純米大吟醸 結の香」株式会社南部美人(岩手)
8位 「AKABU 極上ノ斬 純米大吟醸」赤武酒造株式会社(岩手)
9位 「白鶴 Alternative 純米大吟醸 白鶴錦」白鶴酒造株式会社(兵庫)
10位 「天吹 純米大吟醸 愛山」天吹酒造合資会社(佐賀)
「Super Premium部門」
特定名称酒に限らず、720mLで小売価格が10,000円(外税)以上、1,800mLで15,000円(外税)以上の清酒から選ばれる。
1位「極聖 純米大吟醸 天下至聖」宮下酒造株式会社(岡山)
2位「田酒 純米大吟醸 PREMIUM」株式会社西田酒造店(青森)
3位「くどき上手 命」亀の井酒造株式会社(山形)
「海外出品酒部門」
DASSAI USA lnc.(アメリカ)の「DASSAI BLUE Type 23」が1位を獲得した。
「モダンナチュラル部門」
新設された当部門は、純米酒かつ「生酛/山廃/菩提酛」の清酒であり、2023年7月1日~2024年6月30日(2023BY)、および2024年7月1日~2025年6月30日(2024BY)の期間に醸造された清酒から選ばれ、次世代の日本酒が選ばれる。
1位は株式会社西田酒造店(青森)の「田酒 純米大吟醸 山廃」が獲得した。
「重いやクセがあると思われがちな純米大吟醸ですが、山廃の純米吟醸は決して変なクセがあるわけではなく、スッキリとした酸が出ているのが特徴です。これが本当の山廃なんだと伝えたかったので、今回賞をいただけたのはその証だと実感しています。今年初めて出品し、まさか賞を2つもいただけて、うれしいです。」と、受賞の喜びを語った。
2位 「雨降 水酛愛山 “MIZUMOTO”」吉川醸造株式会社(神奈川)
3位 「松の司 純米大吟醸 AZOLLA50」松瀬酒造株式会社(滋賀)
4位 「山城屋 STANDARD CLASS」越銘醸株式会社(新潟)
5位 「仙禽 モダン 壱式」株式会社せんきん(栃木)
受賞酒は発表後に売り切れが続出する傾向があるため、手に取る機会があれば、ぜひ試してみたい。
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