2016年1月に交付を開始し、本人確認や健康保険証として利用されているマイナンバーカード。10年の有効期限を迎える人が増え、25年度から更新が本格化する。総務省の想定では有効期限が5年となっているマイナカード内の電子証明書を含め、25年度の更新は全国で約2780万件に上るとされ、県内市町でも窓口の増設など対応を強化している。
マイナンバーカードの更新などを受け付ける窓口。午前中から多くの市民が手続きに訪れる=6月上旬、静岡市葵区役所
6月上旬、静岡市葵区役所戸籍住民課の窓口には朝から市民が次々と訪れていた。同区の70代男性は、医療機関を受診した際に電子証明書の期限切れに気付き、更新に訪れた。手続きは15分ほどで完了し、カードは再び手元へ。「スムーズに更新できてよかった」と安堵[あんど]した。◆ 電子証明書も マイナカード本体は成人の場合、発行日から10回目の誕生日までに更新が必要だ。容姿の変化に対応するため、運転免許証と同様に顔写真を改めて撮影し、新しいカードの交付を受ける。18歳未満の場合は5回目の誕生日が期限となっている。更新の申請はオンラインでもできるが、更新したカードを受け取るには原則として本人や代理人が市区町村の窓口に出向く必要がある。 更新数増加のもう一つの要因が、5年ごとに有効期限を迎える電子証明書の存在。本人確認の際に必要で更新をしなかった場合、マイナカードを利用したオンライン手続きや住民票の発行ができず、マイナ保険証の登録をしていた場合には保険証としての利用もストップする。カード本体、電子証明書ともに有効期限が切れる3カ月ほど前に更新を知らせる手紙が郵送されるという。◆ 窓口を増設 静岡市戸籍管理課によると同市では本年度、カード本体と電子証明書の合計で約15万枚が更新対象となるという。市は電子証明書の更新手続きのため、既設の3区役所と長田、蒲原、井川の3支所に加え、4月から葵区の城東保健福祉エリアと市役所清水庁舎の会議室にも窓口を増設した。駿河区役所は窓口数を増やして対応している。 約8万枚の更新を見込んでいる浜松市は25年1月に市内のサービスセンター4カ所で新たに電子証明書の更新窓口を設けた。3区役所と4行政センター、7支所のほか一部の協働センターやサービスセンターでも手続きを可能とし、きめ細かく対応している。 更新件数は26、27年度も高水準が続く見通し。静岡市の担当者は「今後はさらに窓口の混雑が予想される。増設窓口の利用を案内するなどして、待ち時間の少ないスムーズな更新を目指したい」と話している。
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