〈新燃岳7年ぶり噴火〉宮崎側へ降り注ぐ火山灰、立ち込める硫黄臭…観光業、活動の長期化や風評被害を懸念「早く収まって」

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宮崎県高原町の皇子原公園から撮影された新燃岳の噴煙=22日午後4時50分、同町蒲牟田(内村雅樹さん提供)

新燃岳の噴火を受け、一時的に設置された立ち入り禁止の看板=22日、霧島市霧島田口の高千穂河原駐車場

新燃岳の噴火を受け、一時的に設置された立ち入り禁止の看板=22日、霧島市霧島田口の高千穂河原駐車場

 霧島連山・新燃岳が7年ぶりに噴火した22日、宮崎県高原町の市街地では夜にかけて火山灰が降り注いだ。家屋や乗用車のフロントガラスが灰色に染まり、硫黄臭が立ち込めた。観光関係者らは「風評被害が怖い。早く収まってほしい」と願った。一方、鹿児島県霧島市側への降灰などは見られず大きな混乱はなかった。
 高原町では高妻経信町長や課長らが役場に集まり、臨時課長会を開いた。町内から高千穂峰や矢岳に登る登山客には、ホームページなどで自粛を呼びかけた。
 同町蒲牟田で奥霧島皇子原公園キャンプ場を運営する会社「奥霧島温泉郷」の内村雅樹代表(48)は「夏休みに向け順調に宿泊予約が入っているだけに、長期化するのは勘弁してほしい」と心配した。
 「少し驚いたが、噴火警戒レベルが2(火口周辺規制)のままで安堵(あんど)した」。霧島温泉郷を中心とした旅館・ホテル12施設でつくる霧島温泉旅館協会の林田博会長(61)は冷静に受け止める。平常通り営業を続けており「引き続き火山活動を注視したい」と語った。
 自然公園財団高千穂河原支部は、高千穂河原の駐車場入り口前に立ち入り禁止の看板を設置したが、警戒レベルが維持されたため撤去。霧島市は防災無線などで火山情報や報道に注意するよう呼びかけた。

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