川辺仏壇の技術でピアノ型オルゴール製作 特攻隊員にまつわる「月光」を奏でる 南九州市のふるさと納税返礼品に

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川辺仏壇の技術を使い製作されたオルゴール=5日、南九州市の知覧特攻平和会館

 戦後80年の節目に合わせ、鹿児島県南九州市の県川辺仏壇協同組合は、知覧特攻平和会館にあるピアノの約10分の1サイズのミニチュアを使ったオルゴールを製作した。5日に寄贈先の同館でお披露目され、ベートーベンの「月光」を奏でた。
 平和会館のピアノはドイツ・フッペル社製で、太平洋戦争末期、出撃前の特攻隊員とみられる若者が佐賀県鳥栖市の国民学校を訪れ、「月光」を弾いたと伝わるピアノと同型。逸話に感動した声楽家の男性が1995年に寄贈した。
 オルゴールは仏壇の木地や塗りの技術を応用しヒバと漆で完成させた。10月から市のふるさと納税返礼品として、70万円の寄付に対し贈られる。伝統工芸士の橋口知由さん(61)は「戦争が二度と起きないよう祈りたい。川辺仏壇に光が当たる機会にもなってほしい」と語った。

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