じゃがいもは栽培がとても簡単な植物。自宅で育てておいしく食べましょう。
みんな大好きな野菜、じゃがいも。ゆでたり、焼いたり、ソテーにしたり。揚げたり、マッシュにしたり…どう調理しても、じゃがいもはおいしく食べられます。この万能野菜は栄養価も高く、ビタミンB6、ビタミンC、カリウム、食物繊維が豊富に含まれています。さらに、カロリーは1個あたりわずか110キロカロリー。じゃがいもは、普段の夕食にも、大切なイベントにもぴったりです。
家庭菜園をしている人、またはこれからしようと思っている人にとって、じゃがいもはおすすめ野菜の1つです。レイズドベッド、大きなプランター、布製の栽培バッグ、植木鉢など、栽培方法はたくさんあります。そして、収穫時期に、土から掘り出すのが楽しいのも魅力の1つ。
それでは、じゃがいもの育て方を見ていきましょう。
じゃがいもの基本情報
じゃがいもの植え方
じゃがいもは「種芋」から育てます。種芋は、苗専門店かオンラインの園芸店で購入すると、うまく育つことが多いです。パントリーの奥に残っている、おいしい時期を過ぎたじゃがいもなどから育てることもできますが、発芽しないように処理されていたり、病気が潜んでいる可能性があるため、必ずしもうまく育つとは限りません。
植える準備ができたら、芽が1〜2個含まれる部分を選んで、5cmほどの大きさに切ります。その後、暖かく日当たりのよい場所に少なくとも2日間置いて、じゃがいもを乾燥させます。ただし、この手順は必ずしも必要ではありません。
植え付けは、水はけがよく、緩く肥沃な土壌に行います。耕運機や園芸用スコップを使って、畑の土を丁寧に掘り返し、塊をほぐして準備を整えます。深さ10~15cmの穴を掘り、種芋を25~30cm間隔で、芽を上にして穴に入れます。そして、種芋のうえに5~7.5cmの土をかぶせます。蔓が15~20cm伸びたら、種芋の周りに土を足して盛り土をしましょう。
プランターでの育て方
プランター栽培で最も重要なポイントは、大きなプランターを使うことです。5ガロン(約19リットル)、または10ガロン(約38リットル)のプランターが理想ですが、深さは少なくとも60cm以上必要です。プランターの底に10~15cmほど土を入れ、種芋を入れ、さらに5~7cmほど土をかぶせます。種芋が成長し、土から15~20cmほど顔を出してきたら、土を足し続けてください。じゃがいもは空気に触れると緑色に変色し、苦味が出てしまうので、土で覆っておく必要があります。プランターで育てたじゃがいもは、一般的に小さくなり、収穫量もやや少なくなります。
じゃがいものお手入れ方法
じゃがいもは弱酸性の土壌を好むので、植え付け時に肥料を与え、その後は定期的に水やりをしましょう。通常は週に1度の水やりが必要です。特に開花期は塊茎が形成されるため、常に湿った状態を保つことが重要です。窒素を与えると葉は茂りますが、塊茎は小さくなってしまいます。生育中にじゃがいもが地面から出てきた場合は、緑色にならないように土をかぶせましょう。
スーパーで買ったじゃがいもでも育つ?
もちろん、スーパーで買ったじゃがいもから育てることも可能ですが、スーパーで売っているじゃがいもがすべてうまくいくとは限りません。発芽を抑えるために化学処理されているものがあるからです。発芽したら、収穫できるまで成長する可能性は高いですが、収穫量は少ないかもしれません。しかし、時間や労力などを無駄にすることなく、最良の結果を得たいなら、病害のないことが保証されている未処理の「種芋」を専門店やオンラインで購入しましょう。
どのくらいで収穫できる?
じゃがいもは成長が早く、植え付け後約3~4カ月で成熟します。品種によって成熟期間が異なるため、説明をよく読んで、収穫時期の目安を把握しておきましょう。
どうやって収穫する?
発芽後約60日で、柔らかい「新じゃがいも」として収穫できますが、残りのじゃがいもはさらに2週間ほど栽培して乾燥させます(皮が少し硬くなるので、より長持ちします)。収穫する際は、小さなガーデンフォークかスコップを使って、じゃがいもをやさしく土から持ち上げます。収穫量を最大限にしたいなら、葉が枯れ始めるまで待ちましょう。スコップで傷をつけてしまったじゃがいもは、すぐに腐ってしまうので、なるべく早く食べましょう。
じゃがいもに害虫はつく?
じゃがいもは比較的丈夫な植物ですが、ハリガネムシ、アブラムシ、コロラドハムシなど、対策が必要な害虫がいくつかあります。これらの害虫は、ほぼ一夜にして作物を壊滅させてしまう可能性があります。害虫駆除の最善策は、注意深く観察することです。数日おきに植物の状態を必ず確認してください。
コロラドハムシは、晩春から初夏にかけて発生し、葉をむしゃむしゃ食べます。黄色っぽい体で黒い縞模様があります。幼虫は濃い赤色またはオレンジ色で黒い斑点があり、じゃがいもの葉も食べます。葉の裏側に、鮮やかなオレンジ色の卵が付いていないかも確認しましょう。
ノミハムシはゴマ粒ほどの大きさで、黒または茶色の非常に小さな虫です。植物の葉に小さな穴を開け、若い植物を枯らしてしまうことがあります。ノミハムシ対策は予防が重要です。布製の防虫ネットを使って、若い植物を保護しましょう。成熟した植物は、ノミハムシの被害を受けにくくなります。
農薬を使用する場合は、ラベルをよく読んで、じゃがいもに害がないことを確認してください。また、害虫によく見られる殺虫剤耐性を防ぐために、使用する農薬の種類をローテーションさせるよう計画を立てましょう。
「畝や長い溝に植えて、成長に合わせて段階的に土を被せていくと、より多くのジャガイモが収穫できます」と、シアトル・アーバン・ファーム・カンパニー社の創設者で、『Food Grown Right in Your Own Backyard』『High-Yield Vegetable Gardening』の著者、かつ、ポッドキャスト「Encyclopedia Botanica」のプロデューサーでもあるコリン・マクレイトは言います。「成長に合わせて、土の代わりに藁を上に乗せる人もいます。しっかりとした収穫量を確保しつつ、簡単かつきれいに収穫できます」
※この記事は一部抄訳しています。
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