最近、全国の自治体でNHK受信料の未払いが話題となっています。理由は、テレビ機能付きのカーナビや携帯電話などについて、NHK受信料契約がされていないことが発覚したからです。
NHK受信料は、受信機を設置した時点までさかのぼって支払う必要があります。そのため、数百万円の支払いが発生した自治体もあるようです。
このニュースを聞くと、「自分の車に付いているカーナビによって、NHK受信料の追加支払いを求められるのでは」と不安に感じる人もいるかもしれません。本記事では、各自治体が追加支払いを求められた理由の詳細と、一般家庭でも追加の支払いをする可能性があるのかを解説します。
法人などの場合は設置場所ごとに契約が必要
住居以外の場所に設置するテレビなどの受信機について、NHKの規約では「設置場所ごとに契約が必要」と定められています。これは、事業所やホテル、営業車、公用車などを対象とした法人契約のルールです。
例えば、ホテルであれば、テレビが設置された客室1部屋ごとに契約が必要になります。実際、過去にはあるホテルが受信料の支払いをしていなかったと話題になったこともありました。
今回のように、公用車や業務用の営業車にテレビ付きカーナビがある場合も、1台ごとに契約が必要となります。各自治体はこのルールにのっとり、追加の受信契約と未払い分の料金支払いを求められる事態になったのです。
個人は“世帯単位”で契約すればOK 車も自宅の一部とみなされる
一方、一般家庭のNHK契約に関しては「世帯単位」で行われます。例えば、リビングと父の部屋、子ども部屋に1台ずつといった具合に複数台テレビを持っていても、1契約で問題ありません。
そしてこのルールは、自家用車に搭載されたテレビ付きカーナビにも適用されます。NHKの公式見解では、自家用車のテレビは「住居の一部」と見なされるため、すでに自宅でNHKの受信契約をしていれば、車に追加の契約を結ぶ必要はありません。
ただし、家にテレビがなく車にしか受信機がない場合は、契約が必要となるため注意が必要です。
単身赴任や学生のひとり暮らしの場合は受信料の契約が必要
ただし、同一生計で生活している家族であっても、別居している場合は話が変わります。例えば、親元を離れて暮らす学生や単身赴任中の社会人など、独立した「住居」で生活し、その場所でテレビを設置した場合は別途受信契約が必要です。
別荘やセカンドハウスを別に持っており、そこにテレビを設置しているケースも同様となります。
ただし、同一生計の家族や本人が受信契約をしている場合は、「家族割引」で受信料を半額に抑えられるほか、学生の一人暮らしであれば「学生を対象とした免除制度」で受信料が全額免除となる場合もあります。
学生の一人暮らしの場合は、こういった制度を知らずに支払いを続けている場合があるかもしれません。念のため、子どもに確認してみたほうがよいでしょう。
家でNHKを契約していれば、車にテレビがあっても追加契約は不要
数百万円というのは衝撃的ですが、これはあくまで法人や自治体の話です。一般家庭ですでにNHKの受信契約を結んでいる場合は、自家用車にテレビ付きカーナビがあっても、追加料金を求められることはありません。
ただし、車だけにテレビがある場合や、世帯を分けて暮らしている人は契約が必要になることもあります。自身の状況がどれにあたるか、一度確認しておくと安心です。
出典
日本放送協会 NHK受信料の窓口 放送受信料に関してよくいただく質問
日本放送協会 NHK受信料の窓口 学生を対象とした免除・割引制度
執筆者 : 浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
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